Vol.422.修正CI療法と他の治療を組み合わせるとより効果的?修正CI療法&メンタルプラクティスの介入効果
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タイトル
●修正CI療法と他の治療を組み合わせるとより効果的?修正CI療法&メンタルプラクティスの介入効果
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●メンタルプラクティスは準備さえすれば、自主練習として使用でき、臨床で有用と思われる。その手法を学ぶべく本論文に至る。
内 容
背景
●修正CI療法は、麻痺側上肢を用いた反復的な課題指向型トレーニングを奨励する療法です。 修正CI療法は脳卒中発症後のすべての段階で有効性を示しています。
●メンタルプラクティスは、課題のパフォーマンス中に活性されるものと同様の神経および筋の活性化を引き出します。
●他の治療と組み合わせた場合の有効性を考慮し、今回の研究では、修正CI療法と修正CI療法+メンタルプラクティスの有効性を、ランダム化比較試験にて検討しました。
方法
●10人の慢性脳卒中患者(男性7人、平均年齢61.4 +/- 3.02歳、年齢範囲48〜79歳、脳卒中からの平均経過時間28.5か月、範囲13〜42か月)が参加した。
●患者は1.機能的活動において麻痺側上肢の使用を週3日、10週間強調する治療 2.非麻痺側上肢の拘束が週5日、5時間未満、10週間実施した。修正CI療法 +メンタルプラクティスの実験条件にランダムに割り当てられた被験者は、同様の治療セッションの直後に30分のメンタルプラクティスセッションを受けた。これらのメンタルプラクティスセッションでは、修正CI療法の臨床セッション中に実践されている日常生活活動の毎日の認知リハーサルを実施した。
●メンタルプラクティス介入は熟練の心理学者によって録音されたオーディオテープで実施された。内容☞1.約5分のガイド付きリラクゼーション2.15~20分の各ADLの各コンポーネントを実行している所を想像するように指示 3.約5分間部屋に部屋に再度焦点を当てる。
結果
●両方のグループの被験者は、ARATとFMA-UEの両方で顕著なスコアの増加を示した。ただし、mCIT +メンタルプラクティスグループの被験者は、介入後に両方の測定値が大幅に変化した。すべての被験者は、身だしなみや食事などのADL場面をはじめ、より麻痺手を使用したと報告があった。
●ARATは修正CI療法+メンタルプラクティスの被験者は+15.4ポイントの変化、修正CI療法のみでは+8.4ポイントの変化であった。
●Fugl-Meyerは修正CI療法+メンタルプラクティス群で+7.8ポイントの変化、修正CI療法群で+4.1ポイントの変化であった。
これらの変化は、介入後3か月間持続しました。
●mCIT+メンタルプラクティスの被験者はmCITのみの被験者よりもARATとFMAの両方で有意に大きなスコアの変化を示しました。(10人のうち、ARATとFMAの両方でスコアが最も高い5人がメンタルプラクティス+mCIT患者でした。)
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● 結論としては修正CI療法は有望な運動介入手法です。その有効性は修正CI療法の臨床セッション直後に提供されるメンタルプラクティスを使用することでより向上するようです。
私見・明日への臨床アイデア
●メンタルプラクティス(Mental practice)は実際の運動はなく、課題を認知的にリハーサルするイメージトレーニングのこと。メンタルプラクティスによる筋力増強効果についても報告されている。本論文の様にオーディオテープやタブレットの使用など現代は様々な小型機器があるため、手法は個人個人に応じた方法が選択できると思われる。しかし、運動イメージということは患者には馴染みがなく、自分自身が運動を行っているかのような1人称的イメージが有用とされており、その実施に当たり十分な説明とその理解が必要である。