経歴
- 1981
- 長崎市生まれ
- 2003
- 国家資格取得後、高知県の近森リハビリテーション病院 入職
- 2005
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職
- 2015
- 約10年間勤務した順天堂医院を退職し、ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立
- 2022~
- 株式会社STROKE LAB代表取締役に就任
MESSAGE
「退院後も、“まだ変われる”を諦めない社会をつくりたい。それが、私たちSTROKE LABの原点です。」
はじめまして。STROKE LAB代表取締役の金子唯史(かねこ ただふみ)です。私は10年以上にわたり、脳卒中や神経系に関わるリハビリ領域の臨床現場で多くの方々と向き合ってきました。その中で、退院後に十分なリハビリの機会を得られず、「もうこれ以上は良くならない」と諦めざるを得ない方が少なくない現実を目の当たりにしてきました。
「この状況を少しでも変えたい」――そんな思いから、2015年にSTROKE LABを立ち上げました。
私たちは、保険診療の枠を超え、脳卒中など神経系の課題を持つ方々が必要と感じるトレーニングや学びの機会を得られるよう活動しています。創業当初は小さな施設でしたが、ご利用くださる方々の笑顔や変化の声に支えられ、仲間も増え、東京から全国へと活動を広げるまでになりました。医療・福祉・教育など多方面の専門家と連携しながら、「退院後の人生をより自由に、豊かに過ごせる社会を」との信念をもって取り組んでいます。
STROKE LABのリハビリは、一方通行の施術ではありません。利用者さまと一緒に目標を描き、学び合いながら道を切り拓くスタイルを大切にしています。脳の可塑性研究や動作分析など、最新の知見を取り入れると同時に、「その人らしい笑顔や生活の広がり」を支える温かいアプローチを続けてきました。結果として、「思っていた以上にできることが増えた」と実感される方が増え、全国から私たちの取り組みに共感して訪れてくださる方も多くなっています。
この10年を通じて私が確信しているのは、「リハビリには人生を前に進める力がある」ということです。身体機能だけでなく、希望や挑戦する意欲を取り戻し、新しい一歩を踏み出すきっかけになる。これこそが私たちの使命であり、やりがいだと考えています。
今後もSTROKE LABは、最先端の知見に基づく学習機会や支援プログラムを提供するとともに、全国の病院や療法士への教育研修、オンラインによる遠隔支援、さらには海外展開にも挑戦してまいります。
私たちの歩みは、利用者さまやご家族、そして同じ志を持つ仲間と共につくる道のりです。どうか一緒に、「まだ変われる」と信じ続けられる未来を築いていきましょう。
今後ともSTROKE LABをよろしくお願いいたします。
翻訳・執筆・監修書籍
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近代ボバース概念 – 理論と実践ガイアブックス(2011)
私にとって初めての翻訳書籍を手がけたこの経験を通じて、私は人間の身体の回復には単に筋肉や骨を見るだけでは不十分であることを再認識しました。人間の身体は、脳神経システムを含めたトータルケアが必要であり、適切なセラピーが行われなければ、素早い回復や飛躍的な改善を期待することはできないのです。
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エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション (原著:STRONGER AFTER STROKE 第2版)ガイアブックス(2014)
この本は、初めての単独翻訳書籍であり、脳卒中後において機能回復が停滞する状態である「プラトー」が存在しないことや、運動麻痺の回復には当事者自身が積極的に努力することが必要であることなど、非常に印象深い記述が含まれています。私自身も原著を読み、深く感銘を受けたことから、この書籍を翻訳することに決めました。
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エビデンスに基づく高齢者の作業療法ガイアブックス(2014)
この書籍は、初めての監修書籍として、最新のエビデンスに基づく論文を多用しながら、老化現象への理解と作業療法の役割について論述しています。私たちは、この書籍を原著から読み、日本の作業療法士にも紹介したいという熱い願いを抱いていました。そして、この願いが実現し、ガイアブックス社からの出版が決定しました。
この書籍が魅力的なのは、最新のエビデンスに基づく論文を多用しながら、老化現象に対する理解を深め、作業療法が果たす役割について論じていることです。エビデンスは、リハビリ分野において常に考慮すべき重要な課題です。私たちは、この書籍が今後のリハビリ分野に貢献することを期待しています。
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新 近代ボバース概念 – 発展する理論と臨床推論ガイアブックス(2017)
この書籍は、現代のリハビリテーションにおいて不可欠な科学的見解を幅広く網羅しており、最新の脳科学的治験から臨床介入に至るまでを扱っています。さらに、この書籍は「近代ボバース概念」を更に発展させた内容となっており、斬新な治療アイデアを提供してくれます。リハビリテーションの現場で必要とされる科学的な知見を臨床に落とし込むために、この書籍が活用されることを期待しています。
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脳卒中の動作分析 医学書院(2018)
この本は、基本動作を中心に解剖学的・運動学的分析や神経学的分析を用いて、どのように解釈していくかを探求しています。臨床的な推論は、療法士にとって非常に重要なスキルであり、上肢から歩行に至るまで、全身の問題を理解し、介入する能力を獲得することができます。この流れは、STROKE LABのセラピースタイルそのものであり、何よりも臨床実践に直結しているのです。この本を手に取ることで、あなたもより深い動作分析の知識を身につけ、効果的な治療に繋げることができます。
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脳卒中の機能回復 医学書院(2023)
『STROKE LAB』が起業してから10年の節目に、これまでの集大成を形にしました。YouTube動画を中心に展開してきた脳卒中への理解向上や、実践的な自主トレーニングの提案、そしてエビデンスに基づく評価について、詳しく解説した書籍を完成させました。 ただの知識集ではなく、実際の現場に役立つ情報が満載です。当事者の方々でも理解しやすい表現を心がけております。本書では、自主トレーニングが単なる運動以上のものであることを示し、心を動かす知識を学ぶことができます。 ぜひ、書店でのご一読をお待ちしています。
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脳の機能解剖とリハビリテーション 医学書院(2024)
「STROKE LAB」では、長年の経験を通じて脳の機能解剖を学び、臨床現場への応用に努めてきました。本書は、その知識とノウハウを集約し、基礎知識と臨床実践のギャップを埋めるための構成です。最新の研究成果をわかりやすく解説し、豊富なイラストと動画QRコードで、臨床での応用を実現する内容となっています。疲れている時でも学習が続けられる動画も活用し、実践的な知識を深められる一冊です。
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パーキンソン病の機能促進(2025)
新人時代、歩けないパーキンソン病の方が、繊細な感覚入力で安定し自力歩行へと変化した姿が、私の臨床家としての原点です。「身体は変わる」——その信念のもと、STROKE LABでは最新研究と臨床を融合し、5年をかけて本書を完成させました。本書は、非運動症状期から進行期までのパーキンソン病に対し、時期別の戦略と実践的介入を体系化。療法士・患者・家族が共に希望ある未来を描くための道標となる一冊です。
専門誌・ジャーナル執筆
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疾患別作業療法の実際―骨・軟部腫瘍・脊髄腫瘍 / 作業療法ジャーナル三輪書店(45巻8号, 2011)
順天堂医院時代には、神経系疾患だけでなく、癌のリハビリテーションにも携わりました。この経験を通じて、リスク管理や全身の状態把握など、医療の基本的な知識を深めることができました。さらに、神経系の内科疾患を患った患者さんの評価においても、役立つことができます。
また、機能回復だけでなく、環境やご利用者様にとっての大切な目標をどう進めていくかという視点も身につけました。これらの経験を通じて、医療現場でより質の高いケアを提供することができるようになりました
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自費領域の可能性と未来デザイン / 臨床作業療法青海社(2019)
作業療法士のキャリアデザインについてご紹介いたします。OTキャリアにおいて自費リハビリ起業は非常に珍しいことですが、私は回復期や大学病院での経験を積み重ね、自己啓発に努めることで、自費リハビリ起業に至りました。
私は療法士として、社会に役立つ技術を磨き続けることに尽力してまいりました。その結果、患者様により良いサービスを提供することができるようになり、信頼関係を築くことができました。また、さらなる自己啓発を目指し、さまざまなセミナーや研修に積極的に参加し、専門知識を深めました。
そのような努力が実を結び、自費リハビリの起業を決意することができました。私は、自身が培ってきたスキルや知識を活かし、患者様に最適なリハビリテーションサービスを提供することを目指しています。そして、社会に貢献することで、OTキャリアの可能性を広げるきっかけになることを願っています。
私のように、療法士が自己啓発を続け、社会に貢献することで、キャリアアップの可能性が広がることを示したいと思います。今後も、私たち療法士がさらなる技術革新や社会的貢献に取り組むことで、OTキャリアがより一層魅力的なものになることを期待しています。
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脳卒中に対する自費(保険外)リハの役割と実際 / 作業療法ジャーナル増刊号『脳卒中の作業療法』三輪書店(55巻8号, 2021)
自費リハビリ施設における脳卒中の方への対応方法や効果について、動画解説を含めて担当いたしました。現在、自費リハビリはまだ新しい分野であり、情報発信が不足しているため、当施設の介入や理念を広く知っていただけるよう意識して執筆しました。脳卒中の方々のリハビリについては、当施設が多数の実績を持っており、最新の治療法や技術を取り入れて、より効果的な支援を提供しています。ぜひ、当施設の取り組みを知っていただき、脳卒中の方々の回復に貢献していただければ幸いです。
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看護師が知っておきたい脳卒中高齢者のリハビリテーションの知識 / 臨床老年看護日総研(2021)
脳卒中のリハビリテーションは、チームワークが不可欠です。看護師の皆さんに役立つ知識や介入ポイントをまとめました。これらの情報が、利用者様の機能回復や自己実現につながる一助となれば幸いです。私たちは、多くの医療職の方々と協力して、患者様の回復をサポートしていきます。
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PTジャーナル特集 大脳基底核 分子機構からパーキンソン病の理学療法まで / 医学書院(2025)
本著では脳血管性パーキンソニズムに対する理学療法をテーマに執筆させていただきました。パーキンソン病とパーキンソニズムは混同されやすく、リハビリテーション場面でも個別性を詳細に評価して介入する必要があります。本著が少しでも読者の方々の臨床場面に活かして頂ければ幸いです。
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私は2012年から2014年まで、3年間にわたり研修生としてイギリスに参加しました。この素晴らしい経験を通じて、私は驚くべき研究論文から抽出されたエビデンスに基づく治療技術や最先端のセラピーを学ぶことができました。その結果、私はより優れたセラピストになることができ、今まで以上に大きく飛躍することができました。
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- 2007
- 金子唯史:日本全国作業療法学会 口述発表「活動性の低下した正常圧水頭症患者のベッドサイド治療経験」
- 2011
- 金子唯史:日本全国作業療法学会 「急性期における24時間マネージメントの実践」
- 2012
- 金子唯史:日本全国作業療法学会「ボバース概念に基づく24時間マネージメントの実践-急性期脳卒中患者におけるCOPM,GASの活用-
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- 2014
- Tadafumi Kaneko: The use and purpose of goal attainment scaling(GAS):Focused on body function and structure level with the Canadian Occupational Performance Measure(COPM)in adult hemiplegic patients,World Federation of Occupational Therapists Congress 201
2014年は国際学会での発表経験もでき、海外の方ともディスカッションできる良い機会となりました。
良い臨床も発表しなければ、だれにも届きません。今後も多くのメディアを活用してSTROKE LABの臨床を発信していきます。
学会講演
- 公益社団法人 平成28年 北海道作業療法士会 身体領域部門 脳血管障害の作業療法 講演
- 第15回東海北陸作業療法学会 身体障害領域の作業療法 講演
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