Vol.505.修正Box and Block test(BBT)と通常BBTの比較
脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)
STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!! PDFでもご覧になれます。→PDF
カテゴリー
タイトル
●
●原著はTargeted box and blocks test: Normative data and comparison to standard testsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●臨床でBBTを評価することが多く、その評価意義等を学習する上で、修正版の評価もあるということに興味を持ち本論文に至る。
内 容
目的
●Box and blocks test(BBT)は、実施が容易で迅速に遂行できる利点から一般的に使用されている機能的アウトカム指標です。この研究では、Hebertらによって導入された修正BBT(mBBT)と新しいターゲットBBT(tBBT)の紹介をします。
方法
●上肢の軌道と体の動きの比較を容易にする修正BBTを作成するために、Hebertはブロックのピックアップの配置と順序を標準化しました。
●標準BBTにおける指示が、修正BBTのブロック移送時の指示にも適用されました。被験者は、テスト側の指先が仕切り板を横切っていることを確認しながら、仕切り板の反対側にブロックを落とすように指示されました(BBTの通常ルール)。修正BBTのルールは16個特定の位置に置かれたブロックを通常のBBTと同様の手法で、どれくらいの時間で行えるかのテストです。
●今回、動き全体の制御を評価するために、被験者が各ブロックを仕切り板の反対側の特定の位置に正確に配置することを要求する追加の命令を導入しました。(tBBT)同一の4×4グリッドが印刷された紙のシートが、仕切り板の両側のボックスの内側に配置され、参加者にブロックを配置する目標を与えました。これにより、動作の開始、把持、移送およびブロックのリリースの定量的研究が可能になりました。
結果
●tBBTのスコアの分布は、BBTおよびmBBTスコアとは大幅に異なり、tBBTが異なるパフォーマンス結果を生み出すことを示しています。
●BBTとmBBTのパフォーマンスに有意差はありませんでした。
●スコア分布の変動性もtBBTの方が大きかった。
●スコアの標準偏差はBBT、mBBT、tBBTでそれぞれ2.45秒、2.15秒、5.14秒であった。
●tBBTは、通常のBBTと比較して、肘、肩、胸部および頭部で大きいROMを必要としました。これらの関節ピーク角度も、tBBTのパフォーマンス中に高かった。tBBTのピーク角度とROM値は、日常生活動作を行う健常者の動きの研究で見つかったものに近かった。
私見・明日への臨床アイデア
●修正BBTでは、他施設や世界レベルで比較するには使用しづらいが、施設内で意義を持って行うには良いかもしれない。肩肘機能(可動域含む)や目標物等も検査に含めたいのであれば、BBTにこだわらずともARAT等の他評価でも良いかもしれない。BBTの方が簡易的なので、即時効果を見るには良いかもしれない。