Vol.598.脳卒中患者の多裂筋・脊柱起立筋に左右差がある!?
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目次
カテゴリー
タイトル
●脳卒中患者の多裂筋の左右差と筋萎縮
●原著はAsymmetric atrophy of the multifidus in persons with hemiplegic presentation post-strokeこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者の体幹の介入をしていると不活動な多裂筋に触れる事が多い。研究的にはどのような報告がなされているのか興味を持ち本論文に至った。
内 容
目的
●目的は脳卒中後片麻痺患者の傍脊柱筋の脂肪浸潤と断面積(CSA)の非対称性を特定することでした。
方法
●脳卒中後に腰部のMRIを受けた片麻痺患者26名が研究に参加した。
図参照:Asymmetric atrophy of the multifidus in persons with hemiplegic presentation post-stroke
●個々の傍脊柱筋(多裂筋、脊柱起立筋、腰方形筋、大腰筋)の脂肪浸潤と断面積(CSA)および機能的CSA(FCSA)を、T2強調画像でL1-L2からL5-S1まで両側から測定した。また、各傍脊柱筋のFCSAと総CSAの比を算出した。これらのパラメータは麻痺側と非麻痺側および慢性期の患者とそうでない患者の間で比較した。
結果
●機能的断面積(FCSA)およびFCSAと全体のCSA比は、慢性期の患者においてL5-S1の多裂筋で麻痺側が非罹患側に比べて有意に小さかった。その他の筋肉には有意な変化は見られなかった。
●麻痺側の脊柱起立筋と非麻痺側の多裂筋は比較的サイズが増加しました。
私見・明日への臨床アイデア
●脳卒中患者の麻痺側では多裂筋などローカルマッスルが不活性でグローバルマッスルが過活動となっていることが示唆された。分節的な動きが難しく、剛性を高め、非効率的で疲れやすい体の使い方になっていると推測される。まずは、静的な姿勢からローカルマッスルのトーンを上げていく事は重要で、その上でグローバルマッスルのダイナミックな身体の使い方の再教育を臨床では意識したい。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
併せて読みたい【体幹・多裂筋】関連論文
●Vol.481.多裂筋の浅層・深層の役割の違いとは?上肢挙上動作中の腰部多裂筋の浅部および深部線維の異なる活動
●vol.244:多裂筋の筋活動-四つ這いと腹臥位- 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
●vol.309:コアマッスルリリーステクニックと腰椎変形・腰痛 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂院にて10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
著書はアマゾン理学療法1位 単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
ナレッジパネル→こちら
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