【2026年版】脳神経評価ー下肢編ー:感覚検査(表在/深部/デルマトーム)や筋力検査(MMT)、協調性評価
下肢の神経学的検査を、手順と解釈ごとに完全整理する。
「打腱器の当て方が合っているのか」「反射が出なかったとき、強化操作のタイミングはいつ?」——新人セラピストが現場で最初に戸惑うのは、検査手順の「なぜ」と「どう解釈するか」が結びついていないことです。この記事では、筋力・筋緊張・腱反射・感覚・協調性の5領域を、手順・神経支配・臨床解釈まで一気通貫で解説します。
— 下肢の神経学的検査(筋力・腱反射・感覚・協調性)の実技手順を動画で確認できます
要点5項目。
臨床現場でこう出会う。
68歳・男性。脳梗塞発症後8週(回復期)。BRS下肢 Stage Ⅳ、FIM歩行 4点(監視レベル)。「病棟では見守りで歩けているのに、夜間や浴室で転倒する」と看護師から相談を受けた。主訴は「足がもつれる感じ」。
初回評価所見:足関節背屈筋力 MRC Grade 3(右)、アキレス腱反射 亢進(右・左比)、ロンベルグテスト 閉眼で後方へ著明な動揺→陽性、踵脛試験にて右下肢の協調性欠如。系統的な神経学的検査により「感覚性運動失調+軽度の痙性」という複合的な病態が判明し、リハ計画が大幅に修正された。
このケースのように、「歩ける」という事実だけで神経学的評価を省略すると、転倒の本当の原因を見逃します。下肢の神経学的検査は、OSCE(客観的臨床能力試験)でも頻出であり、臨床現場でも各所見を正確に解釈する力が求められます。
検査の準備と全体観察。
必要物品
検査前に次の4点を手元に準備しておきましょう。①打腱器(腱反射・クローヌス)、②針やつまようじ(痛覚)、③コットン・ウールまたはティッシュ(表在覚)、④音叉128Hz(振動覚)。

①手洗い・PPE(必要時)→ ②自己紹介(名前・職種)→ ③患者確認(名前・生年月日)→ ④検査内容の説明と同意取得 → ⑤下肢の十分な露出(毛布で保温)→ ⑥ベッドにヘッドレスト30〜45°で誘導 → ⑦検査前に疼痛の有無を確認。この順番を守ることで、患者の不安軽減と安全確保を両立できます。
全体観察の視点

患者さんに触れる前に、まず視覚的に下肢全体を観察します。以下の4点を確認してください。
脊椎・腋窩・上肢の手術歴を示すことがある。過去の介入が現在の神経所見に影響している可能性を念頭に置く。
下部運動ニューロン病変または廃用性萎縮を示唆する。左右差のある萎縮は神経根・末梢神経障害の局在に直結する重要所見。
安静時振戦(パーキンソン病など)と企図性振戦(小脳疾患など)を区別する。安静時に出現するか、動作時に増強するかを観察。
皮膚の下に見える小さな局所的不随意収縮。筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの下位運動ニューロン病変と関連することがある。
検査の標準化 [専門家合意]: Aids to the Examination of the Peripheral Nervous System(Medical Research Council)は、神経学的検査の国際的標準として広く用いられている。頭側から尾側へ、左右比較しながら系統的に進めることで、見落としを防ぐとされている。
OSCEでの出題頻度 [専門家合意]: 英国・日本を含む多くの医療系国家試験・実技評価において、下肢の神経学的検査は頻出項目であり、準備・手技・解釈の3段階すべてが採点対象となる。
— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします
STROKE LABでは、経験豊富なセラピストが神経学的評価から個別リハビリ計画の立案まで一貫してサポートします。自費リハビリならではのマンツーマン・長時間対応で、患者さんの本当の課題に向き合います。
歩行評価とロンベルグテスト。

歩行評価では、まず立ち上がり動作(体幹・近位筋力評価)を先に確認します。神経疾患の患者さんは転倒リスクが高いため、評価中は常に側方に立ち、即座に介助できる状態を保ちましょう。

①立位の安定性:広基底の失調性歩行は小脳中央部病変(多発性硬化症・慢性アルコール性小脳変性など)と関連。片側の小脳疾患では、病変側へ傾く傾向がある。
②腕振り:パーキンソン病では消失または減少(最初は片側から)。③歩幅:パーキンソン病の小刻み歩行(すり足、小幅)。大きな歩幅は足下がりの存在を示すことがある。④転換動作(寝返り):小脳疾患では特に困難。⑤タンデム歩行:かかとからつま先をしっかりと着いて歩く評価で、微妙な運動失調を顕在化できる。踵歩行・つま先歩行困難は足の屈筋の弱さや感覚性失調を示唆。
ロンベルグテスト

ロンベルグテストは、自己受容感覚(プロプリオセプション:空間における体位認識)や前庭機能の喪失(感覚性運動失調)を評価するために使用します。小脳機能を評価するものではない点を正確に理解しておくことが重要です。
【方法】①患者のすぐ側に立ち転倒に備える。②足をそろえ両腕を横にした状態で、目を閉じ30秒間立位保持を評価。
【陽性】介助なしで転倒または著明に動揺する場合。感覚性運動失調(固有感覚・前庭機能障害)を示す。
【固有感覚障害の原因】関節過可動性(エーラスダンロス症候群)、ビタミンB12欠乏、パーキンソン病、加齢。【前庭機能障害の原因】前庭神経炎、メニエール病。
【注意】矯正を伴う動揺(修正できる揺れ)は陽性ではなく、三半規管失調症による小脳疾患でもよく起こる現象。
鑑別診断——歩行異常パターンと神経病変。
歩行異常や神経学的所見を見たとき、「これは上位運動ニューロン(UMN)か、下位運動ニューロン(LMN)か、小脳か、感覚系か」を素早く整理できることが臨床判断の基盤となります。以下のテーブルを参考にしてください。
| 鑑別疾患・病態 | 共通点 | 鑑別ポイント | 参考検査 |
|---|---|---|---|
| 上位運動ニューロン病変 脳卒中・多発性硬化症・脊髄損傷 |
筋力低下・歩行障害 | 痙性↑、腱反射亢進(3〜4+)、バビンスキー陽性、クローヌス陽性 | MRI脳・脊髄、Modified Ashworth Scale |
| 下位運動ニューロン病変 ALS・神経根症・末梢神経障害 |
筋力低下・歩行障害 | 筋萎縮、筋痙攣(ファシキュレーション)、腱反射低下〜消失、筋緊張低下 | 筋電図(EMG)、神経伝導速度検査 |
| 小脳病変 多発性硬化症・小脳梗塞・慢性アルコール性 |
バランス障害・歩行障害 | 広基底・失調性歩行、踵脛試験陽性(同側)、企図性振戦、ロンベルグ陰性 | MRI後頭蓋窩、タンデム歩行評価 |
| 感覚性運動失調 B12欠乏・後索病変・末梢神経障害 |
バランス障害 | ロンベルグ陽性、振動覚・位置覚低下、暗所や閉眼で悪化 | ロンベルグテスト、血中B12測定、神経伝導速度 |
| パーキンソン病 錐体外路障害 |
歩行障害・転倒リスク | 小刻み歩行、腕振り消失(片側から)、安静時振戦、筋強剛、すくみ足 | UPDRS、DaT-SCAN、10m歩行テスト |
筋力・筋緊張——MRCスケールと採点基準。
| Grade | 採点基準 | 解釈・臨床的意味 |
|---|---|---|
| 0 | 筋収縮なし | 完全麻痺。神経学的病変の重篤度評価に直結。 |
| 1 | わずかな筋収縮のみ(関節運動なし) | 筋の活動は残存しているが機能的でない。神経の生存確認に有用。 |
| 2 | 重力除去位での全可動域運動が可能 | 自重は動かせないが、水平面では可動。水平面でのリハが有効。 |
| 3 | 重力に抗した全可動域運動が可能(抵抗なし) | 実用的自立の臨床的分岐点(カットオフ)。歩行や日常生活動作の自立可能性が出始める。 |
| 4 | 抵抗に抗した運動が可能(正常よりやや弱い) | 抵抗運動が可能。4−(弱)・4(中)・4+(強)と細分することがある。 |
| 5 | 正常筋力(完全抵抗に抗した全可動域運動) | 健常側と比較して対称的な筋力。 |
出典:Medical Research Council. Aids to the Examination of the Peripheral Nervous System. Memorandum No. 45, HMSO, 1976. / カットオフ(Grade 3)の臨床的意義:専門家合意

下肢筋力評価——部位別手技(9種)
筋力評価では、左右を必ず比較します。関連関節を安定させて分離し、一度に片側のみ評価してください。患者に各ポジションを実演して示すと理解を助けられます。

患者に脚をベッドから上げさせ、大腿部前面に下向きの抵抗をかけ保持させる。

手を患者の大腿部の下に置き、脚を持ち上げる方向に抵抗をかけ保持させる。

膝を伸ばしたまま脚を閉じさせ、外に開く方向に抵抗をかけ保持させる。

膝を伸ばしたまま脚を開かせ、閉じる方向に抵抗をかけ保持させる。

ベッドと下腿が水平になるよう膝を曲げさせ、下腿を上方に引っ張って抵抗を加え保持させる。

膝を立てた状態から膝を伸ばさせ、下腿に下方向の抵抗をかけ保持させる。

足を背屈させ、底屈方向に抵抗をかけ保持させる。

足を底屈させ、背屈方向に抵抗をかけ保持させる。

母趾を伸ばさせ、屈曲方向に抵抗をかけ保持させる。
筋緊張の評価(3手技)

診察台に臥床させ力を抜かせた状態で、両脚を左右に回転させて股関節回旋筋群の緊張を評価する。

臥床させリラックスさせた状態で、膝をベッドから持ち上げる。緊張正常では踵がベッドについたまま膝が上がる(緊張が高まると踵が浮く)。そのまま手を放し、膝が伸びてベッドに落ちるかを観察する。

クローヌスは上位運動ニューロン病変(脳卒中・多発性硬化症・脳性麻痺)に関連する不随意なリズミカルな筋収縮と弛緩。膝・足首をやや屈曲位で保持し、腓腹筋を伸ばすために足を急速に背屈させ、そのまま保持してクローヌスを観察する。5回以上の背屈・底屈の振動が見られた場合、異常と判定する。
腱反射——膝蓋・アキレス・バビンスキー。
患者さんに打腱器を見せて説明し、下肢を完全にリラックスさせてから評価します。重力でうまく振れるよう、打腱器のハンドルの端を持ちましょう。反射が見られない場合は、強化操作(腱を叩きながら歯を食いしばらせる)を行ってから判定します。

下肢を支えるかベッドの横に足をかけて体重を除いた状態で、膝蓋腱を打腱器で叩く。反射が見られない場合は強化操作を行ってから再評価。

股関節をやや外転・膝屈曲・足首背屈位で支えた状態で、アキレス腱を打腱器で叩き腓腹筋の収縮と底屈を観察する。

足首を固定し、棒で足底外側を小指付け根→足趾の横アーチに沿って刺激。陽性(Babinski徴候):母趾伸展+他趾扇状開き→上位運動ニューロン病変を示唆。正常では母趾屈曲。
0:欠落 — 強化操作を行っても反射なし。LMN病変・末梢神経障害を示唆。
1:減弱(反射低下) — 弱い反射あり。強化操作で出現するものも含む。
2:正常 — 適切な反射反応。
3:増強(反射亢進) — 強い反射。UMN病変の可能性。
4:持続(クローヌス) — 反復する律動的収縮。UMN病変を強く示唆。

STROKE LABでは、評価から介入まで一貫したアプローチで脳卒中後のリハビリを提供しています。「もっと回復できるはず」と感じているご家族・ご本人、まずは無料相談でお話をお聞かせください。
感覚——デルマトーム・表在・深部感覚。
感覚評価の基本ルールを覚えましょう。①患者に目を閉じてもらう(視覚代償を防ぐ)。②まず胸骨で正常感覚の基準を示す。③下肢の各皮膚分節(デルマトーム)を左右比較しながら末梢から中枢へ進める。
デルマトームと評価部位

皮膚分節の境界近くでの評価は誤解釈リスクがあるため避けること。推奨部位:L1:鼠径部・大腿内側最上部 / L2:大腿前面中央・外側 / L3:膝内側 / L4:下腿内側・足首内側 / L5:母趾の背側・内側 / S1:小指の背側・外側。
| 脊髄分節 | 評価する感覚 | 感覚反応の採点 |
|---|---|---|
| L1–L2 | 大腿上部・鼠径部の感覚 | 0:正常 / 1:減退 / 2:増強 / 3:消失(左右それぞれ記録) |
| L3 | 大腿中部・膝内側の感覚 | |
| L4 | 下腿内側・足首内側の感覚 | |
| L5 | 下腿・足背・母趾の感覚 | |
| S1 | 足底・足外側の感覚 | |
| S2–S4/5 | 生殖器・直腸の感覚 |
①表在感覚(触覚)

綿毛で胸骨に触れ正常感覚を示した後、目を閉じさせて「感じたら『はい』と言う」よう指示。各皮膚分節を綿毛で軽く触れながら左右比較。後頭葉と視床下部の両方が関与する感覚系。
②痛覚

先端が鋭利なもの(つまようじ等)で胸骨を触れ痛覚の基準を示した後、目を閉じさせ各皮膚分節を評価。視床下部が関与する感覚系。
遠位から感覚消失が認められた場合:遠位から近位へ移動し「ストッキング型」感覚障害(末梢神経障害に関連)を確認。さらに正常感覚が確認されるまで中枢へ移動すると、脊髄病変を示唆する「感覚レベル」が明らかになることがある(例:臍まで異常感覚→T10脊髄病変を示唆)。
③振動覚(128Hz音叉)

振動覚は背柱(後索)が関与。音叉を叩き胸骨で振動と停止の識別を確認した後、母趾指節間関節から評価開始。障害がある場合は母趾MTP関節→足首→膝と近位へ段階的に移動し、障害レベルを特定する。
④受動運動覚(位置覚)

受動運動覚(関節位置感覚)も背柱が関与。母趾遠位指節骨を横から持ち、見ている状態で「上向き・下向き」を実演した後、目を閉じさせランダムに3〜4回動かして正答できるか確認。正答できない場合は近位関節へ段階的に評価を移動する。
振動覚障害と転倒 [観察研究]: Richardson JK ら(Arch Phys Med Rehabil, 2002; n=142)は、末梢性感覚ニューロパチーによる振動覚障害が転倒リスクの有意な予測因子であることを報告した。振動覚スコア低下群は健常群に比べ転倒率が約2.5倍高かった。
固有感覚障害とバランス [観察研究]: Lord SR ら(J Gerontol, 1994; n=156)は、足首・膝の固有感覚低下が高齢者のバランス障害・転倒リスク上昇と関連することを報告。固有感覚評価は転倒予防プログラムの選定に直結する。
協調性と多職種連携。
踵脛試験(Heel-Shin Test)

踵脛試験は下肢の協調性評価の基本手技です。片方のかかとを反対の膝上に置き、そのまますねに沿って一直線に下ろし、また膝まで戻す動作をスムーズに繰り返させます。実行時の協調性欠如は同側小脳の病理を示します。
上位運動ニューロン病変による筋力低下でも、踵脛試験の協調性が見かけ上、欠如した状態になります。
診断的結論を出す前に、必ず先に筋力評価を実施し、筋力低下による見かけ上の失調と小脳性失調を鑑別すること。
多職種連携——役割分担テーブル
| 職種 | 評価項目 | 主な介入内容 | 他職種との連携ポイント |
|---|---|---|---|
| PT(理学療法士) | MRC筋力・筋緊張(MAS)・腱反射・ロンベルグ・踵脛試験・歩行評価(TUG・10m歩行) | 筋力強化・バランス訓練・歩行訓練・転倒予防プログラム | 痙性管理の情報をOT・看護師と共有。歩行レベルを転棟会議で報告。 |
| OT(作業療法士) | 上肢MMT・感覚(表在・深部)・FIM(ADL)・MMSE(高次脳機能) | ADL訓練・感覚フィードバック訓練・自助具選定・環境調整 | 感覚障害のパターンをPT・看護師に共有して転倒防止に活かす。 |
| ST(言語聴覚士) | 嚥下・言語・高次脳機能(失語症・注意障害)の評価 | 嚥下訓練・言語訓練・コミュニケーション支援 | 注意障害・失語による検査指示理解不能をPT/OTに情報共有。 |
| 看護師 | 24時間の身体機能観察(夜間の転倒・痙性発現)・バイタルサイン | 転倒予防ケア・ポジショニング・排泄ケア | 夜間転倒リスクをPT/OTに報告。リハ内容を看護ケアに反映。 |
| 医師 | 神経学的所見の確定診断・画像(MRI)解読・薬物療法選択 | 痙性への薬物療法(バクロフェン等)・リハ処方 | PT/OTの評価所見を診断・治療方針決定に反映してもらう。 |
| MSW(社会福祉士) | 退院先・介護資源・家族支援の評価 | 退院調整・介護保険申請・地域資源との連携 | PT/OTの歩行・ADL評価結果を退院先選定の判断材料として共有。 |
「神経学的評価の所見は、自分だけのメモにしてはいけない。看護師が『夜間に何度もクローヌスが出て不眠になっている』と教えてくれた情報が、痙性管理の薬物調整につながることがある。」
「バビンスキー陽性と感覚レベルを記録したら、速やかに医師に報告しよう。脊髄病変の可能性があり、MRIを急ぐべきかの判断は医師に委ねる。セラピストの仕事は所見を記録して伝えること。」
つまずきポイントと臨床判断のコツ。
現場でよく見られる「失敗パターン」を先に知っておくと、同じ轍を踏まずに済みます。
「打腱器の当て方に迷ったら、患者さん自身の正常側で先に練習させてもらうといい。左右差がはっきりして、はじめて所見が意味を持つ。」
「感覚評価は急がないこと。患者さんが「わかりません」と言ったとき、それは感覚消失ではなく、指示の理解不足の場合もある。もう一度ゆっくり説明して再評価を。」
よくある質問。
ロンベルグ陽性は、バランス維持に必要な「固有感覚」または「前庭機能」のどちらかが障害されていることを示します。小脳機能の障害ではなく、感覚性運動失調のスクリーニングに有用です。目を閉じることで視覚代償が遮断され、感覚系の欠落が顕在化します。
バビンスキー陽性(母趾背屈+他趾扇状開き)は上位運動ニューロン病変を示唆します。脳卒中、多発性硬化症、脊髄損傷などが原因として考えられます。正常では母趾は屈曲します。
5回以上のリズミカルな背屈・底屈の振動が見られた場合、異常な所見として分類されます。クローヌスは上位運動ニューロン病変(脳卒中・多発性硬化症・脳性麻痺など)に関連します。
MRC(Medical Research Council)スケールは0〜5の6段階です。0:収縮なし、1:わずかな収縮(関節運動なし)、2:重力を除いた運動が可能、3:重力に抗した運動が可能(実用的自立の臨床的分岐点)、4:抵抗に抗した運動が可能(やや弱い)、5:正常筋力。
踵脛試験の協調性欠如は同側小脳の病理を示唆します。ただし上位運動ニューロン病変による筋力低下でも見かけ上の協調性欠如が生じます。診断的結論を出す前に、必ず筋力評価を先に行ってください。
振動覚は末梢から中枢へ段階的に評価します。まず母趾の指節間関節から始め、障害が認められれば母趾MTP関節→足首関節→膝関節の順に近位へ移動して評価します。障害レベルの特定が病変部位の推定に直結します。
STROKE LABのプログラム。
STROKE LABは脳卒中に特化した自費リハビリ施設です。「保険リハで時間が足りない」「もっと集中的に回復したい」というご要望に応えるため、週複数回・マンツーマンの長時間セッションを提供しています。神経学的評価に基づいた個別プログラムが特徴です。
「入職1年目、夜間転倒を繰り返す患者さんを担当した。歩行は見守りレベルだったが、ロンベルグテストを実施していなかった。先輩に教わって試みると陽性。固有感覚障害が原因と判明し、感覚フィードバック訓練を追加したところ3週間で転倒回数が激減した。神経学的検査を省略しないことの大切さをそこで学んだ。」— PT・経験4年目・神経リハビリテーション専門
「膝蓋腱反射がどうしても出ない患者さんで焦った。先輩に相談したら、手技より先にJendrassik法(両手の指を互いに引っ張る強化操作)を試すよう指導された。やってみたら反射が出て、リラックス不足だったと判明。それ以来、反射が出ないときは強化操作を必ずワンセット挟むようにしている。」— OT・経験2年目・回復期病棟
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神経学的検査の結果は、単なる「スコア」ではありません。それは、患者さんの今の状態を正確に捉え、これからのリハビリの方向性を決める「地図」です。
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代表取締役 金子 唯史
参考文献。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)