Vol.489.ロンベルグ試験について-結果から臨床推論出来てますか?-
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カテゴリー
タイトル
●ロンベルグ試験について-結果から臨床推論出来てますか?-
●原著はRomberg’s test.こちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●基本的な評価についての理解を深めようと思い、今回はロンベルグ試験について学習する過程として本論文に至った。
内 容
背景
●ロンベルグ試験は固有受容感覚経路における病理の存在の手がかりを提供する。固有受容感覚は、筋肉、靭帯、腱、関節から生じる深部感覚です。主に圧力、緊張、ストレッチおよび関連する刺激に反応します。これらの受容体からのインパルスは有髄Ad繊維によって運ばれます。そこから視床-頭頂線維によって頭頂皮質に運ばれます。
●関節の位置感覚または姿勢の感覚は、空間における身体またはその部分の位置の認識を指します。能動的または受動的運動(運動感覚とも呼ばれる)の運動感覚または感覚は、さまざまな身体部分の動きの認識で構成されます。中枢での姿勢制御(平衡)は3つの末梢モダリティ(視覚、前庭システム、固有感覚)からの入力に依存しています。これらのモダリティのいずれかの障害は、他の2つのシステムからの入力によって(完全にまたは不完全に)補償できます。固有受容感覚障害は、視覚的および前庭フィードバックによって克服できます。しかし、暗い環境での視覚入力の低下や視力の低下により、このような患者は深刻な協調運動障害(運動失調)になりやすくなります。
ロンベルグ試験の意義
●ロンベルグ試験中に患者に目を閉じるように促すことは、視覚によって隠されていた可能性のある固有受容感覚の問題を明らかにするのに役立ちます。ロンベルグ試験では、固有受容感覚経路全体の機能的完全性をチェックします(感覚性運動失調のテスト)。深部感覚の障害が原因であると一般的に考えられていますが、無傷の深部感覚の患者でロンベルグ試験が陽性であることが報告されています。
●開眼での運動失調は小脳の病因を示唆しています。
●前庭性ロンベルグ徴候は閉眼後の身体動揺は次第に増強するが転倒することは少ないようです。
●下肢筋力低下による末梢性ロンベルグ徴候は特に腓骨筋の筋力低下により閉眼時の側方の動揺が増えるというものである。
私見・明日への臨床アイデア
ロンベルグ試験についてまとめると
①開眼で動揺or転倒 ☞ 小脳関連の要因、下肢筋力低下による側方動揺
②閉眼で動揺or転倒 ☞ 固有感覚系に問題、時間依存性で問題が生じる場合前庭系の問題も示唆される
一つのテストと、他の検査も重ね、問題点を正確に絞っていくことは大切です。