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Vol.635. 脳卒中後の運動機能回復における皮質-赤核脊髄路の可能性

皮質-赤核脊髄路の可能性Compensatory role of the cortico-rubro-spinal tract in motor recovery after stroke

 

 

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カテゴリー

 

神経系、脳卒中

 

タイトル

●脳卒中後の運動機能回復における皮質-赤核脊髄路の可能性

 

●原著はCompensatory role of the cortico-rubro-spinal tract in motor recovery after strokeこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●脳卒中後の神経的側面から見た介入方法を学習したいと思い、まずは基本的な経路から学ぼうと思い回復過程に重要であると言われる赤核の経路に関する本論文に至った。

 

内 容

 

背景

 

●非ヒト霊長類に関する研究は、皮質-赤核脊髄系が錐体路(PT)への損傷を補うことができることを示している。ヒトでは皮質-赤核脊髄路を構成する可能性のある、いわゆる代替運動線維(aMF)が、脳卒中後の運動回復において同様の役割を果たすことが示唆されています。

 

●拡散テンソル画像を使用し、慢性期脳卒中患者の機能的転帰にそれらの微細構造特性を関連付けることにより、人間の運動回復の過程でので錐体路と代替運動線維(aMF)を調べた。

 

方法

 

錐体路とaMFは18人の患者と10人の健康対照者における一次運動野、背側運動前野、補足運動野の起源に基づいて拡散テンソル画像を用い再構築されました。

 

●患者の運動回復の程度は、ウルフ運動機能検査(WMFT)を使用して評価されました。

 

結果

図引用元:Compensatory role of the cortico-rubro-spinal tract in motor recovery after stroke

 

●脳卒中後、重度の錐体路損傷にもかかわらず、慢性期脳卒中患者の麻痺肢では、同側運動野からの運動誘発電位が誘発される可能性があり、患者は麻痺手の個々の指を独立して制御することができました。これらの研究と現在の調査結果に基づいて研究では、重度の錐体路損傷があるが、機能回復のレベルが比較的高い脳卒中患者に対するaMFの代償的役割を仮定しています。

 

●コントロール群と比較して分数異方性(FA)は、慢性期脳卒中患者の同側PTおよびaMFに沿って低かったが、高FAのクラスターは、赤核の近くのaMFで両側に見られました。慢性期脳卒中患者の同側および反対側の赤核におけるより高いFA値は、運動回復の過程での構造的リモデリングを反映している可能性があります。この概念は、赤核と隣接する白質内のクラスターにおけるFAとWMFT間の有意な相関関係によってサポートされています。

 

●病変反対側の錐体路とaMFに沿って、赤核内のFAはWMFTスコアと有意に相関していました。

 

●両側の赤核の微細構造特性と慢性脳卒中患者の運動機能のレベルとの間に観察された強い相関関係は、回復中のリモデリングの可能性を示しています。結果は、さまざまな皮質赤核脊髄路の役割に光を当て、将来の治療のターゲットとして使用される可能性のある皮質-赤核脊髄系の代償機能を強調しています。

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●脳卒中の回復において、運動機能を司る大脳皮質の運動野と脳幹の赤核を結ぶ軸索が優先的に増加することが報告されている。その神経回路がうまく働いていない場合は脳幹の網様体への軸索が増加し運動機能を回復しようとするとの報告も聞かれている。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

併せて読みたい【脳卒中、回復過程、赤核】関連論文

 

vol.353:皮質脊髄路の損傷後の運動ニューロンの接続  脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

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