Vol.501.皮質脊髄路は歩行速度の予測因子?脳損傷部位と歩行機能の関係性 – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.501.皮質脊髄路は歩行速度の予測因子?脳損傷部位と歩行機能の関係性

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●皮質脊髄路は歩行速度の予測因子?脳損傷部位と歩行機能の関係性

 

●原著はDoes stroke location predict walk speed response to gait rehabilitation?こちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●患者に介入する際に、可能であれば、脳画像所見は評価する。その際に、推測出来る思考の幅を増やしたいと思い学習の一助として本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●皮質脊髄路(CST)特に一次運動野(M1)に由来する皮質脊髄路CSTの損傷は、最終的に残存する運動機能障害の主要な決定要因として一貫して報告されています。ただし、他病変が歩行の結果にどのように影響するかに関する情報は乏しいようです。下肢の脱力は、内包後脚の関与または放線冠またはそれらとCSTとの病変の重なりとして観察されたCST損傷に有意に関連していた。ただし歩行は、意志により下肢のコントロールや強さも変化し、かなり複雑な機能を伴うため、CSTだけではなく、より広範なシステムが必要になると予想されます。

 

●興味深いことに、アレクサンダーらの報告では被殻、島、外包への損傷は歩行の非対称性に関連していたが、下肢運動時の大脳基底核、島、二次体性感覚野、または補足運動野および前運動皮質は下肢の異常な活性の障害に関連していることが示唆された。したがって、全体として、CST以外の他の構造が脳卒中後の歩行障害に関与している可能性があります。

 

●脳卒中者のCST損傷範囲と歩行訓練に伴う歩行速度の応答との関係を評価するために、CSTの損傷の体積の測定をしました。特定のCST損傷の体積に加え、ボクセルベースの病変と症状のマッピング(VLSM)を使用して、CST構造以外の役割を評価しました。最後に、歩行速度に加えて、日常生活上の移動性を測定する2つの臨床評価も行いました。

 

 

方法

 

●参加者は、the Soft‐Scotch Walking Initial FooT (SWIFT)の無作為コントロール試験に募集されました。 この試験では、歩行の回復を強化するためのthe Soft‐Scotch Walking Initial FooT (SWIFT)を使用して、標準的な足装具を使用出来る従来の治療法の効果を増強するかどうか評価しました。 プロトコルごとにMRIの実施に同意した患者のみが、この研究の対象となりました。

 

●臨床評価研究の開始時および介入期の6週間の終わりに、機能的パフォーマンス測定が行われました。主なアウトカムの測定は平均歩行速度(m / s)でした。歩行能力の客観的な測定基準である歩行速度に加えて、二次的な結果として、運動性だけではない他の要因を組み込んだ2つの機能的移動度スケール、すなわちFACとthe modified rivermead mobility index (MRMI) を評価しました。

 

 

 

結果

 

●MRIの最終分析の人数は50人でした。41人の脳梗塞と9人の脳出血の方でした。脳梗塞のうち、22例はMCA領域、2例は前大脳動脈(ACA)領域、1例は前脈絡叢動脈の脳梗塞、16人はラクナ梗塞(そのうち3つは脳幹)でした。

 

●3つすべて(歩行速度・FAC・MRMI)の機能的測定で、治療後のパフォーマンスが大幅に改善されました。

 

●重回帰分析の結果から、CST損傷は歩行速度の変化を有意に予測しなかったが、FACとMRMIの両方の変化に大きく影響したベースラインの値はFACとMRMIに強い影響を与えましたが、歩行速度への影響はわずかでした

 

●VLSMボクセルベースの病変と症状のマッピングを使用して非CST病変の歩行速度への関与を評価すると、島、被殻、外包および周囲の白質路が関与する場合のみ有意な結果が明らかになりました

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●運動特に歩行は、皮質脊髄路だけで語れるものではなく、感覚・前庭系・視覚・認知面・・様々な機能によって成り立つ。それぞれの機能が歩行に対してどのような影響を及ぼしているのか、着実に学習し、今後の患者の臨床において推論を深めていきたい。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

 

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