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Vol.567.頭部前方位姿勢(head forward posture)に対する肩甲骨安定化運動の効果   脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

 

 

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カテゴリー

 

バイオメカニクス、肩、肩甲骨

 

タイトル

●Head forward姿勢の患者の頸部のアライメントと筋活動に対する肩甲骨安定化運動の効果とは?

 

●原著はEffect of scapular stabilization exercise on neck alignment and muscle activity in patients with forward head postureこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●臨床において頭頚部のマルアライメントや頸部伸筋の過活動(頸部深層屈筋の不活動)を呈している患者は多く、患者治療をしていく上で頭頚部自体だけでなく隣接する肩甲帯との関わりを学びたいと思い本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●頭部前方位姿勢は技術の進歩とコンピューターやスマートフォンの長期間の使用の増加に伴って増加しています。この姿勢は生体力学的負荷の分散を減らし、結果的に首の筋の変性と構造的変化を引き起こします。さらに脊椎曲線の変化、肩の丸み、異常筋活動などの代償作用が観察されます。具体的には、頸部深層屈筋と肩甲骨内転・下制の筋などが弱くなり、胸鎖乳突筋の張力と厚みが増加します。さらに、前鋸筋の機能低下が観察されます。

 

●この問題を解決するには姿勢改善を図る必要があります。これには筋の強化、特に頸椎深層屈筋の強化が含まれます。強化に加え、その動きに関わる動的な運動が必要です。頭頸部の姿勢を矯正するためには、胸椎レベルの改善が重要です。したがって、肩甲骨の安定化運動は、姿勢と筋の不均衡を回復するための効果的な方法として使用されます。

 

●研究目的は、肩甲骨安定化運動を行った場合に、肩甲骨の動きが頸部のアライメントと前方頭位姿勢によって頸部周囲の構造変化が生じた患者の筋に及ぼす影響を調査することでした。

 

方法

 

●頭部前方位姿勢の患者30名を募集した。参加者は1日30分、週3回、4週間の介入に参加した。

 

●15人の患者は肩甲骨安定化運動群に割り当てられ、残りの15人は頸部安定化運動群に割り当てられました。

 

●介入の前に、頭蓋脊椎角(CVA)、頭蓋回転角(CRA)、および頸部周囲筋の筋活動を測定しました。4週間後、これら3つの要因が再測定および分析されました。

 

 

結果

 

Effect of scapular stabilization exercise on neck alignment and muscle activity in patients with forward head posture 表

表参照:Effect of scapular stabilization exercise on neck alignment and muscle activity in patients with forward head posture

 

●頭蓋脊椎角や頭蓋回旋角度の変化は両群で観察され統計的に有意でした。

 

●頭蓋脊椎角(CVA)は群間で統計的な有意な差があり、肩甲骨安定化運動にてより改善が見られました。

 

●筋活動はすべてのグループで有意に改善しました。しかし、群間で僧帽筋下部と前鋸筋は統計的に有意な差を示しました。肩甲骨の安定化運動は頸部筋、僧帽筋下部、前鋸筋の活性化を通じて姿勢の改善をもたらしました。

 

●Kimらは、頭部前方位姿勢の患者の頸部と肩甲骨周囲領域の矯正運動は、姿勢の歪みと筋のこわばりの回復を改善するのに役立つと述べています。この研究では、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部、僧帽筋下部、前鋸筋の活性化により、介入前後のすべての群で有意差が明らかになりました。ただし、群間の比較では、僧帽筋下部と前鋸筋にのみ有意差がありました。

 

●僧帽筋下部と前鋸筋の活動を増加させることによって異常な姿勢に起因する筋の代償運動を減らし、肩甲骨の安定化によって頸部周囲の筋を効果的に改善しました。さらに、僧帽筋下部の活性化が増加すると、肩甲骨の下制が生じ、肩甲骨の上方回旋の偏位が減少します。

 

私見・明日への臨床アイデア

●人は全身で釣り合いを取り姿勢保持・動作をより効率的に遂行している。姿勢連鎖という概念を持ち、局所で物事を考えるだけでなく、局所同士の連なりとして全体を視ることも重要。

 

●例えば肩甲骨の挙上などで固定的な姿勢戦略を取られている場合、体幹の不安定性を補っている場合も多い。今回は、頸部に対し肩甲骨の安定化運動であったが、その肩甲骨の問題は体幹から生じている可能性もある。十分な評価の下、その関連性を推測し、シナリオを企てながら介入していく事は重要である。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

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