Vol.462.どこの脳病変が痙縮を引き起こすのか? 45人の脳卒中患者を対象とした観察研究
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カテゴリー
タイトル
●どこの脳病変が痙縮を引き起こすのか? 45人の脳卒中患者を対象とした観察研究
●原著はWhich brain lesions produce spasticity? An observational study on 45 stroke patientsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●痙縮は、患者の日常生活動作能力や転倒等に直接影響してくる。その痙縮の発生を予測したり、より痙縮に対し円滑に対処できるよう学習するために本論文に至る。
内 容
背景
●先行研究より報告された脳卒中後の痙縮の有病率は4〜42.6%と非常に変動があります。脳卒中患者の痙縮に対する脳病変の影響を調査した研究はほとんどありません。
●脳磁気共鳴画像法(MRI)分析と臨床評価を含む病変部位のマッピング方法を使用して、脳卒中患者の痙縮に対する病変部位の影響を調査した。
方法
●Modified Ashworth Scaleを使用して45人の脳卒中患者を評価し痙縮を測定しました。患者は次の基準を満たしていた。1)20歳以上~80歳未満2)初発の一側性脳卒中3)口頭指示理解可能4)Fugl–Meyer評価( FMA)上肢のスコア<60または下肢のスコアが<28である。
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●痙縮は、初回評価時(2週間以内)および脳卒中発症後1、3、および6か月の時に修正されたMASを使用して評価された。
●病変部位とサイズは、MRIcronソフトウェアを使用して評価されました。
結果
●放線冠、内包後脚、視床、被殻、運動前野および島の病変が上肢痙縮の発生と関連していた。
●放線冠、内包後脚、尾状核、視床、被殻、外包の病変は下肢痙縮の発生と関連していた。
●白質路と線条体の関与は、脳卒中患者の上肢と下肢の痙縮の発生に影響を与えます。 これらの結果はリハビリテーション戦略を計画し、脳卒中患者の痙縮の病態生理を理解するのに役立ちます。
私見・明日への臨床アイデア
●脳卒中後の痙縮をはじめ、他障害においても病態や神経生理学的理解を深めることは、患者のリハビリテーションを組み立てていく上で重要となる。基本を着実に学び、患者が障害とより良く付き合えるように関わっていきたい。
痙縮に対する自主トレーニングに役立つ動画