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Vol.568.手指伸展機能の回復と把持動作(grasp)の関係性とは? 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

手指伸展機能の回復と把持動作(grasp)の関係性とは?まとめ(1)

手指伸展機能の回復と把持動作(grasp)の関係性とは?まとめ(2)

 

 

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カテゴリー

 

神経系、上肢、手指

 

タイトル

●脳卒中患者の手指伸展機能の回復が把持動作の回復と相関するか?

 

●原著はRecovery of Thumb and Finger Extension and Its Relation to Grasp Performance After Strokeこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●把持動作では単純に考えれば、手指の屈曲が出来て緩められれば物を持って離すことは可能である。その把持動作の精度などにどの程度伸筋が関与しているのか学びたく本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●脳卒中後の手指を伸ばすことができないことは、手の機能的使用にとって大きな問題です。慢性期の片麻痺患者を対象とした以前の研究では、指伸筋の障害の根底にある主要なメカニズムは、指伸筋自体を活性化する能力に問題があることが示されています。二次的なメカニズムには、手指屈筋を緩めることができないこと、安静時の深指屈筋の緊張の増加が含まれます。

 

●研究目的は、

1)脳卒中後3〜13週間で生じる母指と4指の伸展機能の回復量を定量化すること。

2)手指伸展の能力と各時点での把持動作能力との関係を調べること。

3)初期能力とその後の母指と4指の伸展機能の回復が脳卒中後13週間の把持動作の能力を予測できるかどうかを判断することでした。

 

 

方法

図参照:Recovery of Thumb and Finger Extension and Its Relation to Grasp Performance After Stroke

 

●被験者は約3週間目で評価を受け、その後脳卒中後13週間で再び評価を受けました。

 

●4指と母指の伸展能力と把持動作の能力が評価されました。

 

●上肢の3次元の動きは、上図のように電磁追跡システムを使用してキャプチャされました。 9つのセンサーが取り付けられました。

 

●手指伸展する際に、まずは麻痺手を膝の上に置き、可能な限り指を伸ばすように指示されました。 全指すべてが重力に逆らって同時に伸展されました。

 

●次に、円筒形のターゲット(長軸= 110 mm、直径= 38 mm)を把持するように指示されました。

 

●最大握力は、両手でダイナモメーターで測定されました。

 

 

結果

 

●結果は、3週から13週までの指伸展回復の量が平均で<20°であり、全指間で類似していたことを示しています。

 

●最初は把持機能は低下していましたが、脳卒中後3〜13週間で4つの把持パフォーマンス変数のうち2つに改善が見られました。

 

●全指を伸展する機能は、各時点での把持動作のパフォーマンス変数の一部と適度に関連していました。

 

●4指と母指の最初の段階での伸展機能と4指と母指の伸展能力の回復は、把持機能の変数の変動の大部分を予測しました。比較的純粋な運動機能障害を有する片麻痺患者では、把持中の手のshapingの欠陥の重要な要因は、手指伸展ができないことかもしれません。

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●手指機能は複雑であり、患者にはイメージしづらいものである。練習する内容は生活や仕事に関わる内容の方が患者はイメージしやすく、上手く行えたのか比較もしやすいため分かりやすい。課題達成により自信や生活上での使用に繋がると思われる。

 

●手指伸展機能を高める際に、手指伸展筋自体が弱化しているのか、屈筋の過活動や短縮が原因なのか等整理して介入することは重要である。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

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