Vol.560.パーキンソン病患者の注意障害・遂行機能障害について – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.560.パーキンソン病患者の注意障害・遂行機能障害について

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●パーキンソン病患者の注意障害・遂行機能障害について

 

●原著はThe pattern of attentional deficits in Parkinson’s diseaseこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●以前の論文でパーキンソン病患者の時期に応じた治療戦略の変化の重要性を学んだ。パーキンソン病の後期になってきた際の認知面の問題について十分理解が出来ていないと感じ本論文に至った。

 

内 容

 

背景

 

●パーキンソン病では認知症を伴わない認知障害が頻繁に見られ、それは注意の分配が不十分な「遂行機能障害」として現れます。

 

●研究目的はパーキンソン病患者の注意障害を調査すること、またパーキンソン病の注意障害に関連する主な人口統計学的および臨床的特徴を特定しようとしました。

 

方法

 

●80人の非認知症のパーキンソン病患者と60人の健常者が対照群として研究に参加しました。

 

●「注意」は、コンピューター制御の反応時間パラダイムで評価されました。テストセッションは、単純な反応時間タスクと4つの選択反応時間タスクで構成されていました。ゴー・ノーゴー課題、一次元課題、持続的注意課題、二次元課題、注意分配課題および注意切替課題です。パフォーマンスは複合測定によって評価されました。(i)与えられた条件での単純な反応時間と選択反応時間の差に対応する認知反応時間および(ii)分散係数の合計に対応する反応時間の変動性反応時間の精度も考慮されました。

 

●重回帰分析を使用して、パーキンソン病患者のセットシフト課題のパフォーマンスに関連する人口統計学的、臨床的、および認知的特徴を特定しました。人口統計学的および臨床的変数も全体的な認知効率も、セットシフトのパフォーマンスの変動に影響を与えることができる独立した要因と見なすことができませんでした。

 

結果

 

●パーキンソン病患者では、反応時間は全体的に遅くなり、反応時間の変動が大きくなることは別として、セットシフトの障害(交互選択反応時間条件など)で特に障害がありました(応答時間と精度)。このセットシフト障害は、注意を持続させ、干渉に抵抗し、注意を分割する能力の低下と関連していました。

 

●さまざまな注意サブコンポーネントの体系的な評価により、認知症でないパーキンソン病患者では精神的柔軟性が特に損なわれていることが明らかになりました。

 

●結果は、このタイプの障害が認知要求の低い単純な課題でも発生することを示しており、パーキンソン病患者の注意障害は主にセットシフトの障害を反映していることを示唆しています。

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

 

 

●パーキンソン病患者は、徐々に認知面の問題を生じてくる。注意障害・遂行機能障害は中核症状である。1.指示理解の問題 2.計画性の問題 3.行動抑制の問題4.持続的注意の問題・・。どのような問題が日常の中で生じやすいのか、十分に理解し患者と関わっていきたい。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

併せて読みたい【パーキンソン病】関連記事はこちら

 

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