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Vol.454.拘縮にストレッチ効果はある?拘縮の治療と予防について:システマティックレビュー

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●Vol.454.拘縮にストレッチ効果はある?拘縮の治療と予防について:システマティックレビュー

 

●原著はStretch for the treatment and prevention of contracturesこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●拘縮に対して多くのセラピストがストレッチを行うが、予防的な側面が強いように思う。実際、研究としてはどうか学ぶべく本論文に至る。

 

内 容

 

拘縮の要因とは?

 

●拘縮は脳卒中、脊髄損傷、後天性脳損傷、脳性麻痺などの神経疾患の人によく見られます。また、関節リウマチ、手術および火傷を含む様々な筋骨格の状態および疾患に関連する非神経学的な問題を抱える人にも一般的です。拘縮は、関節の可動域の減少または受動的な関節の動きに対する抵抗の増加によって特徴付けられ、どちらも関節の可動性を制限します。

 

●拘縮の原因は神経系と非神経系の両方に起因するものであると一般に認識されています。神経介在因子は、筋腱単位の伸展性を直接制限する痙縮等を指します。対照的に、非神経介在因子は、あらゆる状態の人の拘縮の発生に関わる可能性があります。拘縮の正確な原因は依然として議論の余地がありますが、拘縮の有害さは明らかです。拘縮は日常生活活動を阻害し、痛み、睡眠障害、褥瘡を引き起こす可能性があります。また、見た目としても好ましくない奇形をもたらし、ケアの負担を増加させる可能性があります。これらより、かなりの時間と治療資源が拘縮の治療と予防に向けられています。

 

拘縮に対するストレッチの効果・エビデンス

 

●ストレッチは拘縮の治療と予防に広く使用されます。ストレッチの目的は、関節にまたがる軟部組織の伸展性に影響を与えることで、関節の可動性を維持または向上させることです。ストレッチは、スプリントやポジショニングまたは自己管理でのストレッチ、セラピストによる可動域訓練も適用することもできます。一部の手法は、短時間しか適用できません。たとえば、セラピストが数分以上手をストレッチすることは難しいです。装具やポジショニングなどの他のテクニックは、一定時間ストレッチを施す方法となります。

 

●ストレッチがどのような効果を示すかを理解するには、ストレッチの一時的な効果と持続的な効果の違いを理解することが重要です。ストレッチの一時的な影響は、拘縮の有無にかかわらず、動物と人で広範囲に検討されています。動物実験では、ストレッチに伴う軟部組織の長さの即時的な増加が示されています。人間の研究でも同様の発見があり、関節の可動域が即座に増加し、受動的な関節の動きに対する抵抗が減少しています。この現象は粘性変形と呼ばれます。重要なのは、粘性変形の影響は、ストレッチ状態から元に戻した後、短時間だけ効果が続くことです。

 

●拘縮の治療と予防では、ストレッチの持続的な効果が一時的効果よりも重要です。残念ながら、ストレッチが持続する可能性のある影響のメカニズムはあまり理解されていません。現在の知識は、軟部組織が定期的かつ集中的なストレッチに応答して構造的適応を受けることを示す動物実験に基づいています。これらの研究では、主に筋の基本単位であるサルコメアに対するストレッチの効果を調べました。たとえば、動物の筋に関する研究では、4週間の持続的なストレッチにより、最後のストレッチの4週間後にサルコメア数が増加が示されています。さらなる動物実験ではサルコメアの喪失を防ぐために、1日あたり30分のストレッチが必要であることが示唆されています。したがって、動物の筋はストレッチに反応して非常に順応性があるように思われます。

●ストレッチが非神経系疾患の人の痛みに短期的な影響を示さないという証拠があります。したがって、ストレッチが痛みに長期的な影響を与えるとは考えられません。これは、ストレッチが痛みに及ぼす長期的な影響を調べた2つの研究と一致しています。どちらも痛みの長期的な軽減を示しませんでした。

 

●ストレッチが非健康状態の人の生活の質に短期的な影響を及ぼさないことを示す中程度のエビデンスがありますが、神経学的状態のある人とない人の生活の質、活動制限、参加制限に対するストレッチの影響は不確かです。

 

今後の展望

 

●神経系または非神経系の状態の人の関節可動性に対するストレッチの短期的な影響を調べるさらなる研究はお勧めしません。ストレッチが無効であることを示す証拠の質が高く、さらなる研究がこれらの所見を変える可能性は低いためです。長期的影響に関する証拠の質はそれほど厳密ではありませんが、ストレッチが短期的影響がない場合に関節の可動性に長期的影響を与える可能性があると信じる理論的根拠はありません。他の介入で行われたストレッチの効果を調べる価値があるかもしれません。たとえば、神経学的な状態の人に運動またはボツリヌス毒素を投与した上でストレッチと組み合わせる介入です。

 

●今後の研究では、7か月以上にわたって行われたストレッチの効果の報告はなく、それを明らかにする必要があります。この研究は、ストレッチが日常的に長期間行われる可能性がある臨床集団(例えば、脳卒中、脊髄損傷または脳性麻痺のある人々)でのみ行われるべきです。

 

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●拘縮に対するストレッチの効果は粘性変化に伴う短期的効果である可能性が高く、長期的な効果は期待出来ないようである。臨床的な視点では、どこか単一の関節の問題でなく脊柱から全身的な問題、体力、認知、心理面と複合的な問題になっているケースが多く、それを解くには多大な労力時間を要す。可能であれば、未然に防げるようにしていきたいものである。また、受動的な介入となりやすく、可能であれば能動的な収縮弛緩を入れられるとまた違うかもしれないと感じる。

 

 
 

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