Comb & Razor Testとは?|半側身体無視の実施方法・採点・カットオフをイラストで解説 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Comb & Razor Testとは?|半側身体無視の実施方法・採点・カットオフをイラストで解説

STROKE LAB / ASSESSMENT GUIDE実施 → 解釈 → 介入

Comb & Razor

半側身体無視の評価

整容の左右差を、行動で捉える。

髪をとかす・顔を整える動作を左右に分けて数える検査です。頭部への注意の偏りを、毎朝の「自分で確認できる整容」につなげます。

頭髪への整容動作を観察する場面。単一の静止画で偏りを判定する検査ではありません。
頭髪への整容動作を観察する場面。単一の静止画で偏りを判定する検査ではありません。
30秒ずつくし+ひげ剃り/化粧課題
平均B<−0.11左−右の改訂式での基準
L・R・A左・右・判別困難を別記

医療・リハビリ専門職向け | 資料確認・更新:2026年10月24日

実施前の確認

所要時間と、臨床での進め方

準備 → 実施 → 記録 → 生活で確認

初めて担当するときの流れ

くしと顔面課題を分けて観察する。検者は左右を誘導せず、回数と開始側を記録。検査後の整容で鏡・目印等を試した場合は、基準条件の得点に混ぜず支援効果を記録。

01 / Comb-Razor

何を測る検査か

Comb & Razor Testは、頭髪・顔面への行為の偏りから半側身体無視を調べる検査です。くしと、ひげ剃りまたは化粧用具を用います。紙面上の探索が良くても、整髪や顔拭きの片側が残る人に実施する意味があります。1997年の開発報告と2000年の採点改訂が基礎です。[1][2]

分かるのは主に頭部・顔面への行為です。片側の袖を忘れる、足を置き去りにする問題は、Fluff Testや実際の更衣・移乗を加えて調べます。

02 / Comb-Razor

実施の準備と、2課題の進め方

  1. 道具と動作の条件をそろえる

    安定した座位で、頭・顔へ手を運べる範囲、痛み、感覚、道具の理解を確認。使用手、髪型、普段の整容習慣、鏡の有無を記録します。ひげ剃りは刃を保護した器具による模擬動作とします。

  2. くしで30秒間の整髪動作

    くしを正中に提示し、髪をとかし続けてもらいます。本人の左・右・左右を判別しにくい動作を、それぞれ数えます。途中で左側への誘導は加えません。

  3. 別の30秒で顔面の課題

    ひげ剃り、または化粧パフで顔を整えるまねをしてもらいます。くしと別の記録欄に回数を残します。原報告は男性にひげ剃り、女性に化粧課題を用いています。習慣に合わせて変更した場合は変更条件を記します。

  4. 回数と経過を照合する

    どちらから始め、反対側へ移ったか、同じ場所を繰り返したか、いつ止まったかを記録。検査後に声かけで変わるかを調べる場合は、補助なしの成績と分けます。

時間、道具、採点は採用する実施資料にそろえます。[2][3][4]

刃を保護した道具で使用動作を示してもらいます
刃を保護した道具で使用動作を示してもらいます。実際にひげを剃る場面ではありません。左右・判別困難の動作を分けて数えます。
化粧パフを顔面に当てる動作のイメージ
顔面課題はくし課題と別の30秒として数えます。
03 / Comb-Razor

採点|まず課題別に計算し、その平均を出す

本人の左右と動作回数を示す架空の採点例
対面の見え方と本人の左右を取り違えないようにします。中央線は説明用です。
課題 架空の回数 計算
くし L4・R14・A2 (4−14)/20=−0.50
化粧 L6・R10・A4 (6−10)/20=−0.20
2課題平均 課題別のBを平均 (−0.50−0.20)/2=−0.35

この例は−0.11未満です。左側への整容動作が少ないことを示すため、左への到達範囲と日常の整え残しを確認します。−0.35を「35%の重症度」とは読みません。

計算で間違えやすい点:2課題の回数を先に合算すると、回数の多い課題の影響が強い別の値になります。分母が0なら算出不能。片方が未実施なら、2課題平均は出さず実施した課題の値を残します。

04 / Comb-Razor

0に近ければ良い、とは限らない

結果の例 何が起きているか 次に見ること
L10・R10・A0:B=0 左右へ十分に行為が向かう。 日常の整容も仕上がるか。
L0・R0・A20:B=0 正中付近だけの動作でも左右差は0。 側方へ動けるか、道具理解、開始・継続。
L1・R1・A0:B=0 左右差はないが、動作は2回だけ。 疲労、動作開始、停止の理由。
くしは右偏り、顔は左偏り 平均で打ち消されることがある。 課題別の結果と習慣・可動域を照合。

旧式の左反応割合の基準0.35と、本記事の改訂式−0.11は別指標です。また右−左で計算し百分率で示す資料もあります。報告には式を添えます。[3][4]

05 / Comb-Razor

結果から生活を見通し、介入を決める

右への偏りが強ければ、左の髪・頬・口角が整え残される可能性を考えます。まず普段の洗面で、本人が終わりと判断した時点の仕上がりを確認します。検査値だけで全身の身体無視や将来の介助量まで決めず、頭部で見つけた偏りを具体的な動作へつなげます。

CLINICAL EXAMPLE · 架空例

右の髪を何度もとかし、左へ移る前に終える

確認
痛みなく左頭部へ手が届くかを確認。日常の整髪でも左が残るかを観察します。
試す支援
「右→左→仕上がり確認」の短い順序を共有。鏡を理解して使える人には、鏡で確認する一工程を追加します。
声かけ
「左もやって」だけでなく、「いったん止めて、左の耳の上から整えましょう」と次の動作を一つ伝えます。
再評価
左へ自分で移った回数/整容の機会、整え残し、必要な促しを記録。
CLINICAL EXAMPLE · 架空例

くしは偏らないが、顔拭きの左口角が残る

確認
顔面の感覚、道具、痛み、鏡の利用条件を確認します。
試す支援
安全なタオルで頬→口元→反対側という確認順を作り、本人が触って仕上がりを確かめます。
再評価
拭き残しと、本人が残りに気づくかを測る。くしの点数だけで支援を終了しません。
家族と普段の整容動作を確認する場面
目標は左右の回数を機械的に同じにすることではなく、本人が必要な範囲を整えられることです。
06 / Comb-Razor

ほかの検査・研究・再評価

併用する評価 確認すること
BIT 机上・身体外の探索にも偏りがあるか。
Fluff Test 頭部以外の体幹・四肢も探せるか。
CBS・実生活観察 更衣、食事、移動などの支障と支援量。

原著と採点改訂の意義

開発研究は身体無視と身体外の無視が一致しない例を示しました。改訂式は左右への行為の偏りを捉えるための工夫です。点数を、髪型や動作量などの条件と併せて読めるようにします。[2]

身体無視と生活機能の関連

身体無視の系統的レビューでは、脳卒中後の運動・ADLなどの不良な転帰との関連が報告されています。臨床では、整容以外の身体の扱いも確認する理由になります。Comb & Razorの値から個人の転帰を計算する研究ではありません。[5]

DOWNLOAD / 記録と共有に

検査結果を、生活の支援へ残す

実施条件・観察・試した支援を整理する、STROKE LAB独自の臨床メモです。

臨床メモを開く(PDF)

既存の記録補助PDFです。正式な検査用紙や採点表の代わりではありません。

REFERENCES

参考文献・実施資料

  1. Beschin N, Robertson IH. Personal versus extrapersonal neglect: a group study of their dissociation using a reliable clinical test. Cortex. 1997;33:379–384.
  2. McIntosh RD, et al. Improving the clinical diagnosis of personal neglect: a reformulated comb and razor test. Cortex. 2000;36:289–292.
  3. 太田久晶.半側空間無視のみかた.神経心理学.2025;41:80–87.
  4. Priftis K, et al. Visual Scanning Training, Limb Activation Treatment, and Prism Adaptation for Rehabilitating Left Neglect: Who is the Winner? Front Hum Neurosci. 2013;7:360.
  5. Embrechts E, et al. The Association of Personal Neglect with Motor, Activities of Daily Living, and Participation Outcomes after Stroke: A Systematic Review. Arch Clin Neuropsychol. 2024;39:249–264.

正式な実施・採点には使用版の正規資料を用います。掲載図は課題理解のための説明図、生活の事例は架空例です。介入例の回数・時間・目標は個別に設定する実践案で、検査の判定基準ではありません。

STROKE LAB / Comb-Razor 臨床で使える評価ガイド

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