CAT-Rとは?注意機能の評価内容・結果の読み方と生活への応用 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 高次脳機能障害
  4. CAT-Rとは?注意機能の評価内容・結果の読み方と生活への応用
高次脳機能障害

CAT-Rとは?注意機能の評価内容・結果の読み方と生活への応用

STROKE LAB / ASSESSMENT GUIDE実施 → 解釈 → 介入

CAT-R

標準注意検査法 改訂版

注意の弱点を、支援の手がかりに。

「注意が悪い」で終えず、何を減らすと動けるか、何を足すと崩れるかを見極めます。速さ・正確さ・時間による変化を並べて読むと、食事、家事、仕事への支援が具体的になります。

注意課題の実施イメージ。掲載図の数字や図形は説明用です。
注意課題の実施イメージ。掲載図の数字や図形は説明用です。
5課題群保持・探索・更新・連続処理・持続
プロフィールで読む一律の総合点では判定しない
生活で再確認停止・見落とし・促しを数える

医療・リハビリ専門職向け | 資料確認・更新:2026年10月24日

実施前の確認

所要時間と、臨床での進め方

準備 → 実施 → 記録 → 生活で確認

初めて担当するときの流れ

準備:視聴覚・使用手・疲労を確認。実施:各課題の正規練習と教示を使う。記録:正確さ、速さ、誤反応、経時変化を別記。生活:会話後に食事が止まるなら、会話・テレビなど一つの条件を変えて停止回数を見る。

01 / CATR

何を調べ、どんなときに使うか

CAT-R(改訂版 標準注意検査法)は、脳損傷後の注意機能を複数の課題から評価する検査です。2022年の改訂版は5課題群で構成され、旧版にあったSDMTとPosition Stroopは含まれません。意欲・自発性を扱うCASとは役割が異なります。[1][2]

使いどころは「話しかけると食事が止まる」「説明を最後まで保てない」「作業の後半で抜けが増える」といった場面です。検査前に、困っている活動を一つ決めておきます。検査後は、その活動の条件を変えて確かめます。

02 / CATR

実施の流れと、5つの課題の見どころ

  1. 開始条件を整える

    眼鏡・補聴器、教示理解、筆記・発話・ボタン操作を確認します。使用手、検査時刻、眠気、痛み、前夜の睡眠を記録。急な覚醒低下や変動がある日は、詳細な注意検査より全身状態の評価を先に行います。

  2. 正規の課題で実施し、過程を残す

    提示速度・練習・終了条件はCAT-Rの手順にそろえます。記録するのは正誤と時間に加え、停止した箇所、同じ対象への重複反応、自己修正、前半と後半の違いです。

  3. 採点を確定してから、生活で支援を試す

    検査中に独自のヒントを加えると元の成績が分からなくなります。支援の比較は検査後の別課題で行い、「補助なし」と「補助あり」を分けて残します。

課題群 何をしてもらうか 臨床で見ること
Span 聞いた数字や見た位置の系列を、指定の順序で再現する。 保てる長さ。聴覚と視覚、順唱と逆唱などの条件差。
抹消・検出 多数の刺激から標的を探して印をつける/聴覚の標的に反応する。 見落とし、標的以外への反応、所要時間、探索の左右差。
Memory Updating 次々に入る情報のうち、必要な直近の情報を保持し直す。 古い情報が残るか、途中から更新できなくなるか。
PASAT 続けて聞く数字について、隣り合う2つの和を順に答える。 提示についていけるか。聴力・計算・不安の影響も確認。
CPT2 画面の刺激に、決められた条件でボタン反応を続ける。 反応の遅れ、見逃し、誤反応、反応時間の変動。

構成は現行の公式案内に基づきます。CPT2のX・AXは条件名であり、実際の刺激は数字です。[1][2]

多数の記号から標的を探す抹消課題の説明図
赤は反応、金色の囲みは見落としを説明する表示。実際の用紙の配置・個数とは異なります。

PASATの考え方:例えば「4→2→5」なら「6→7」。直前の答え6に5を足す課題ではありません。これは仕組みを説明する創作例です。

SRTは「7」が出るたび、Xは「7」、AXは「3」の直後の「7」に反応します
SRTは「7」が出るたび、Xは「7」、AXは「3」の直後の「7」に反応します。図は短い創作系列で、正式な提示数・間隔とは異なります。
03 / CATR

点数は「正確さ・速さ・安定性」の順に読む

各指標を年齢などの適用条件に合うCAT-Rの基準と照合します。異なる単位の指標を足した「注意の総合点」は作りません。所要時間は長いほど負担を示しやすく、正答率は高いほど良好というように、数値の向きを先に確認します。[1]

結果の組み合わせ 読み取る仮説 次の確認
正確だが遅い 時間をかけて正確さを保っている可能性。 余裕がある家事と、時間制限がある作業で差が出るか。
速いが誤反応が多い 標的の選別や反応を待つことが不安定な可能性。 一つ確認してから動く手順で誤りが減るか。
開始時は良いが後半で低下 持続、疲労、覚醒変動の影響を考える。 停止が増える時点と休憩後の戻り方。
単純条件は良好、更新や連続処理で低下 情報を保ちながら操作する負荷が高い可能性。 一度に伝える工程数を減らすと遂行が変わるか。
見落としが片側に集中 全般的注意だけでなく空間性の問題を考える。 視野とBIT・生活場面での探索。
04 / CATR

点数から何を見通せるか

基準を下回る成績は、どの負荷をかけると遂行が崩れやすいかを探す手がかりです。特に、同時に行うことが増える、作業が長くなる、周囲から話しかけられる場面を優先して観察します。検査結果から直接「何日で復職」「一人で服薬可能」という確率や期限は算出できません。代わりに、その活動での抜け・所要時間・必要な支援を測ります。

05 / CATR

介入例|食事の停止と、家事の工程抜け

以下は検査で立てた仮説を試す臨床例です。練習時間や目標値は個別に設定するもので、検査の判定基準ではありません。

CLINICAL EXAMPLE · 架空例

会話が入ると、食事の手が止まる

観察
食事の最初の10分で、会話の後に手が止まる回数を記録。嚥下や食具操作自体の問題も確認します。
試す支援
次の同条件の食事ではテレビだけを消す。それでも会話で止まるなら、話す時間を一口の動作と分けます。
声かけ
「集中して」ではなく「次の一口を食べてから、お話を聞きますね」。
再評価
停止回数、再開に必要な声かけ、摂取量を比較。刺激を戻したときの状態も確認します。
CLINICAL EXAMPLE · 架空例

洗濯はできるが、複数の指示で抜ける

観察
洗濯物を「分ける→入れる→開始する」のどこで抜けるか記録。
試す支援
一工程だけを示すカードを置き、終えたら裏返す。まず本人がカードを見て次へ移れるか確認します。
負荷を上げる
一工程が安定したら二工程へ。項目数と周囲の刺激を同時に増やしません。
再評価
自力で完了した工程数/全工程数、促しの回数、翌日の再現性。
生活場面で注意への負荷を調整するイメージ
環境を一度にすべて変えず、何が役立ったか分かる比較にします。
06 / CATR

他の検査との使い分けと、根拠の位置づけ

併用する評価 答えたい問い
4AT-J 注意低下は、普段と違う急な変化か。
BIT 見落としに空間的な偏りがあるか。
BADS・DEX 情報を捉えられても、自分で計画・確認できないのか。
記憶・言語評価 聞き取る/理解する/覚えることの影響はどれか。

現行版の構成と、旧版の研究を分ける

旧版CATの開発報告は標準化の背景を理解する資料です。CAT-Rで使う課題と判定は2022年改訂版に合わせます。古いウェブ記事のSDMTやPosition Stroopの値をCAT-Rの結果へ足しません。[3]

生活場面で注意への要求を調整する

脳卒中ガイドラインは、注意の問題が実際の活動へ及ぼす影響の評価と、妨害刺激や課題の要求を減らす対応を勧めています。机上練習の成績とともに、本人の活動が成立する条件を追います。[4]

DOWNLOAD / 記録と共有に

検査結果を、生活の支援へ残す

実施条件・観察・試した支援を整理する、STROKE LAB独自の臨床メモです。

臨床メモを開く(PDF)

既存の記録補助PDFです。正式な検査用紙や採点表の代わりではありません。

REFERENCES

参考文献・実施資料

  1. 日本高次脳機能学会.改訂版 標準注意検査法・標準意欲評価法(CAT-R・CAS).現行構成・プロフィール作成ソフト.
  2. Gakken.検査&リハ:日本版検査・教材の公式案内.
  3. 加藤元一郎ほか.標準注意検査法(CAT)と標準意欲評価法(CAS)の開発とその経過.高次脳機能研究.2006;26:310–319.旧版の開発報告.
  4. Intercollegiate Stroke Working Party. National Clinical Guideline for Stroke(2023): Rehabilitation and recovery – psychological effects of stroke.

正式な実施・採点には使用版の正規資料を用います。掲載図は課題理解のための説明図、生活の事例は架空例です。介入例の回数・時間・目標は個別に設定する実践案で、検査の判定基準ではありません。

STROKE LAB / CATR 臨床で使える評価ガイド

CATEGORY

 

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

CATEGORY

関連記事

誠心誠意の機能向上に向けたリハビリ支援
脳卒中・パーキンソン病に特化した個別リハビリ支援。
病院で培った機能をつなぎ、可能性を広げる施設です。
〒113-0033 東京都文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階・5階
03-6887-5263
〒158-0082 東京都世田谷区等々力7-2-31 The Room 等々力West 201号 2026.3 OPEN
03-6887-5263
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6-3-16 梅田ステートビル202号
06-7220-4733
ACCESS
会社案内
事業案内
その他