【2026年版】凍結肩(五十肩)とは?原因・症状・治療・リハビリを病期別に徹底解説 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】凍結肩(五十肩)とは?原因・症状・治療・リハビリを病期別に徹底解説

ADHESIVE CAPSULITIS — A CLINICAL GUIDE

凍結肩は、なぜ「癒着」していないのに動かなくなるのか。

「癒着性関節包炎」という名前とは裏腹に、関節鏡所見では明確な癒着が確認されないことが多いのが凍結肩です。病期を見誤ると、良かれと思った介入が炎症を悪化させます。本記事では病態・鑑別・評価・段階別リハビリを、新人臨床家がその日から使える形で整理します。

UPDATED2026
READ約18分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

PREVALENCE
2〜5%
一般人口の有病率。糖尿病患者では10〜22%まで上昇する(Dyer et al. 2023)
DIABETES OR
3.96
2型糖尿病患者の発症オッズ比(Dyer et al. 2023 SR&MA)
PERSISTENCE
40%
3年以上症状が持続する患者の割合(Binder et al. 1984)
Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
正式病態は関節包の線維化・軽度滑膜炎であり、「癒着」の存在は関節鏡的に確認されないことが多い(Bunker 2009)
02
急性期・拘縮期・回復期の3段階で病態も治療方針も逆転する。段階誤認が最大の失敗要因
03
Capsular Pattern(外旋>外転>内旋)は参考所見であり、確定的な診断基準としては用いない(Rundquist 2003)
04
診断は基本的に臨床診断。画像検査(X線・MRI)は他疾患除外が主目的で、確定診断には必須でない
05
急性期の強制的な可動域訓練・強い牽引は禁忌。「疼痛を誘発しない原則」を全段階で守る

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
「そのうち治る」と言われ続けた拘縮期2年目の患者。

50代女性。左肩の凍結肩で発症から2年経過(拘縮期後期相当)。主訴は夜間痛による中途覚醒と、着替え・洗髪動作の困難。他院では「加齢によるもの、そのうち治る」とだけ説明を受け、具体的な病期評価や介入方針の提示はなかった。

初回評価所見:他動外旋30°未満(健側比大幅低下)、外転110°、NRS安静時痛4/10・運動時7/10、DASHスコア48点。肩甲骨の早期上方回旋あり(Kibler Type II相当)。「今は拘縮期の後期で、積極的に動かし始める時期です」と病期を説明した瞬間、患者の表情が変わった。

新人セラピストが最初につまずくのは、この「病期の見極め」です。同じ「肩が上がらない」という主訴でも、急性期なら疼痛管理が最優先、拘縮期なら関節包モビライゼーションが主役になります。病期を誤認したまま急性期に強いストレッチをかければ炎症は悪化し、逆に拘縮期に安静を続ければ回復は遅れます。本記事は、この病期判断を軸に凍結肩のすべてを整理します。

02
Definition & Epidemiology

定義と疫学。

凍結肩(五十肩・四十肩)は医学的には癒着性関節包炎(Adhesive Capsulitis:AC)と呼ばれます。初期は痛みを伴い、その後徐々に可動域が制限され、時間をかけて自然回復する経過をたどることが多い炎症性疾患です。「五十肩」「四十肩」は年代を問わない日本語俗称で、医学的な区別はありません。

[専門家合意] 名称の誤解に注意
「癒着性」という名称の落とし穴

関節鏡的所見では実際には明確な癒着が確認されないことが多く(Neviaser 1945; Bunker 2009)、関節包の線維化と軽度〜中等度の滑膜炎が本質的な病変です。Bunker(2009)は「肩関節拘縮(Contracture of the Shoulder)」への名称変更を提唱しています。この理解は、「癒着をはがすために強く引っ張る」という誤った治療観に基づく過剰な牽引を避けるうえで重要です。

SPV(身体的垂直認知)のような略語表記に注意 — 用語整理

臨床現場では「肩関節周囲炎」という言葉が凍結肩の同義語のように使われますが、これは腱板炎・滑液包炎なども含む広義の日本語用語であり、厳密には別概念です。患者さんの自己診断とローテーターカフ断裂・石灰沈着性腱炎などを混同しないよう、正確な鑑別が治療の出発点になります(詳細は04章)。

01
一次性(特発性)[専門家合意]

明確な外的原因なく発症。遺伝的素因・免疫学的因子・自律神経障害が複合的に関与すると考えられています。滑膜炎→線維芽細胞の活性化→関節包の線維化という経過をたどります。

02
二次性(既知の原因あり)[観察研究]

手術後・外傷後・脳卒中後など既知の素因で生じます。疼痛回避の異常動作パターンが定着し、運動制御が変化して関節包が硬化します。全身的・外在的・内在的の3サブカテゴリーに分類(Zuckerman & Rokito 2011)。

03
好発層と危険因子[SR/MA]

40〜60歳に好発、女性が約70%。糖尿病は最大の危険因子で有病率10〜22%、2型糖尿病でのオッズ比は3.96(Dyer et al. 2023, BMJ Open)。脳卒中・パーキンソン病・甲状腺疾患・上腕骨近位部骨折後もハイリスク群です。

STROKE LABでの無料相談の様子

— ご本人・ご家族の状況を丁寧にお伺いします

Free Consultation
「そのうち治る」で止まっていませんか。

STROKE LABでは病期を正確に見極め、段階に合わせた個別プログラムをご提案します。脳卒中後・パーキンソン後の肩関節ケアも対応可能です。

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03
Pathomechanism

神経メカニズム・責任病巣。

主病変部位
関節容積は正常の1/5〜1/6まで縮小する

前上方の関節包・腋窩陥凹・烏口上腕靱帯(CHL)に線維化を主体とした変化が生じます(Hannafin & Chiaia 2000)。関節容積は正常の15〜35mLから5〜6mL程度まで減少し、腋窩陥凹の消失が特徴的な所見です。ローテーターカフの炎症・拘縮も高頻度に合併し、可動域制限に大きく寄与します。

凍結肩における肩関節構造の変化を示す模式図
— 凍結肩では関節包の線維化により関節腔が著明に狭小化する。図引用元:hartwellphysio.com

サイトカインによる炎症・線維化の悪循環

一次性・二次性いずれの凍結肩でも、炎症性サイトカイン(TNF-α・IL-1β・IL-6)と線維化促進因子(TGF-β1)が関節包の筋線維芽細胞を活性化し、持続的な線維化を引き起こします(Rodeo et al. 1997; Bunker & Anthony 1995)。正常なコラーゲンのリモデリングが障害され、異常なコラーゲン沈着が蓄積して硬化が進行します。

DEEP DIVE
関節包は「固有感覚器官」でもある — 神経学的な悪循環モデル

Lewis 2015 [専門家合意]:関節包は受動的構造ではなく主要な固有感覚器官(Ruffini終末・Pacini小体等)でもあります。関節包が線維化・硬化すると機械受容器が持続的に刺激され、ローテーターカフの反射的な過活動(筋ガード)を誘発し、これがさらに関節包を締め付けるという連続ループを形成します。Lewis(2015, Man Ther)はこれを「神経学的なfrozen状態」として提示し、神経系・筋系・関節包の三者を標的とした包括的介入の重要性を論じています。

04
Differential Diagnosis

鑑別診断。

「五十肩」という自己診断名は、腱板断裂や石灰沈着性腱炎など全く治療方針の異なる疾患を覆い隠すことがあります。鑑別の核心は「他動可動域が制限されているか」です。

鑑別疾患 凍結肩との共通点 鑑別ポイント 参考検査
肩峰下滑液包炎 肩の疼痛・可動域低下 他動外旋は保たれる/70〜120°で疼痛弧 超音波・徒手誘発テスト
ローテーターカフ断裂 外転・挙上困難 真性筋力低下(Drop arm陽性)/他動可動域は保たれやすい MRI・超音波・Jobeテスト
変形性肩関節症 慢性的な可動域制限 屈曲が最も制限/自動より他動が保たれる X線(骨棘・裂隙狭小化)
石灰沈着性腱症 急性期の激しい疼痛 発症が急激(数時間〜数日)/他動可動域は比較的保たれる X線・超音波で腱内石灰化を確認
鑑別の核心は一点。他動可動域まで制限されているかどうか。

05
Assessment

評価尺度と採点基準。

🚨 レッドフラッグ(緊急対応が必要な徴候)

急速に進行する筋力低下・感覚脱失(神経根圧迫・Parsonage-Turner症候群〈神経痛性筋萎縮症:突然の激痛に続き翼状肩甲・筋萎縮が起こる急性神経炎で、凍結肩と初期症状が類似〉を疑う)/原因不明の体重減少・発熱/体位変換に無関係な持続夜間痛(腫瘍・骨転移の可能性)/外傷後の高度腫脹・変形/悪性腫瘍・結核・免疫不全の既往/皮膚の発赤・熱感(化膿性関節炎)。該当時は画像検査・血液検査・他科コンサルトを先行させます。

DASH
上肢機能全般評価
— 30項目・自記式・0〜100点
MCID(臨床的最小変化量)は10〜12点
日本語版(QuickDASH含む)利用可
WORC
肩特異的QOL評価
— 21項目・5領域
身体活動・スポーツ・労働・生活・感情の5領域
DASHより肩特異的な感度が高いとされる

可動域評価・採点基準の完全網羅

項目 正常値(採点基準) カットオフ値の目安 解釈
外旋(他動) 60〜90° 30°以下は重度制限 最も著明に制限されやすい項目
外転(他動) 170〜180° 120°以下は中等度以上 2番目に制限が強い
内旋(他動) 60〜70° 背中に手が届かない 3番目に制限(ADL支障大)
屈曲(他動) 170〜180° 120°以下は中等度以上 外旋ほど著明でないことが多い
測定特性
信頼性・妥当性・MCID

NRS(数値評価スケール)[専門家合意]:0〜10の言語ベース評価。MCIDは1.5〜2点。最も簡便で外来・在宅両方で使用可能。

VAS(視覚的アナログスケール)[専門家合意]:100mm線上に痛みをマーク。NRSより感度が高いとされるが筆記用具が必要で在宅評価には不向き。

Capsular Pattern(外旋>外転>内旋)[観察研究]:Cyriax(1982)の提唱以降広く教育に使われるが、Rundquist et al.(2003)・Vermeulen et al.(2000)は実際の制限パターンが多様であることを示した。参考所見として扱い、確定的な診断基準としては用いない。

肩甲骨機能不全(Scapular Dyskinesis)の評価

関節包・ローテーターカフの拘縮への代償として、肩甲骨の早期上方回旋・過度の挙上・後傾不足が生じやすく、これが肩甲骨機能不全として観察されます。Kibler分類(Type I:下角突出、Type II:内縁突出、Type III:上縁上昇)による視覚的評価が代表的です。前鋸筋・僧帽筋下部の活性化、小胸筋の伸張性改善、胸椎伸展モビリティの向上が基本アプローチです。

06
Evidence-Based Intervention

介入のエビデンス。

3つの臨床段階(急性期・拘縮期・回復期)で治療の軸は大きく変わります。急性期は疼痛管理最優先、拘縮期は関節包モビライゼーション、回復期は筋力強化と運動連鎖の再構築です。

01
急性期:疼痛管理概ね2〜9ヶ月

TENS・超音波療法・温熱/寒冷療法。振り子運動(Codman運動)は1方向10〜20周・1日3〜5セット。強制的な他動可動域訓練・強い牽引は禁忌。ステロイド注射の検討可。

02
拘縮期:関節包モビライゼーション概ね4〜12ヶ月

Maitland grade I〜IVを段階的に適用。Sleep stretch・Cross-body stretch・Doorway stretchは各30秒保持・1日2〜3回。ストレッチ後2時間以上痛みが増す場合は強度を下げる。

03
回復期:筋力強化・運動連鎖概ね5〜24ヶ月以上

外旋筋(棘下筋・小円筋)・外転筋(棘上筋・三角筋)を等尺性→求心性→遠心性の順で強化。肩甲骨安定化筋(僧帽筋下部・前鋸筋)も並行して強化。

04
全段階共通:ADL復帰トレーニング段階的漸増

着替え・洗髪・頭上作業・スポーツ・職業動作の段階的再トレーニング。自主トレーニングプログラムの定着を並行して図る。

凍結肩のリハビリテーションの様子
— 段階に応じた関節包モビライゼーション・ストレッチングの実際

医学的管理との連携

EVIDENCE
注射・水圧拡張・手術のエビデンス

ステロイド注射 [SR/MA]:Blanchard et al.(2010, Physiotherapy)のSRでは、短期(6週以内)の疼痛・機能改善に有意な効果。12週以降の長期的優位性は限定的。同一部位への注射間隔は3ヶ月以上・総回数3回以内が目安。

水圧拡張術 [SR/MA]:Buchbinder et al.(2008, Cochrane Database Syst Rev, CD007005)では短〜中期の疼痛・可動域改善に有効な報告があるが、エビデンスの確実性は中程度。ステロイド注射・リハビリ不応の拘縮期症例に選択肢となる。

肩甲上神経ブロック [単独RCT]:Dahan et al.(2000, J Rheumatol)で有益性の報告があるが機序は未解明な部分が多い。ステロイドの血糖影響を避けたい糖尿病患者の代替として検討される場合がある。

肩甲上神経の解剖イメージ
— 肩甲上神経は棘上筋・棘下筋・肩関節包の後方〜上方を支配する。図引用元:VISIBLE BODY

保存療法が概ね6ヶ月以上無効な難治例では、麻酔下徒手的関節授動術(MUA)や関節鏡視下関節包切離術が検討されます。いずれも術後即時からの積極的なリハビリ開始が回復の鍵であり、術後管理がアウトカムを大きく左右します。

STROKE LAB代表 金子唯史
Message from CEO
肩だけを診ても、肩は治りません。

STROKE LABでは「姿勢連鎖セラピー」として、足部・股関節・脊柱・胸郭・肩甲骨の連鎖全体から肩を評価・治療します。神経系・筋系・関節包の三者を標的とした包括的な介入を実践しています。

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07
Interdisciplinary Care

多職種連携と環境調整。

脳卒中後肩痛では特にチームで診る

脳卒中後の凍結肩は麻痺・痙縮・亜脱臼・CRPSが複合的に絡むため、単職種での対応には限界があります。以下は職種別の評価・介入・連携ポイントです。

Clinical Insight

「NRS 6以上の安静時痛が持続する段階で強めのモビライゼーションを始めるのは、経験の浅いうちに一番やりがちなミスです。まず痛みを落ち着かせる。急がば回れです」

「肩だけ診て良くならない症例の多くは、肩甲骨や体幹の代償運動を見落としています。動作全体を観察する癖をつけてください」

職種 主な評価項目 主な介入内容 連携ポイント
PT 可動域・Capsular Pattern・肩甲骨リズム 関節包モビライゼーション・運動連鎖トレーニング 医師へ疼痛レベルを共有し注射タイミングを相談
OT ADL動作分析(着替え・洗髪・整容) 動作代償指導・自助具検討・生活場面での可動域活用練習 PTの可動域評価をADL場面に反映
ST 疼痛による摂食・嚥下姿勢への影響 頭頸部・体幹姿勢の調整連携 脳卒中後の姿勢制御情報をPT/OTと共有
看護師 夜間痛の頻度・睡眠状況・服薬状況 ポジショニング指導・疼痛時頓服の調整 夜間の疼痛記録をリハビリ職に共有
医師 画像診断・レッドフラッグ除外・血糖管理 ステロイド注射・水圧拡張術・MUAの適応判断 セラピストからの病期・機能評価報告を治療方針に反映
MSW 就労状況・介護負担・社会資源の利用状況 職場復帰支援・介護保険サービス調整 リハビリ進捗を復職・生活設計に反映

08
Common Pitfalls

つまずきポイントと臨床判断のコツ。

凍結肩は「動かせば治る」という単純な図式で語られがちですが、実際の失敗は段階の見誤りから起きます。以下は新人が特に陥りやすい3つのパターンです。

Pitfalls — よくある失敗パターン
新人臨床家が陥りやすい3つのつまずきポイント
!
急性期に「動かさないと固まる」と焦って強く伸ばす:安静時痛が強い段階での強制的ストレッチ・強い牽引は炎症を悪化させます。対策:NRS安静時痛が高い段階ではポジショニングと痛みのない範囲の振り子運動に留め、疼痛コントロールを最優先にする。
!
Capsular Patternを絶対的な診断基準として扱う:「外旋>外転>内旋」に当てはまらないと凍結肩ではないと誤判断してしまう。対策:Rundquist(2003)・Vermeulen(2000)が示す通りパターンは多様。あくまで参考所見として扱い、他所見と併せて総合判断する。
!
肩関節だけを局所的に治療し、肩甲骨・体幹を見落とす:肩甲骨機能不全(Scapular Dyskinesis)や姿勢連鎖を評価せず可動域訓練だけを行うと改善が頭打ちになる。対策:Kibler分類での肩甲骨評価と、体幹・下肢からの運動連鎖評価を初回評価に組み込む。

臨床判断の軸:5大原則

Mentor’s Voice

「段階に合わせた介入・動きの質を量より優先・疼痛を誘発しない原則・患者教育・全身の運動連鎖から診る。この5つを迷ったときの判断軸にしてください」

「ストレッチ後2時間以内に痛みが元のレベルに戻るか。これが強度設定の最も実用的な目安です」

迷ったら、病期の再評価に戻る。それが最短の近道です。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

多くは自然回復しますが、Binder et al.(1984)の長期追跡研究では40%の患者で3年以上症状が持続し、15%には慢性的な痛みと機能障害が残存するとされています。「そのうち治る」という姿勢は回復を遅らせるリスクがあり、明確なゴール設定が重要です。

ゴール設定の2軸
機能的目標と生活・QOL目標を分けて設定する

機能的目標:外旋・外転・内旋の可動域改善、正常な肩甲骨リズムの回復、副運動の改善、ローテーターカフ筋力の回復。生活・QOL目標:夜間痛の消失・睡眠の質向上、着替え・洗髪・家事動作の自立、職業・スポーツ復帰、DASH・WORCスコアの改善。予防・再発防止としては規則的な自主運動・姿勢管理・対側の定期確認・基礎疾患管理(血糖コントロール等)が挙げられます。復帰基準は職種・スポーツにより異なり、投球系スポーツでは外旋筋力が対側比80%以上などの条件を目安とします。

予後を語る前に、今どの段階にいるかを患者と共有する。それが最初のゴールです。

10
FAQ

よくある質問。

Q.五十肩は放置していても自然に治りますか?
A.

多くの場合は自然経過で回復しますが、完全回復まで早ければ6ヶ月、長ければ数年かかることがあります。Binder et al.(1984)では40%の患者で3年以上症状が持続し、15%では慢性的な痛みと機能障害が残存するとされています。糖尿病・脳卒中・パーキンソン病を持つ患者は自然回復しにくいため、早期の専門的介入が重要です。

Q.五十肩のストレッチは痛みがあっても続けた方がいいですか?
A.

段階によって大きく異なります。急性期に強いストレッチは炎症を悪化させるため推奨されません。拘縮期〜回復期では積極的なストレッチングが必要になりますが、痛みのない範囲から開始し、ストレッチ後2時間以内に痛みが元のレベルに戻る強度を守ることが原則です。現在がどの段階かを専門家に評価してもらうことをお勧めします。

Q.ステロイド注射とリハビリ、どちらが効果的ですか?
A.

どちらか一方ではなく、段階と個別状況に応じた組み合わせが現実的です。Blanchard et al.(2010)では、ステロイド注射は短期(6週以内)の疼痛・機能改善に有効ですが、12週以降の長期的な優位性はリハビリと比較して明確ではありません。組み合わせを「必須」と断言する強いエビデンスはなく、個別判断が求められます。

Q.脳卒中後に五十肩になりやすいのはなぜですか?
A.

麻痺による廃用・不動、屈筋優位の痙縮パターンによる内旋位固定、腱板弛緩による亜脱臼、CRPSとしてのShoulder-Hand Syndromeなど複数要因が関与します。発症直後からの良肢位ポジショニング・疼痛管理・関節可動域維持・早期リハビリ開始が予防の鍵です。

Q.MRIは必ず撮る必要がありますか?
A.

凍結肩の診断は基本的に臨床診断であり、MRIは必須ではありません。腱板断裂が疑われる場合、リハビリへの反応が乏しい難治例、手術前評価、他疾患の除外が必要な場合に推奨されます。まずは身体評価から始めることが基本です。

Q.自宅でできる五十肩の自主トレーニングを教えてください。
A.

拘縮期〜回復期を念頭に、振り子運動(Codman運動)、Doorway stretch(外旋)、Cross-body stretch(後方関節包)、棒体操(外旋・外転)などがあります。張り感は許容ですが鋭い痛みは禁止で、ストレッチ後2時間以上痛みが増す場合は強度を下げます。急性期の方は専門家に相談の上で実施してください。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは脳卒中専門の自費リハビリ施設として、凍結肩はもちろん、脳卒中後・パーキンソン後の肩関節ケアまで対応しています。「姿勢連鎖セラピー」の考え方に基づき、肩だけでなく全身の連鎖から評価・治療を行います。

STRENGTH
STROKE LABの強み
— 脳卒中専門施設としての知見
神経系・筋系・関節包を統合的に評価
脳卒中後肩痛・CRPSにも専門的に対応
PROGRAM
取り組める内容
— 段階に応じた個別設計
急性期・拘縮期・回復期に応じた個別プログラム
姿勢連鎖セラピーによる全身からのアプローチ
Voice from Mentors

「拘縮期後期の患者さんで、他院で『そのうち治る』とだけ説明されて1年以上経過していた方を担当しました。初回評価でDASHスコア48点、他動外旋30°未満という数値を提示し、今の病期と今後の見通しを具体的に共有したところ、それだけで表情が変わったのを覚えています。段階に応じた関節包モビライゼーションと自主トレーニングを3ヶ月継続し、着替え・洗髪動作が自立レベルまで改善しました。数値と段階を『見える化』することの重要性を強く実感した症例です」— 理学療法士・臨床経験8年・肩関節疾患専門

「脳卒中後の右肩拘縮の患者さんで、ご家族から『麻痺のせいだから仕方ない』と諦められていたケースがありました。評価の結果、肩甲骨の代償運動と体幹の非対称性が可動域制限を助長していることが分かり、局所治療に加えて姿勢連鎖からのアプローチを取り入れました。数ヶ月後、麻痺側の腕がベッドから落ちなくなり、ご家族から『介護の負担が減った』と言っていただけたことが強く印象に残っています。肩は局所だけでは治らないと再確認した経験です」— 作業療法士・臨床経験10年・脳卒中リハビリ専門

Message from CEO
「肩が痛い・上がらない」その状態、
諦めないでください。
STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

凍結肩は「五十肩だから仕方ない」と諦められがちな疾患ですが、正確な病期評価と段階に合った介入で、回復の質と期間は大きく変わります。

私たちは肩という一関節だけでなく、全身の姿勢連鎖から原因を探ることを大切にしています。脳卒中後・パーキンソン病後の肩関節ケアにも、専門的な知見をもって対応します。

夜も眠れないほどの痛み、着替えすらままならない不自由さ。その状態を長引かせないために、私たちにできることがあります。まずは無料相談で、今の状態をお聞かせください。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01Neviaser JS. Adhesive capsulitis of the shoulder. J Bone Joint Surg Am. 1945;27:211-222.
02Binder AI, Bulgen DY, Hazleman BL, Roberts S. Frozen shoulder: a long-term prospective study. Ann Rheum Dis. 1984;43(3):361-364.
03Bunker TD. Time for a new name for frozen shoulder—contracture of the shoulder. Shoulder Elbow. 2009;1(1):4-9.
04Hannafin JA, Chiaia TA. Adhesive capsulitis: a treatment approach. Clin Orthop Relat Res. 2000;(372):95-109.
05Rodeo SA, Hannafin JA, Tom J, Warren RF, Wickiewicz TL. Immunolocalization of cytokines and their receptors in adhesive capsulitis. J Orthop Res. 1997;15(3):427-436.
06Lewis J. Frozen shoulder contracture syndrome. Man Ther. 2015;20(1):2-9.
07Rundquist PJ, Anderson DD, Guanche CA, Ludewig PM. Shoulder kinematics in subjects with frozen shoulder. Arch Phys Med Rehabil. 2003;84(10):1473-1479.
08Vermeulen HM, Obermann WR, Burger BJ, Kok GJ, Rozing PM, van Den Ende CH. End-range mobilization techniques in adhesive capsulitis. Phys Ther. 2000;80(12):1204-1213.
09Buchbinder R, Hoving JL, Green S, Hall S, Forbes A, Nash P. Short course prednisolone for adhesive capsulitis. Ann Rheum Dis. 2004;63(11):1460-1469.
10Blanchard V, Barr S, Cerisola FL. The effectiveness of corticosteroid injections compared with physiotherapeutic interventions for adhesive capsulitis. Physiotherapy. 2010;96(2):95-107.
11Buchbinder R, Green S, Youd JM, Johnston RV, Cumpston M. Arthrographic distension for adhesive capsulitis. Cochrane Database Syst Rev. 2008;(1):CD007005.
12Page MJ, Green S, Kramer S, Johnston RV, McBain B, Buchbinder R. Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis. Cochrane Database Syst Rev. 2014;(8):CD011275.
13Dyer BP, Rathod-Mistry T, Burton C, et al. Diabetes as a risk factor for the onset of frozen shoulder: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2023;13(1):e062377.
14Dahan TH, Fortin L, Pelletier M, et al. Double blind randomized clinical trial examining the efficacy of bupivacaine suprascapular nerve blocks in frozen shoulder. J Rheumatol. 2000;27(6):1464-1469.
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