Vol.612.杖に力入りすぎてませんか??歩行時のライトタッチの重要性 脳卒中リハビリ論文サマリー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.612.杖に力入りすぎてませんか??歩行時のライトタッチの重要性 脳卒中リハビリ論文サマリー

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カテゴリー

 

神経系、歩行、感覚

 

タイトル

●トレッドミル訓練時の歩行能力とライトタッチの関係性

 

●原著はThe contribution of light touch sensory cues to corrective reactions during treadmill locomotionこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●歩行練習では手すりや杖に力が入りすぎてしまう方は多い。手すりをしっかり握る場合とライトタッチで練習する場合でどの程度身体活動が変わるのか学びたく本論運に至る。

 

内 容

 

背景

 

●上肢は、バランスを回復するための多くの動作レパートリーがあります。上肢は摂動によって引き起こされた重心の変化量を散らすために作用したり、転倒を阻止するために保護的な役割(保護伸展反応)を果たしたり、近くにある安全な手すりに手を伸ばしたりすることができます。

 

上肢は、バランス調整において直接的な役割だけでなく、間接的な役割も果たしています。例えば、腕を胸の前で軽く折り曲げたり、背中に置いたりして腕の動きを制限すると、下肢の筋肉の反応の振幅が増幅されます。逆に、安定した手すりを握ると、歩行時の下肢筋の反応が抑制されます。

 

●軽いタッチが姿勢に与える影響は、広範囲にわたって研究されています。立っているときに、安定した接触面に人差し指で軽く触れると、体の揺れが大幅に減少し、この効果は視覚がないときに強くなることが示されています。

 

●上肢は歩行中のバランス調節に重要な役割を果たします。姿勢制御に及ぼす軽いタッチの影響が注目されています。立位にて安定した手すりなどに軽く触れると、体の揺れが大幅に減少し、姿勢の摂動に対する姿勢調節反応が向上します。一方、歩行中のライトタッチにより被験者は目を閉じたままトレッドミル上を歩き続けることができます。

 

●手からの感覚的な手がかりが下肢の反応を調整し、歩行中に身体にもたらされる不穏な摂動に対するバランスをとると仮定し、本研究ではこれを調査することとしました。

 

方法

 

 

●テストでは被験者は歩きながら上図のように定期的に腰を後ろに引かれ(後方重心)トレッドミル上を歩きました。4つのテスト条件で比較しました。手は(a)ライトタッチまたは(b)接触なし、目は(c)開眼(d)閉眼条件で比較しました。

 

結果

 

●被験者が手すりに触れるとトレッドミル歩行時の体の前後の動揺が減少し、歩行を妨げる過度な前脛骨筋とヒラメ筋活動はなく、むしろ減少しました。対照的にタッチの提供は被験者が閉眼し歩いたときにより明白で、後方摂動の際の前脛骨筋における反応の振幅の増加をもたらしました。

 

●これらの結果は、ライトタッチが歩行中の体の安定をサポートする感覚的な手がかりを提供することを示しています。さらに、ライトタッチによって提供される感覚情報は、歩行中に遭遇するバランス障害によって開始されるバランス反応の調節に貢献します。

 

結果

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●患者がライトタッチで支持できているかの観察は重要である。T字杖歩行であれば、第3の足のように体重を杖にかけてしまうと上肢の疲労だけでなく、身体動揺・地形の変化に対応できない可能性がある。屋外歩行の可否などの判断においてもそのような視点は大切である。臨床ではライトタッチで行えない原因を探りアプローチしたい。杖を不安定クッションにつくような練習も基本的な訓練の一つである。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

併せて読みたい【歩行、バランス】関連論文

 

Vol.542.アームスリングがバランス・歩行に及ぼす影響とは?

 

Vol.488.睡眠薬服用時は転倒に気をつけて!夜間中途覚醒とバランス・認知機能との関係性

 

Vol.513.脳卒中患者に対するニンテンドーWii fitベースのバランスリハビリの有効性

 

vol.192:帽子の違いによる視覚とバランス   脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

 

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