Vol.442.皮膚情報は位置覚に影響を与える!?テープによる皮膚操作が位置感覚に及ぼす影響 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Vol.442.皮膚情報は位置覚に影響を与える!?テープによる皮膚操作が位置感覚に及ぼす影響

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●皮膚情報は位置覚に影響を与える!?テープによる皮膚操作が位置感覚に及ぼす影響

 

●原著はProprioceptive Localization of the Hand Changes When Skin Stretch around the Elbow Is Manipulatedこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●脳卒中患者において、随意性の改善だけでなく、実生活では本人のイメージした動きと実際の動きがマッチング出来ている事は重要である。筋紡錘だけでなく皮膚の影響もあるという内容に興味を持ち本論文を読むに至る。

 

内 容

 

背景

 

筋紡錘情報は一般に固有受容感覚情報の最も関連性の強い情報源であると想定されているが、被験者が手足の姿勢を判断または一致させるような課題において、皮膚の情報は位置感覚に影響を与えることが示されている。

 

●今回の探索的研究では、肘周囲の皮膚のストレッチを操作することで、アクティブリーチを伴う視覚-固有受容感覚マッチング課題で手の位置感覚が影響を受けるかどうかをテストした。

 

方法

 

●18~22歳の16人の被験者が実験に参加した。 20~28歳の11人の被験者が対照実験1に参加した。19~28歳のが対照実験2に参加した。

 

●ミラー上の白い背面の投影スクリーン上に視覚的なターゲット刺激(常に1つのターゲットのみが存在する)を投影した。ミラーは投影された画像を反射したため、被験者はミラーの下の水平面でターゲットを知覚した。被験者は手をミラーの下に置き、手の位置を測定し力場を作成するために使用できる「力」フィードバックデバイスを保持した。被験者は自分の手や腕を見ることができず、手関節はプロテクターで固定されていた。

 

●被験者のテーピングは、皮膚のストレッチを操作する方法で行われたが、肘関節の動きを機械的に制限しなかった。

 

 

●被験者は課題に関する口頭指示を受けた。利き手の1回の滑らかな動きでターゲットの位置に動かさなければならなかった。時間制約はなく、被験者はプログラミングエラーを修正するための十分な時間があった。被験者が自分の手がターゲットに揃っていると思ったとき、力フィードバック装置のハンドルにあるボタンを押した。その瞬間、ターゲットは姿を消し、次のターゲットが現れた。被験者は、実験中に自分自身の固有受容感覚以外からのフィードバックを受けなかった。

 

●対照実験1では、肘の動作中に皮膚がどのように伸びるかについてより多くの洞察を得るために、課題中に利き腕の内側と外側の皮膚ストレッチパターンを測定した。皮膚の伸びを記録するために、Optotrakマーカー(赤外線発光ダイオード)を腕の内側または外側に配置した。

 

●対照実験2ではテープのストレッチ量を増やすと手の位置に大きな影響が出るかどうか、およびテープを別の方法で貼り付けると結果に影響するかどうかをテストした。テープの構成が異なる3つのセッションは、余計な影響を避けるため異なる日に測定された。

 

結果

 

●目に見えない手を視覚的ターゲットに一致させると、被験者固有のエラーが見つかった(テープにより、手の動きの終点が大きくシフトすることがわかった)。他の実験で見つかった被験者固有のエラーパターンと一致している。エラーは、以前の研究で同様の設定で検出されたものと同じ桁(数センチメートル)でした。

 

●皮膚の伸張量が効果の大きさに影響するかどうかもテストした。フルストレッチテープとライトストレッチテープの違いは、到達したエンドポイントに大幅なシフトを得るには、一定量のストレッチは必要であることが示されました。これは、被験者の上肢に何かを取り付けると姿勢が変化するということを除外します。

 

●エンドポイントのシフトは、テープを貼った上肢の内側外側に関係なく、肘の伸展の増加と一致していた。

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

●脳卒中患者では皮膚含む表層の伸張性の変化も二次的に起こり得る。筋紡錘だけでなく、より表層の動きにも着目する事は重要である。テープもしくは徒手的に表層の操作をするという今回の内容は臨床的にも応用できるかもしれない。

 

 

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