vol.267:姿勢コントロールにおけるヒラメ筋と内側腓腹筋の違い 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
姿勢コントロールにおけるヒラメ筋と内側腓腹筋の違い
Vestibular contribution to balance control in the medial gastrocnemius and soleus?PMC Christopher J. Dakin et al.(2015)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・ankle strategyにおける筋の各々の役割をより考えられるようになりたいと思い本論文に至る。
内 容
背景
・SOLおよびGASは足部の底屈筋モーメントを生成し、身体の前方への転倒を相殺して垂直方向を維持する足関節の姿勢コントロールにおいて特に重要である。
・SOLとGASは立位バランスにおいてほぼ連続的に活性する。
・SOLはmGASの生理学的断面積の2倍の生理学的な断面積を有し、立位に必要なトルクの大部分を提供します。
・連続的な活性のSOLと比較しmGASは対照的に断続的な活性を示します。
・SOLはmGASよりもずっと高い筋紡錘密度を有し、GASよりも大きな筋スピンドルフィードバックを受けると考えられています。
・ヒラメ筋(SOL)および内側腓腹筋(mGAS)は、立位バランス間で異なる活動パターンを有し、異なる機能的役割を有し得る。
・表面筋電図を使用し、SOLと比較してmGASにおいて前庭電気刺激(GVS)に対するより大きな応答が観察された。
目的
・本研究では、GVS効果を自由に立っている被験者からのSOLおよびmGASモータユニットの放電挙動で比較した。
結果
・研究結果は、前庭信号がSOLと比較してmGASにおけるモータユニットの放電活性に大きな影響を有するという証拠を提供する。
・この結果はmGASが立位バランスの間に前庭駆動のバランス補正においてより大きな役割を果たすことを示している。
・ mGASに対する前庭入力の影響がSOLのものと比較して大きいことは、これらの筋肉が能動的なバランス制御において同一ではなく様々な異なる役割を果たすことを示唆している。
私見・明日への臨床アイデア
・下腿三頭筋部分は痙縮(内反底屈)、共収縮等脳卒中麻痺後に問題とされる部分である。トレーニングによる反回抑制、位置弁別課題、装具療法、ボトックスや圧迫による抑制他多くの対策が考案されている。
・上記論文から内側腓腹筋は体に加速度が生じた時に姿勢コントロールするために働くことが推察される。逆に、筋が上手く働いていない場合、加速が生じるような場合のコントロールが上手く出来なくなる可能性が示唆される。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)