vol.266:脳卒中半球損傷側の感覚機能について 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
脳卒中半球損傷側の感覚機能について
Deficits of Movement Accuracy and Proprioceptive Sense in the Ipsi-lesional Upper Limb of Patients with Hemiparetic Stroke?PMC Sung Min Son et al.(2013)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・臨床において、非麻痺側が上手く使用できてない方を多く見かける。脳卒中後の非麻痺側に関して学習したいと思い本論文に至る。
内 容
背景
・脳卒中の損傷半球と同側の軽微な運動障害の存在の証拠が増えている。
目的
・先行研究では、運動課題における脳半球を損傷した同側の上肢(UL)における運動障害について報告されている。しかし、同側の感覚障害についてはほとんど知られていない。したがって、脳卒中患者において同側ULの運動機能と感覚機能の両方が影響を受けるかどうかを今回検討した。
方法
・片麻痺患者50人と、年齢および性別が一致した健常被験者40人がこの研究に参加した。
・被験者はテーブル前に座り、前腕は快適に支えられ、肘は90°で屈曲した姿勢を取った。MP関節における動きの正確さ(追跡課題)および固有感覚を測定した。電位差計はMP関節の屈曲/伸展運動を検出した。
・追跡課題では、コンピュータ画面上に15秒間表示された赤色の目標を可能な限り正確に追跡するように指示された。被験者が実施した軌道は違う色の実線で表示された。
結果
・運動機能(追跡課題)では脳卒中群はMP関節において対照群よりも低い精度を示した。
・脳卒中群において、対象群と比較して感覚検査ではjoint reposition testの誤差スコアが高いことが示された。
・結果は、脳卒中患者の同側ULが、運動機能障害と感覚機能の双方の障害を有することを示唆している。
私見・明日への臨床アイデア
・患者本人の認識として非麻痺側を「なんでもない方」「正常」と認識し、特にケアをされない方が多いと感じる。しかし、実際、固定的かつ努力的で上手く使用されていないケースが多い。麻痺側治療に目が向きやすいが、要所要所非麻痺側に対しての気付きも本人に積極的に与えていく必要があると思われる。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)