vol.268:食事中の内舌・外舌筋の役割について 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
食事中の内舌・外舌筋の役割について
Roles of intrinsic and extrinsic tongue muscles in feeding?PMC Mustafa Kayalioglu et al.(2007)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・舌の解剖の論文を読み、機能にも興味を持ったため。
内 容
目的
・様々な摂食行動における舌筋の性能は明確に定義されていない。今回の研究は、飲水、食物摂取および咀嚼中の内舌筋および外舌筋の役割を調べるために行われた。
方法
・生後12週の小豚10匹(各性別5匹)を使用した。麻酔下で、細い電極を3つの内舌筋(垂直舌筋および横舌筋[V/T]、上縦舌筋および下縦舌筋 [SL and IL])および外舌筋(オトガイ舌筋 [GG]および茎突舌筋 [SG])の2つの舌筋に挿入し、顎の筋肉(咬筋[MA] および顎二腹筋 [DI])にも挿入した。豚が水を飲んだり、食べ物を自由に摂取したり噛んだりすると、筋電図(EMG)と顎の動きが記録され同期された。
結果
・咀嚼中に垂直舌筋および横舌筋[V/T]およびオトガイ舌筋[GG]は口を開く早期から開始する1相の活性を有し、垂直舌筋および横舌筋活性は顎を閉じる後まで続いたことを示した。
・上縦舌筋および下縦舌筋[SL and IL]および茎突舌筋 [SG]は二相を有し、最初は顎の開口で活性開始し、二番目は遅い顎の閉鎖相で活性開始した。
・3つの内舌筋およびSGは、咀嚼サイクルの35~48%の間に活動的であった。両側のSL、ILおよびSGのIEMG値は、他の筋肉と比較して有意に大きかった。SLとILの両方は、同側より対側で有意に高い活性を示した。
・これらの結果は、内および外舌筋における活動の大部分が、顎の開口および咬合相間に生じたことを示唆した。
私見・明日への臨床アイデア
・舌も筋肉で筋緊張や萎縮などを観察し評価することが可能である。 舌は萎縮すると薄くなり、皺が多く柔らかくなる。そして運動機能として、多様な動きを行える必要がある。PTOTでもスクリーニング的に観察可能な部分だと思われます。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)