2018.02.09バイオメカニクス
vol.265:舌の3次元解剖学 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
舌の3次元解剖学
A 3-Dimensional Atlas of Human Tongue Muscles?PMC IRA SANDERS et al.(2014)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・舌について論文をいくつか読んでいたが、そもそも舌がどのような構造になっているか理解していなかったため興味を持った。
内 容
背景
・舌の機能は正常な発語、嚥下および呼吸に重要である。舌の機能不全は失語症、嚥下障害、閉塞性の睡眠障害の原因となります。
・舌運動は、主動作筋・拮抗筋または安定・運動としての筋として舌筋のそれぞれが働き複雑な運動を生成していると考えられる。
目的
・人間の舌は身体の最も重要ではあるが最も理解されていない構造の一つです。人間の舌に関する研究が相対的に不足している理由の1つは、その複雑な解剖学です。複雑な解剖学をはっきりと示している解剖学的な資料がほとんどないため、これは研究者にとって障害です。本レポートは、舌の解剖学を複数の方法で表示することにより、このギャップを埋めることを意図しています。
・舌は3つの部分に分かれている(①舌端②舌体③舌根)。これを粘膜が覆う。
・舌は外舌筋(舌の全体の位置を変える大まかな運動を行い、舌の外に起始し、舌の内に停止する筋)と内舌筋(舌の内部から起 こり,舌の中で停止し,舌の形を変える筋)に大まかに分けられる。これらの筋が左右対称に存在している。
・タコの触手のような舌は、筋肉湿度調整器:MH muscular hydrostatである(Kier and Smith1985)。 MHは、骨格のない筋肉構造であり、その生体力学は、ほとんどの骨格筋によって使用される機械的レバーアームよりも油圧システムに似ています。
・「Extrinsic Tongue Muscles:外舌筋」
茎突舌筋Styloglossus (SG) muscle、舌骨舌筋Hyoglossus (HG) muscle、オトガイ舌筋(Genioglossus (GG) muscle)、その他小さな筋である口蓋舌筋Palatoglossus (PG)、舌咽頭筋glossopharyngeus(GP)、 小角舌筋chondroglossus (CG) muscles、を総じて外舌筋と呼びます。
・「Intrinsic Tongue Muscles:内舌筋」
上縦舌筋Superior longitudinal (SL) muscle 、下縦舌筋Inferior longitudinal (IL) muscle、横舌筋Transverse (T) muscle、垂直舌筋Vertical (V) muscle を総じて内舌筋と呼びます。
・人間の舌の解剖学は、複雑であるが、理解できる特定のパターンを有します。人間の舌を視覚化するための1つの有益な方法は、2つの基本部分で構成されていることです。 正中線のV字状のGGは、舌の筋肉を2つの縦方向の塊に分けます。舌の前額面を同定する最も簡単な筋肉はSL筋です。 2番目の重要なランドマークは、舌小帯の後ろ中央の大部分を構成するGG筋肉です。 GG筋肉のちょうど側方は動脈であり、GGをILから分離します。
私見・明日への臨床アイデア
● この舌を機能的に働かせるためにPT・OTとして間接的に関わりたいと思った時に姿勢コントロールが大切です。舌をフリーに用いれるようにするために、複合体とされる顎-首-肩甲帯とその土台である体幹・下肢と結局は全体のp姿勢コントロールの改善が必要です。
● 食べ物の重さ・形・量などを認識し、運ぶ手・上肢の機能性も高める必要があります。
● 嚥下に対してPOSが役割分担をして関わっていく必要があると思います。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
病院内 スタッフ育成サポート
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