Vol.487.BWS歩行の免荷量は15~30%!?歩行のCPGについてのレビュー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.487.BWS歩行の免荷量は15~30%!?歩行のCPGについてのレビュー

 

 

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カテゴリー

 

脳科学

 

タイトル

●BWS歩行の免荷量は15~30%!?歩行のCPGについてのレビュー

 

●原著はCentral Pattern Generation of Locomotion: A Review of the Evidenceこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●臨床でCPGの賦活という声は良く聞くようになった。しかし、CPGの賦活にあたっての知識がまだ不十分と感じ、学習の一助として本論文に至った。

 

内 容

 

背景

 

●Forrsbergは、人間の歩行の成熟には、脊髄のCPG回路の再編成と、より下等脊椎動物で見られるよりも運動の調節におけるより広範な脊髄への依存性が関与している可能性があると仮定した。CPGを利用または操作して人間の運動回復を促進する可能性は、他の動物の場合よりもはるかに難しい可能性がある。人間の歩行が他のすべての脊椎動物の歩行と異なるという前提は、適切な証拠に基づいている。

 

●動物実験から人間への調査結果を当てはめる際の考慮事項は、人間が脊髄損傷後に直立姿勢を維持できないことである。たとえ脊髄レベルで神経活動が回復したとしても、平衡制御の喪失によってその活動の有用性が制限される可能性はあります。それにもかかわらず、中枢神経系の障害を持つ人間の運動再訓練の研究はいくつかのCPG回路の促通に対して肯定的な結果をもたらしています。

 

●VisintinとBarbeauは、脊髄不完全損傷の7人で、40%の免荷で支えた状態でトレッドミルを歩くと、歩行パターンと運動機能の両側面に即時の正常化効果があったことを報告しました。著者らは、体重免荷(BWS)の使用は、脊髄損傷患者の自発運動能力を再訓練する上で重要な要素である可能性があると結論付けました。

 

●ABAデザイン(6週間のベースライン測定期間、6週間の治療期間、3週間の再測定期間)を伴う単一被験者研究は、研究の7か月前に発症した不完全なC5-6病変の被験者が参加し実施された。トレーニングプロトコルには、トレッドミルウォーキング中に1日30分間、1週間のうち3日間を6週間、32%の体重免荷を使用した。小さいが統計的に有意な(そして臨床的に意味があるとされる)改善が、歩行速度と歩行の空間変数のいくつかに見られました。

 

●WernigとMullerはトレッドミルウォーキングを6週間から20か月間使用して、40%のBWSから始めて、慢性期の不完全脊髄損傷患者8人を訓練しました。トレーニングの終わりまでに、下肢屈筋と伸筋の筋電図活動が歩行中に増加したが、仰臥位で測定した場合は増加しなかったと報告しました。

 

脳卒中患者におけるBWSトレッドミル歩行

 

●18名の慢性片麻痺患者で床歩行と免荷 0%・15%・30%のトレッドミル歩行を比較し、免荷の程度に関係なくトレッドミル歩行中の荷重の対称性が高いことを発見した。また、免荷のパーセンテージの増加に伴い、位相のずれた足の底屈筋活動と抗重力筋活動の両方の減少を観察した。望ましくない減少を避けるため、片麻痺患者の歩行を促進するため免荷の上限を30%にすることを推奨した。

 

●Hassidらはステッピング中の脳卒中患者の四肢の免荷量が15%で最適化されることを発見した。15%の免荷により、歩行神経回路網に最も効果的なステップ関連の感覚フィードバックが得られる事が示唆された。

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●脳卒中患者のBWS歩行の免荷量は15~30%が上限であることが示された。他論文でも免荷量が25%で最大歩行速度の1.2倍が良いという報告もある。余分な免荷により、感覚feedbackや股関節荷重の低下などマイナス面を作らないよう気をつける必要もあると思われる。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

 

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