vol.125:脳卒中患者のリーチ動作練習の効果    脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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vol.125:脳卒中患者のリーチ動作練習の効果    脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー

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カテゴリー

バイオメカニクス

 

 

 

タイトル

脳卒中患者のリーチ動作練習の効果Sitting training early after stroke improves sitting ability and quality and carries over to standing up but not to walking: a randomised trial.?PubMedへ Dean CM.et al.(2007) 

 

 

 

本論文を読むに至った思考・経緯

•多くの臨床の現場で用いられるリーチ動作練習が結果としてどのような効果を上げているのか興味を持ち、本論文に至る。

 

 

 

論文内容

研究背景・目的

 

•座位能力は、座った姿勢を保持する能力だけでなく、何か物を取る等BOSを超え様々な物にリーチしていくような能力も含まれる。この能力は、脳卒中後の患者様にとって自立した生活を行う為に不可欠なスキルである。本論文は、脳卒中後早期の座位練習のタスクの違いにより効果に差があるか、また立位や歩行など他の能力に持ち越しされるかを研究した論文である。また、訓練を終了してから6ヶ月間維持されているか調査した。

 

 

 

研究方法

 

•参加者は脳卒中後3ヵ月未満の介助なしに座位保持ができる12人の患者である。

 

•実験グループは、リーチ動作練習を含む2週間の座位訓練を行った。対照群は、2週間の擬似的な座位訓練を完了した。これは、腕の長さの範囲内での認知操作を行うことを含んでいる。

 

•主に座位保持能力(最大リーチ距離)を調査した。副次的に座位の質(①麻痺側下肢方向へのリーチ動作の目標までの到達時間②麻痺側下肢の最大垂直力)、10m歩行テスト中の立ち上がり動作の麻痺側下肢の最大垂直力および歩行速度を調査した。結果は、訓練の前後および6ヵ月後にとられた。

 

研究結果

 

•2週間の訓練後、実験群はリーチ動作において最大到達距離を0.17m増加し、0.5秒移動時間を短縮し、麻痺側下肢の最大垂直力を体重の13%増加させた。立ち上がり動作時に対象群と比較し荷重量の21%増加を示した。

 

•6ヶ月後、最大リーチ距離と立ち上がり時の麻痺側下肢の最大垂直力の維持に関し有意差を示した。しかし、リーチ動作時の麻痺側下肢を通る最大垂直力とリーチ到達にかかる時間は6か月後に有意差がなかった。

 

•立ち上がりでは2週間および6ヵ月の訓練後に、実験群は対照群と比較し麻痺側下肢の最大垂直力を増加させた。

 

•2週間または6ヵ月の訓練後の10m歩行試験中の歩行速度に有意差はなかった。

rbb

 

他論文からの追記

 

•同様の実験が脳卒中後1年以上経過した患者で行われている。リーチ練習を含む座位訓練プログラムに参加した被験者は、練習を行わないCON群と比較し、より早くリーチを行い、麻痺側下肢への荷重量を増加させ、麻痺筋の活性化を増加させることができた。sit to standでの改善が見られた。Task-related training improves performance of seated reaching tasks after stroke.A randomized controlled trial.Dean CM. et al(1997)

 

•脳卒中患者において様々な知覚入力の座位バランストレーニングを行ったグループと知覚入力なしに練習を行ったグループでは、訓練後に双方がバランスおよび生活の質において有意に改善したが、実験群においてより有意な改善が見られた。⇒Effect of sitting balance training under varied sensory input on balance and quality of life in stroke patients . Ibrahimi N et al.(2010)

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

•座位は、基本的に足部(下肢)よりも殿部側に重心が位置する。リーチ動作は、重心を殿部から足部へ移し、その先にある目標物へ手を伸ばす動作のため、足部へ重心を移す練習となり、vertical forceも増すことが促されることが推察され、それを行わない群とは差が出るのは当然と思われる。

 

•しかしただ単にリーチすることは、立位や歩行の構成要素が考えられておらず、それらを変化させる練習にはならない。

 

•患者の立位や歩行で評価した機能的問題を解決することを意図したリーチ練習や身体の機能的リンクを意識したリーチ練習等、練られたリーチ動作であれば、立位や歩行の結果はもう少し変わるのではないかと思われる。

 

 

 

氏名 覚正 秀一

職種 理学療法士

 

 

 

 

 

 

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