vol.286:座り方と下肢皮膚温 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
異なる座り方による下肢温度の違い
Effects of different sitting positions on skin temperature of the lower extremity?PubMed
Seung Namkoong J Phys Ther Sci. 2015 Aug; 27(8): 2637–2640.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・利用者様の座位が崩れていることは多い。また下肢が異常に冷たく、血流不良を示唆していることも多く経験する。座位の違いから下肢の温度の違いを調べた論文を見つけ、興味深いため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・現代人はライフスタイルの変化から座位時間が増えていると言われている。
・足を組んで座ることも多いが、血流量の低下から皮膚温の低下が生じるのではないかと仮説を立てた。したがって本研究は足を組んだ座位による皮膚温や血流率の変化を検証する。
方法
・23名の健常成人
・サーモグラフィーを用いて皮膚温と血流率を計測した。
・膝(膝蓋骨)、脛骨、足部前面の3か所を比較した。
・足を組んだ座位は①ULC(両大腿が接触)②AOK(一側の踵が他側の膝に接触)の2つとし、これに通常の座位③を加えたの3条件を比較した。
・一つの姿勢を30分続けるよう指示した。
図:実験概略 Seung Namkoong (2015)より引用
結果
表:実験結果 Seung Namkoong (2015)より引用
・皮膚温の有意な低下が生じたのは①の上側の下肢の脛骨部・足部前面、③の両側脛骨部だった。
私見・明日への臨床アイデア
足を組んだ座位では上側の下肢の血流が乏しくなることがわかった。下肢を組まなくても血流低下を示しており、利用者様の座位姿勢を改めて評価する必要があると思われる。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)