【2026年版】ブルンストロームステージとは?Brunnstrom Stage・BRS評価・片麻痺リハビリを動画と図で解説
共同運動の理解が、ブルンストロームステージ評価のすべてを決める。
ブルンストロームステージは、脳卒中後の運動回復を6段階で評価する60年以上使われ続ける定性的スケールです。「共同運動パターンからどこまで離脱できているか」を見抜けるかどうかで、評価の精度もその後の治療戦略も大きく変わります。本記事では原著の手順に上田式12段階評価を補い、新人セラピストがつまずきやすい判定の境界線まで踏み込んで解説します。
— ブルンストロームステージの評価手順を実演した動画です
詳しい手順やエビデンスは後半(05章)で解説します。ここでは「どう評価し・何を見て・どう判定するか」の全体像だけを先に押さえます。
ステージ3から検査する。共同運動で明確な関節運動が出るかをまず確認
関節運動の有無で分岐する。あり→ステージ4・5・6/なし→ステージ1・2
上肢→手指→下肢の順に、必ず独立して判定する。部位間でステージが異なるのが通常
ブルンストロームステージが測っているのは「筋力」でも「重症度スコア」でもなく、共同運動パターンからどれだけ離脱できているかという質的な回復段階です。ステージⅠ〜Ⅱは脳の指令がほぼ届かない段階、Ⅲは指令が届いても屈曲か伸展の「セット売り」でしか動けない段階、Ⅳ以降はそのセットを崩し個別の筋を選択的に動かせるようになる段階——この一貫した物語を頭に入れておくと、境界事例での判定に迷いにくくなります。

| Stage | 上肢 | 手指 | 下肢 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ・Ⅱ | 3部位共通:随意運動なし。非麻痺側への抵抗で麻痺側に筋収縮(連合反応)が出れば Ⅱ、出なければ Ⅰ | ||
| Ⅲ | 耳に触れる/膝間の手に触れる | 集団屈曲 or 鍵握り | 股・膝屈曲+足背屈の共同運動 |
| Ⅳ | 3種のうち1つ(背中に手を回す等) | 横つまみ+部分伸展(両方) | 膝90°屈曲 or 足背屈(どちらか) |
| Ⅴ | 3種のうち1つ(肘伸展位で肩90°外転等) | 対向つまみ+集団伸展(両方) | 股伸展位で膝屈曲 or 立位で足背屈 |
| Ⅵ | スピードテストで非麻痺側の1.5倍以内 | あらゆる把持パターンが可能 | 骨盤挙上を超えた股外転 or 距骨下関節の反復運動 |
※角度・時間などの詳しいカットオフ値と出典は05章(評価尺度と採点基準・完全版)で解説します。
要点5項目。
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臨床現場でこう出会う。
68歳男性。右被殻出血発症後3週間(回復期)で左片麻痺。BRS上肢Ⅲ・手指Ⅱ・下肢Ⅲ、FIM運動項目42/91点。主訴は「腕が全然動かせない、いつになったら良くなるのか」という焦りの強い訴え。
初回評価所見:左上肢は肩関節の屈筋共同運動パターンでの関節運動は出現するが分離運動は認めず、表在覚は軽度鈍麻、認知機能は概ね保たれている(MMSE 27/30)。
新人セラピストがこの場面で最初に直面するのは「今の状態をどう言語化するか」という壁です。「重度片麻痺」だけでは、担当を引き継ぐ他職種にも患者本人にも状態が伝わりません。ブルンストロームステージは、この状態を「上肢Br.Ⅲ・手指Br.Ⅱ・下肢Br.Ⅲ」という共通言語に変換し、カルテ記載・多職種カンファレンス・治療方針決定のすべてに使える評価軸です。
本記事では、この石川さん(仮名)のようなケースを想定しながら、ステージ判定の手順・判定基準・臨床的解釈・よくあるエラーまでを実践的に解説していきます。
定義と概要。
ブルンストローム・アプローチは、1960年代にスウェーデン出身の理学療法士シグネ・ブルンストローム氏によって開発されました[1]。脳卒中を発症すると脳と体の連携が崩れ、筋肉は「異常な共同運動(synergy pattern:複数の筋がセットで働き、個別には動かせないパターン)」で動くようになります。従来法がこの異常パターンを抑制しようとするのに対し、ブルンストローム・アプローチは異常パターンを回復の踏み台として活用するという発想が特徴です。
① 評価法としての利用が主流:現在は評価スケールとしての使用が中心で、治療アプローチとしては相対的に古典的な位置づけになりつつあります。
② 原著の記載は「手順」中心:原著には厳密な判定基準の記載が限られ、参考書ごとに解釈が異なる原因になっています。
③ 上田式との補完関係:本記事は連合反応・スピードテストなど原著に不足する部分を上田式12段階片麻痺運動機能評価[2]で補い、精度の高い評価手順を示します。
6段階の全体像と回復プロセス
ブルンストロームステージはⅠ〜Ⅵの6段階で構成され、弛緩→共同運動出現→共同運動からの分離→正常化という一方向の回復プロセスを前提とします。この前提には後述する例外もありますが(09章参照)、まずは基本構造を押さえます。
| ステージ | 共通的特徴 | 神経学的意味 |
|---|---|---|
| Ⅰ 弛緩性麻痺 | 随意運動なし・連合反応なし・筋収縮なし | 皮質脊髄路の遮断。脊髄レベルの反射も抑制 |
| Ⅱ 連合反応の出現 | 随意運動なし・連合反応あり | 脊髄・脳幹レベルの反射回路が解放され始める |
| Ⅲ 共同運動の出現 | 屈筋・伸筋共同運動での随意的関節運動 | 皮質脊髄路の一部回復。分離運動は不可 |
| Ⅳ 部分離脱 | 共同運動パターンから外れた動きが一部可能 | 皮質からの選択的制御が回復し始める |
| Ⅴ 独立 | 共同運動に依存しない分離運動が可能 | 選択的制御が広範に回復 |
| Ⅵ ほぼ正常 | 個別の関節運動が自在。速度もほぼ正常 | 運動制御の正常化。巧緻性低下が残ることも |
肩関節:外転・外旋/肘関節:屈曲/前腕:回外/手指:屈曲(握り込み)
肩関節:内転・内旋/肘関節:伸展/前腕:回内
屈筋共同運動:股関節屈曲・外転・外旋+膝屈曲+足関節背屈/伸筋共同運動:股関節伸展・内転・内旋+膝伸展+足関節底屈
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STROKE LABは脳卒中・パーキンソン病などの神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。障害名や発症からの期間を問わず、評価に基づいた個別プログラムをご提案します。
神経メカニズムを運動学から捉える。
ステージⅠ〜Ⅱは脳からの指令がほぼ届かない段階。ステージⅢは指令が届いても屈曲か伸展の「セット売り」でしか動かない段階(=共同運動)。ステージⅣ以降はこのセットを崩し、個別の筋を選択的に動かせるようになる段階です。

筋シナジー研究が示す回復段階の生理学的裏付け
この「共同運動からの離脱」という臨床的な観察は、筋電図を用いた筋シナジー研究でも裏付けられています。
Li S, et al. [観察研究]:脳卒中患者35名(BrStageⅢ〜Ⅵ)と対照群25名を対象に、肩90°屈曲の前方リーチ課題中の7筋の筋電図を解析[6]。脳卒中群では大胸筋の活性化増加と上腕三頭筋の活性化減少が特徴的でした。
臨床的意義:筋シナジーの類似性はBrStageと有意に相関し、BrStageⅣ・Ⅴの患者は対照群と同等の筋シナジーを使用していました。これはステージⅣ以降で課題指向型アプローチを積極導入する神経生理学的な根拠になります。
評価法としての鑑別:他スケールとの違い。
ブルンストロームステージは「診断」のためのツールではなく「運動機能回復の段階」を捉える評価スケールです。似た目的を持つ評価法や病態との違いを理解しておくと、選択ミスや解釈の誤りを防げます。
| 鑑別対象 | 共通点 | 鑑別ポイント | 参考検査 |
|---|---|---|---|
| Fugl-Meyer Assessment | 脳卒中後の運動機能を定量評価 | 155項目・226点満点で微細な変化も検出。実施30〜45分 | Fugl-Meyer 1975[3] |
| 末梢神経麻痺(腕神経叢麻痺等) | 上肢の随意運動低下・脱力 | レイミステ反応などの連合反応は上位運動ニューロン障害に特徴的で、末梢性では原則出現しない | 連合反応検査・深部腱反射 |
| 失調症(協調運動障害) | 動作のぎこちなさ・巧緻性低下 | 失調は筋力・分離運動が保たれても協調性が破綻する点が異なる。共同運動パターンの固定は伴わない | SARA・指鼻試験 |
| 廃用性筋力低下 | 随意運動の減弱 | 廃用では共同運動パターンへの固定がなく、関節可動域全体で均等に筋力が低下する | 徒手筋力検査(MMT) |
評価尺度と採点基準(完全版)。
検査はすべて随意運動で行います。最大の効率化ポイントは「ステージ3を起点とした分岐評価」です。

上肢の採点基準(項目・カットオフ・解釈)
| 項目 | 採点基準 | カットオフ値(上田式補完) | 解釈 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ・Ⅱ 連合反応 | 背臥位で非麻痺側上肢に抵抗、麻痺側大胸筋の筋収縮を触診 | 筋収縮あり=Ⅱ/なし=Ⅰ | 脊髄・脳幹反射回路の解放度 |
| Ⅲ 共同運動 | 耳に手を触れる(屈筋)/膝間の検査者手に触れる(伸筋) | 明確な関節運動の有無 | 皮質脊髄路の部分回復 |
| Ⅳ 部分離脱 | 手を腰に回す/肘伸展位で肩90°屈曲/肘90°屈曲位で前腕回内外 | 脊柱5cm以内到達/肩屈曲60°以上・肘屈曲20°未満/回内50°以上 | 3種のうち1つでクリア |
| Ⅴ 独立 | 肘伸展位で肩90°外転/肘伸展位で肩180°屈曲/肩90°屈曲位で前腕回内外 | 外転60°以上/屈曲130°以上/回外50°以上 | 3種のうち1つでクリア |
| Ⅵ 速度正常化 | 肩屈曲130°以上・肘伸展の反復動作を10回、麻痺側/非麻痺側で時間比較 | 非麻痺側の1.5倍以内 | 速度面でのほぼ正常化 |
手指・下肢の採点基準
| 部位・ステージ | 採点基準 | 解釈 |
|---|---|---|
| 手指Ⅲ | 全指の集団屈曲、または鍵握り(lateral pinch) | どちらか一方で達成 |
| 手指Ⅴ | 対向つまみ+全指の集団伸展 | 両方できて達成。完全伸展は不要 |
| 手指Ⅵ | 球握り・筒握り・腹側つまみ・鈎握り・重量把持・母指対立 | すべて可能で達成。1つでも不可ならⅤ |
| 下肢Ⅴ | 股関節伸展位での膝屈曲(45°以上)、または立位で足関節背屈(5°以上) | 支持物を使用可。バランス評価ではなく分離運動の評価 |
信頼性[観察研究]:Huang et al.は医療記録N=1180件をRasch分析し、上肢項目・総合運動項目のRasch信頼性が0.91〜0.92と高いことを報告しました[4]。
反応性[観察研究]:同研究では、入院時・退院時の変化に対する効果量(ES)0.35〜0.41、標準化反応平均(SRM)0.85〜0.99を報告し、STREAM(既存の反応性検証済み尺度)と同等の反応性を確認しています[4]。
客観的検証[観察研究]:Chen et al.はウェアラブルセンサーを用いた下肢BRSの解釈可能な自動評価モデルを開発し、臨床評価との高い一致率を報告しています[5]。MCID(臨床的最小変化量)はBRS単独では確立されておらず、変化の臨床的意味づけにはFMAなど定量指標の併用が推奨されます。
介入のエビデンス。
ステージ判定は「今どんな介入が適切か」を決めるための出発点です。ここではステージと対応させながら、実際にパラメータが明示されている介入エビデンスを紹介します。
随意運動の出現前段階。ポジショニングと感覚入力を中心に、連合反応の出現有無を定期的にモニタリングします。
共同運動パターンを安全に随意化させ、次段階の分離運動獲得への土台をつくります。
Alsubiheenらの慢性期脳卒中患者33名を対象としたRCTでは、課題指向型ADLトレーニングを1日45分・週5回・8週間実施し、麻痺側の手指機能(MFT)とBox and Block Testが対照群(通常OT)と比較し有意に改善しました[8]。
Parkらは発症後6か月以上のBrStageⅣ慢性期患者30名(介入群15名・対照群15名)に4週間のミラーセラピーを実施しました[7]。
結果[単独RCT]:ミラー群は対照群と比較し、FMA上肢・Box and Block Test・FIMの全項目で有意な改善を示しました[7]。
臨床的意義:BrStageⅣという「ある程度回復した段階」でも視覚フィードバックによる運動錯覚が有効であり、回復のプラトーを決めつけず積極介入を継続する根拠となります。

同じステージでも、そこから先の伸びしろは人によって大きく異なります。STROKE LABでは評価に基づいた個別プログラムで、慢性期の方にも積極的なアプローチを提供しています。
多職種連携と環境調整。
ブルンストロームステージを「共通言語」として使う
「上肢Br.Ⅳ・手指Br.Ⅲ・下肢Br.Ⅴ」という表記は、専門用語を知らない職種にも伝わりやすく、多職種カンファレンスでの情報共有を大きく効率化します。
「ステージだけを口頭で伝えても、看護師さんには重症度のイメージが湧きにくいことがあります。『下肢Ⅲなので、まだ立位で膝折れのリスクが高い』のように、ステージ+具体的なリスクをセットで伝えると連携がスムーズになります。」
「装具処方の相談を医師にする時も、下肢のステージと足関節背屈の分離度を伝えると、AFOのタイプ選定がスムーズに進みます。」
| 職種 | 評価項目 | 主な介入内容 | 連携ポイント |
|---|---|---|---|
| PT | 下肢Br.、歩行分析、バランス | 立位・歩行の課題指向型訓練、装具適合の提案 | 下肢ステージをOT・看護師と共有し転倒リスクを統一認識化 |
| OT | 上肢・手指Br.、ADL動作分析 | 把持動作の課題指向型訓練、自助具の選定 | 手指ステージから食事・整容動作の自立度を予測しPTと共有 |
| ST | 構音・嚥下・高次脳機能 | 摂食嚥下訓練、コミュニケーション支援 | 運動性の重症度(Br.低値)は疲労耐性にも影響するため訓練時間を調整 |
| 看護師 | 病棟内ADL自立度、転倒リスク | 病棟でのADL場面での運動の実践的介助 | 訓練室で獲得した動作を病棟生活へ汎化するための橋渡し役 |
| 医師 | 病態全体、痙縮、装具処方判断 | 装具・痙縮治療の処方、リハビリ方針の承認 | ステージの経時変化を報告し治療方針変更の判断材料を提供 |
| MSW | 退院後の生活環境、社会資源 | 退院支援、介護保険サービスの調整 | 見込まれる最終ステージから必要な介護度・住環境改修を逆算 |
つまずきポイントと臨床判断のコツ。
評価用紙の手順通りに動作を確認しても、境界事例で判定に迷うことは珍しくありません。ここでは新人セラピストが特に陥りやすい3つのつまずきを紹介します。

ステージ4とステージ5、境界の見極め方
「ステージ4の動作は『体に近い範囲での非定型パターン』、ステージ5の動作は『体から離れた範囲での完全な分離運動』と覚えると区別しやすいですよ。背中に手を回す(Ⅳ)と、肘を伸ばしたまま肩を横に上げる(Ⅴ)を比べると、後者のほうが共同運動から完全に外れているのがわかるはずです。」
予後とゴール設定。
ブルンストロームの原著では回復は一方向の段階を辿ることを前提としますが、実臨床では例外も知られています。①軽症例ではステージⅠやⅢが短期間で通過し、実質的にⅣ・Ⅴから評価可能なケース、②特定ステージでのプラトー、③前述した部位間のステージ差、の3つが代表的です。
ブルンストロームステージ単独では発症早期の予後予測に限界があります。Stinearらが開発したPREP2アルゴリズムは、SAFEスコア(Shoulder Abduction and Finger Extension)・NIHSS・経頭蓋磁気刺激(TMS)によるMEP(運動誘発電位)の有無・年齢を組み合わせて上肢予後を4段階に予測します[9]。2024年の外部検証研究(n=117)では、認知機能障害を併存する症例で予測精度が急性期75%から回復期には低下することが報告されており[10]、失語症や半側空間無視を伴う症例では予後予測により慎重な解釈が必要です。
石川さんのケース(01章)のように焦りが強い患者には、ステージが1段階進むごとに得られる生活場面での変化(例:食事の際の皿の保持、立ち上がり時の支持など)を具体的に伝えることで、抽象的な段階名よりも実感を持ってもらいやすくなります。
よくある質問。
効率的な分岐評価のためです。ステージ3では共同運動で明確な関節運動が生じるかを確認し、生じればステージ4以上、生じなければステージ1・2の評価へ戻ります。この順序により、多くの患者で背臥位への体位変換なしに5〜10分で評価が完了します。ステージ3の検査中に肩関節周囲を触診しておくと、関節運動がなくても筋収縮の有無でステージ2を識別でき、体位変換を省略できることもあります。
原著(Brunnstrom, 1970)は評価「手順」が中心で、角度の閾値や時間基準、代償の許容範囲などの厳密な判定基準は明記されていません。そのため各参考書・施設で独自の解釈が加わり記載に差が生じます。本記事では上田式12段階片麻痺運動機能評価で原著に不足する部分を補完し、具体的な角度基準を示しています。施設間で基準を統一する場合は上田式の併用が推奨されます。
核心は「共同運動パターンからの離脱度」です。ステージ4は共同運動の一部を崩した動きが体に近い範囲で出始める段階、ステージ5は共同運動にほとんど依存しない分離運動が体から離れた範囲で可能になる段階です。肘伸展位での肩90°外転のように通常のパターンを完全に崩す動きが可能ならステージ5と判断します。
ステージ5は対向つまみと全指の集団伸展の2つが可能であれば達成です。ステージ6は球握り・筒握り・腹側つまみ・鈎握り・重量把持・母指対立などあらゆる把持パターンが可能であることが条件で、1つでもできなければステージ5にとどまります。臨床的には鈎握りや重量把持の弱さが残っている場合はステージ5と判定します。
ブルンストロームは5〜10分で完了する定性的スクリーニングに適し、重度運動障害の段階識別に優れます。FMAは155項目・最大226点の定量評価で30〜45分を要し、介入効果の統計的検証やステージ4以降の微細な変化検出に適します。まずブルンストロームでスクリーニングし、詳細評価が必要な場合にFMAを追加する使い方が実践的です。
原著にステージ6の具体的な時間基準の記載はなく、この基準は上田式12段階片麻痺運動機能評価に基づきます。麻痺側と非麻痺側の反復動作時間を比較し、1.5倍以内であれば速度面でもほぼ正常化したと判定します。非麻痺側にも個人差があるため、絶対的な秒数ではなく非麻痺側との比で判定することが重要です。
STROKE LABのプログラム。
STROKE LABは、脳卒中・パーキンソン病などの神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。障害名や発症からの期間を問わず、ブルンストロームステージをはじめとした精密な評価に基づき、お一人おひとりに合わせたプログラムをご提案しています。
「担当した回復期の患者さんが上肢Br.Ⅲで停滞していた時期、共同運動パターンの触診評価を毎回丁寧に行い、肩周囲の筋収縮の変化を記録し続けました。ある週、伸筋共同運動での肘伸展がわずかに触知できるようになり、そこから課題指向型の訓練内容を微調整したところ、1か月後にはⅣへ移行できました。数値化しづらい小さな変化を評価で拾い続けることの大切さを実感した経験です。」— 理学療法士・臨床経験8年・脳卒中リハビリ専門
「手指Br.Ⅳの患者さんで、対向つまみの獲得を焦って自主トレの負荷を急に上げてしまい、痙縮が強まってしまった経験があります。以降は毎回のステージ確認と併せて筋緊張の変化も必ずチェックし、負荷は前回の達成度から一段階ずつ上げるよう徹底しています。評価は治療の『前』だけでなく『最中』にも常に行うものだと学びました。」— 作業療法士・臨床経験6年・回復期病棟勤務
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諦めないでください。

私はかつて10年以上、脳卒中や神経系リハビリの最前線で臨床に携わってきました。退院後にリハビリの機会を十分に得られず、「もうこれ以上良くならない」と諦めざるを得ない方々をたくさん見てきました。
ブルンストロームステージがⅢで停滞しているように見えても、評価を丁寧に重ね、適切な介入を続けることで変化が生まれる方をこれまで数多く見てきました。
STROKE LABでは、精密な評価に基づいたリハビリで、諦めない社会をつくっていきたいと考えています。
代表取締役 金子 唯史
参考文献。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)