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Vol.600.Kager’s fat pad(脂肪体)の動きに対する長母趾屈筋の筋収縮の重要性

 

 

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カテゴリー

 

バイオメカニクス、下肢

 

タイトル

●kager’s fat padの機能解剖

 

●原著はThe functional anatomy of Kager’s fat pad in relation to retrocalcaneal problems and other hindfoot disordersこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●脳卒中患者では痙縮や不活動等により足部の循環障害を生じやすい。そのケアの箇所としてfatpad脂肪体が挙げられる。より効率的な足部ケアが出来るよう基本的な機能解剖を学びたいと思い本論文に至る。

 

内 容

 

Kager’s fat pad(アキレス腱前脂肪体)の基礎

図参照:The functional anatomy of Kager’s fat pad in relation to retrocalcaneal problems and other hindfoot disorders

 

●Kager’s fat pad(アキレス腱前の脂肪体)は、Kager’s triangle内に存在する脂肪組織の塊です。

 

●X線写真では、前方に長母趾屈筋(FHL)、後方にアキレス腱、下方に踵骨に囲まれた、境界のはっきりした領域として表示されます。

 

●足関節はその三角形の前下に位置し、後側では踵骨の滑液包と連続しています。

 

●三角形は、足関節、アキレス腱、FHLの腱の問題を評価する際の基準フレームとしてよく知られた放射線学的ランドマークです。

 

●脂肪体に注目が集まらないのは、その機能的意義や、その力学的変化が足関節後方の損傷や病理に影響を与えるかどうかについての理解が不十分であることを反映していると思われます。

 

Kager’s fat padは可変的で足関節底屈時に踵骨後方の滑液包内に移動することで、アキレス腱挿入部に力学的優位性を与えることが示唆されています。滑液包に入ることで、脂肪が腱のレバーアームを増加させると考えられています。

 

 

Kager’s fat padと長母趾屈筋の関係性

 

●Kager’s fat padは踵骨の動きで持ち上げられ、脛骨の後面と長母趾屈筋の収縮した筋腹の両方に接触します。脂肪体は筋収縮により関節包に押し込まれます。つまり長母趾屈筋の筋腹は「脂肪体のモーターユニット」として機能します。

 

●本論文ではアキレス腱と踵骨間の挿入角度が底屈時に増加する際に、Kager’s fat padの踵骨滑液包のウェッジの動きが踵骨の後方の滑液包内の圧力変化を最小化することを提案しています。

●足関節底屈時にアキレス腱と骨との間の挿入角度が大きくなると、滑液包が移動することを説明できるメカニズムは3つあると思われる。

(1) 踵骨の上方への変位に伴う受動的な動き

(2) 圧力変化を最小限に抑えるために脂肪が滑液包に「吸い込まれる」

(3) 筋収縮によって脂肪が滑液包に押し込まれるつまりFHLの筋腹が「脂肪パッドモーターユニット」として機能するというもの

 

●足底屈時に起こる踵骨の上方への動きと、アキレス腱の挿入角が開くことで、滑液包はむしろ滑液包の方に移動するはずで、踵骨の動きによってKager’s fat padが持ち上げられ、脛骨の硬い後面と硬く収縮したFHLの筋腹の両方に接触するようになります。これにより、この受動的なシステムの効率が高まります。

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●脳卒中患者では筋腱の可動性を出そうと思った時に脂肪体レベルから滑走性が低下している方は多い。脂肪体は脂肪のため熱で溶けやすいです。運動や徒手による摩擦で変化を出せると思われる。その脂肪体の動きを適切に引き出すために長母趾屈筋をはじめ筋収縮が重要であるあることが示唆された。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

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