【2026年版】低栄養が筋力低下に与える影響とは?リハビリで重要な栄養管理と評価指標を徹底解説 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】低栄養が筋力低下に与える影響とは?リハビリで重要な栄養管理と評価指標を徹底解説

Stroke Rehabilitation — Malnutrition & Musculoskeletal Management
“

低栄養は、なぜリハビリの効果を奪うのか。

脳卒中患者における低栄養は、筋萎縮・骨密度低下・全身性炎症を同時進行させ、リハビリの土台そのものを壊します。本記事では、栄養評価・多職種連携・運動療法の統合的アプローチを新人セラピストが現場で即実践できるよう体系化しました。

UPDATED2026
READ約15分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

Prevalence
49%
脳卒中入院患者のうち低栄養または低栄養リスクを有する割合(Foley et al., 2009)
Muscle Loss
7日
入院後わずか7日間で、栄養状態にかかわらず外側広筋の羽状角が低下(Ferro et al., 2020)
Protein Target
1.2–2.0g/kg/日
筋肉量維持に必要なたんぱく質摂取量の推奨値(ESPEN ガイドライン 2023)

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
低栄養スクリーニングにはMNA(高齢者)またはNRS-2002(入院患者全般)を使用し、入院初日に実施する。
02
血液検査の目安:アルブミン <3.5g/dL、プレアルブミン <17mg/dL で低栄養を疑い、管理栄養士と情報共有する。
03
目標栄養量は体重あたりエネルギー25〜30kcal/kg/日、たんぱく質1.2〜2.0g/kg/日を基本とする。
04
低栄養時の運動は低負荷・高回数を原則とし、運動直後30分以内にたんぱく質+糖質を補給する。
05
嚥下障害合併例ではSTが食形態を決定するまでリハビリの強度を上げず、NST(栄養サポートチーム)カンファレンスを活用する。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
70歳男性、右片麻痺。BMI 18.0、アルブミン 3.0 g/dL。食事摂取量は4割程度。

「歩行練習を開始したが、すぐに疲れて座り込んでしまう。」「嚥下障害があって食事が進まない」――このような患者を担当したとき、単に「運動量が足りない」と捉えていませんか?

実は低栄養による筋分解と全身性炎症が進行しており、負荷をかけるほど逆効果になっているケースが少なくありません。まず栄養状態を評価する習慣が、回復の鍵を握ります。

脳卒中患者は入院直後から複数の要因が重なり、栄養状態が急激に悪化します。嚥下障害・意識障害・食欲低下・高次脳機能障害に加え、侵襲による異化亢進(体のタンパク質を分解してエネルギーを得ようとする状態)が続くためです。

新人セラピストが「なぜこの患者のリハビリ効果が出ないのか」と悩む背景に、低栄養が隠れていることが非常に多くあります。本記事を通じて、リハビリの前提として栄養を「読む」視点を身につけましょう。

02
Definition & Epidemiology

低栄養の定義と疫学。

低栄養とは、「必要な栄養素の摂取量が不足し、身体機能・組織の維持に支障をきたしている状態」です。脳卒中患者では特に、食欲低下・嚥下障害・消化管機能低下が複合することで発症リスクが高まります。

Epidemiology
脳卒中患者の約49%が低栄養または低栄養リスクを抱えている。

Foley NC ら(Stroke, 2009)によるシステマティックレビューでは、脳卒中急性期・回復期患者の栄養状態を解析した結果、約49%が低栄養またはそのリスク状態にあることが示されました。(エビデンスレベル:システマティックレビュー)

また、低栄養がある患者は転帰不良・入院期間延長・感染症リスク増大と強く関連することも報告されています。リハビリスタッフが栄養に無関心でいることは、臨床的に許容されない時代になっています。

脳卒中後に低栄養が生じやすい3つの理由

01
嚥下障害(摂取不足)ST連携必須

嚥下障害(食物を安全に飲み込めない障害)は脳卒中後の約30〜50%に発生し、経口摂取量が著しく低下します。食形態の調整なしに経口摂取を続けると誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

02
侵襲による異化亢進(消費増大)急性期特有

脳梗塞・脳出血の急性期は全身性炎症が亢進し、体のたんぱく質・脂肪を分解してエネルギーを生み出す「異化」が優位になります。通常より多くのエネルギーが消費されるため、同じ摂取量でも不足に陥りやすい状態です。

03
高次脳機能障害・うつ(食行動の障害)OT・心理連携

注意障害・半側空間無視・失行症があると「食べることの動作」自体が難しくなります。また、脳卒中後うつ(発症率約30%)による食欲低下も栄養不足の大きな原因です。

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STROKE LABでは、栄養状態と運動機能を同時に評価しながら、一人ひとりの回復目標に合わせたリハビリプランをご提案します。退院後も「もっとよくなりたい」というご要望に、専門スタッフが丁寧にお応えします。

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03
Pathophysiology

筋骨格系への影響メカニズム。

Mechanism
低栄養は「筋の量・質・骨・関節」の4つを同時に壊す。

栄養素の不足は単に「痩せる」だけでなく、筋タンパク合成の低下・筋内脂肪増加・骨密度低下・慢性炎症の増悪という4つの経路で筋骨格系を障害します。これらが複合することでリハビリの回復速度が著しく低下します。

①筋の萎縮とサルコペニア

サルコペニア(加齢や疾患による骨格筋量・筋力の低下状態)は、低栄養で急速に進行します。特に速筋線維(瞬発力に関わるタイプ2筋線維)が先に萎縮するため、立ち上がりや歩行開始動作が困難になります。運動耐性の低下はリハビリの継続自体を妨げます。

②羽状角の低下(筋の質的劣化)

羽状角(筋線維が腱に対して付着する角度)が大きいほど、同じ体積の筋でも発揮できる力が大きくなります。Ferro Y. ら(Clinical Nutrition, 2020)は内科病棟入院高齢者68名を対象に、MNA(後述)による栄養3群を比較した結果、栄養不良群では外側広筋の羽状角・筋厚・握力がいずれも有意に低値を示し、多変量解析でも栄養状態が羽状角に影響する唯一の有意な因子であることを示しています。

EVIDENCE
Ferro Y. et al. Impact of Nutritional Status on Muscle Architecture in Elderly Patients Hospitalized in Internal Medicine Wards. Clinical Nutrition. 2020.

対象:内科病棟入院高齢者68名。MNAスコアで栄養良好群・リスク群・栄養不良群の3群に分類。

主な結果:栄養不良群では筋厚・羽状角・握力がいずれも有意に低値。多変量解析で栄養状態が羽状角の唯一の有意な規定因子。

重要な知見:入院後7日間はすべての群で羽状角が低下。栄養状態にかかわらず、入院そのものが筋構造を変化させる可能性が示された。

エビデンスレベル:観察研究(前向きコホート)。DOI: 10.1016/j.clnu.2020.06.018

③骨密度の低下と骨粗鬆症

ビタミンD・カルシウム不足が続くと骨の脆弱化が進みます。脳卒中後は麻痺側の廃用による骨吸収も重なるため、転倒リスクと骨折リスクが著しく高まります。特に大腿骨近位部骨折は機能回復の大きな妨げとなります。

④慢性炎症の増悪と筋内脂肪増加

低栄養は炎症性サイトカイン(IL-6・TNF-α)の産生を促進し、全身性炎症を悪化させます。同時に筋内脂肪(筋線維の間に脂肪が浸潤する状態)が増加し、力発揮の効率が低下します。これは「見た目は痩せているのに体脂肪率が高い」状態を生みます。

04
Differential Diagnosis

鑑別:サルコペニアとフレイル。

低栄養・サルコペニア・フレイルは重なり合う概念ですが、それぞれ定義と評価方法が異なります。適切な介入を選択するために、正確な鑑別が重要です。

概念 主な定義・基準 代表的評価ツール 主な介入
低栄養 エネルギー・栄養素の摂取不足状態。BMI <18.5、体重5%以上の急激な減少など MNA、NRS-2002、血液検査(Alb、PA) 栄養補給(ONS・経管・TPN)、食形態調整
サルコペニア 骨格筋量低下+筋力低下(±身体機能低下)の複合。AWGS2019基準が日本で広く用いられる SARC-F(≥4点で疑い)、握力、BIA、歩行速度 レジスタンストレーニング+たんぱく質補給
フレイル 体重減少・疲労感・筋力低下・歩行速度低下・身体活動量低下の5項目(Fried基準)。3項目以上でフレイル Fried基準、CHS基準、J-CHS基準 有酸素運動+栄養+社会参加の包括的介入
低栄養・サルコペニア・フレイルは同時に重なって存在することが多い。一つを見つけたら他も疑うことが鉄則です。

05
Assessment & Criteria

評価指標と基準値の完全整理。

低栄養の評価は「スクリーニング → 詳細評価 → 身体機能評価」の3ステップで進めます。各評価ツールの基準値を正確に把握することが、適切な多職種連携の出発点になります。

Primary Tool
MNA(Mini Nutritional Assessment)
— 高齢者・脳卒中後患者に推奨
→24〜30点:正常栄養状態
→17〜23.5点:低栄養リスクあり
→<17点:低栄養状態(要介入)
Secondary Tool
NRS-2002(Nutritional Risk Screening)
— 入院患者全般(急性期〜回復期)に推奨
→合計スコア ≥3点:栄養サポート開始を検討
→疾患重症度スコア(脳卒中=2点)を加算
→70歳以上は1点追加(年齢補正)

SCORING CRITERIA
低栄養評価指標の基準値一覧(臨床ですぐ使える完全版)
カテゴリ 指標 カットオフ・基準値 臨床的意義
体組成 体重減少率 1か月で5%以上、3か月で10%以上 急激な体重減少は低栄養の強いサイン
体組成 BMI <18.5 kg/m²(低体重) 低体重は低栄養のリスク因子。高齢者は22以上が望ましい
血液検査 アルブミン(Alb) <3.5 g/dL で低栄養の可能性 慢性的な栄養不足・炎症を反映。半減期20日で長期指標
血液検査 プレアルブミン(PA) <17 mg/dL で低栄養の可能性 半減期2〜3日の短期指標。栄養改善の効果判定にも有用
血液検査 トランスフェリン <200 mg/dL 鉄代謝・栄養状態を反映。半減期8〜10日の中期指標
血液検査 総リンパ球数(TLC) <1,500 /μL 免疫機能の低下を反映。感染症リスク評価にも使用
身体機能 握力(Handgrip strength) 男性 <26 kg、女性 <18 kg(AWGS2019) 筋力の簡便な評価。同年代の85%未満も目安。サルコペニアの診断基準にも含まれる
身体機能 歩行速度 <0.8 m/s(AWGS2019)、<1.0 m/s(フレイル目安) サルコペニア・フレイルの指標。地域在住高齢者の転倒リスク予測にも有用
食事摂取 エネルギー摂取量 <25 kcal/kg/日(慢性的不足の目安) 低栄養のリスク。目標は25〜30 kcal/kg/日
食事摂取 たんぱく質摂取量 <1.0 g/kg/日(不足の目安) 筋肉量維持に最重要。目標1.2〜2.0 g/kg/日
筋量評価 BIA(生体インピーダンス分析)・SMI SMI(四肢骨格筋量指数):男性 <7.0 kg/m²、女性 <5.7 kg/m²(AWGS2019) 筋肉量を直接評価。サルコペニアの確定診断に使用
サルコペニア SARC-Fスコア ≥4点でサルコペニアの疑い(感度低め・特異度高め) 5項目の質問票(強度・歩行・椅子立ち上がり・階段・転倒)で構成。5分以内に実施可能

06
Evidence-Based Intervention

介入手順とエビデンス。

介入は「栄養補給の確保 → 運動療法との統合 → モニタリング」の順で組み立てます。栄養と運動は車の両輪であり、どちらが欠けても効果は半減します。

01
必要栄養量の算出と経口栄養の確保Phase 1 / 管理栄養士と協働

目標エネルギー25〜30 kcal/kg/日、たんぱく質1.2〜2.0 g/kg/日。微量栄養素(亜鉛・鉄・ビタミンD・ビタミンB群)を優先補給します。食形態(ペースト状・刻み食・ゼリー食)を調整し、経口栄養補助食品(ONS:エネルギー密度1.5〜2.0 kcal/mLの製品)を間食や運動直後に活用します。

02
経管栄養・静脈栄養の適応と管理Phase 2 / 医師・薬剤師と協働

十分な経口摂取が困難な場合は経管栄養を導入します。高たんぱく製剤を選択し、開始量は10〜20 mL/時から24〜48時間かけて目標量へ増量します。腸管機能が使用不能な場合はTPN(完全静脈栄養)を選択し、中心静脈カテーテルで管理します。いずれも医師・薬剤師との密な連携が不可欠です。

03
栄養改善に合わせた運動療法の導入Phase 3 / PT・OT

低栄養状態では低負荷・高回数(例:セラバンドを用いた下肢筋力訓練、10〜15回 × 2〜3セット)から開始します。栄養状態の改善(プレアルブミン値の上昇など)を確認しながら段階的に負荷を増加させます。運動直後30分以内のたんぱく質+糖質補給で筋合成効果を最大化します。

04
モニタリングとアウトカム評価Phase 4 / 多職種

毎日の摂取量と体重を記録します。握力・歩行速度の測定を週1回、血液検査(アルブミン・プレアルブミン・CRP)の確認を2週間ごとに行います。2週間で体重2%以上の増加と血液マーカーの改善が「介入成功」の目安です(上記ケーススタディより)。

EVIDENCE
Hatem SM et al. Rehabilitation of Motor Function after Stroke: A Multiple Systematic Review. Front. Hum. Neurosci. 2016.

エビデンスレベル:システマティックレビュー(強く推奨)

脳卒中発症後6か月以降でも、継続的なリハビリテーションによりFugl-Meyer AssessmentやARATなどの上肢機能評価が有意に改善することが示されています。自然回復曲線の「頭打ち」をリハビリが押し上げる根拠となる重要なレビューです。

STROKE LAB代表 金子唯史

Message from CEO
「まだ回復できる」その可能性を、諦めないでください。

退院後も回復は続きます。栄養とリハビリを統合した専門的アプローチで、一人ひとりの目標に向き合います。STROKE LABでは初回無料相談を実施しており、現在の状態・ご要望・生活目標を丁寧にお伺いしたうえで、最適なプログラムをご提案します。

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07
Interprofessional Collaboration

多職種連携と環境調整。

低栄養管理は一職種では完結しません。NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)の枠組みで、各職種が役割を明確にして情報共有することが回復を加速させます。

多職種連携の役割分担

職種 主な役割 情報共有ポイント
医師 診断・治療方針立案。薬剤・点滴栄養の処方。経管栄養の適応判断 血液データの変動、摂取量の変化を報告
管理栄養士 必要栄養量算出・食事プラン作成。ONSの種類と摂取タイミングの調整 運動量の変化に応じた摂取カロリーの見直しを依頼
PT(理学療法士) 運動負荷に応じた栄養補助計画の立案。筋力・歩行機能の定期評価 握力・歩行速度の測定値を毎週記録・共有
OT(作業療法士) 食事動作・ADLの評価と介入。自助具の選定と食事環境の整備 摂取量に影響する食事動作の課題を看護師・管理栄養士と共有
ST(言語聴覚士) 嚥下機能評価(VF・FEES)と食形態の決定。直接・間接嚥下訓練の実施 食形態の変更・経口移行の可否を栄養士・医師へ報告
看護師 毎日の摂取量モニタリング。食事介助・経管栄養の管理。口腔ケアの実施 摂取量の変化・嚥下中のむせを当日中にチームへ共有
臨床心理士 食欲低下の精神的背景(うつ・不安)の評価と支援 うつ症状・意欲低下の評価結果をチームで共有

食事環境の整備と患者教育

Clinical Insight — 先輩からのヒント

「食後1〜2時間以内にリハビリを組み込むと、エネルギーレベルが安定した状態で訓練できます。食事時間とリハビリスケジュールを必ず確認する習慣をつけましょう。」

「リハビリ中の水分補給も重要です。脱水状態は集中力と筋機能を著しく低下させます。電解質補給が必要な患者には経口補水液の利用も検討しましょう。」

「患者さんに『なぜ食べることがリハビリに直結するか』を伝えることも大切です。ヨーグルトやチーズなど身近な高たんぱく食品を紹介するだけで、自己管理意識が変わります。」

08
Pitfalls & Clinical Judgment

Pitfalls と臨床判断のコツ。

新人セラピストが低栄養患者のリハビリで陥りやすい罠を3つ整理します。これらを事前に知っておくことで、介入の方向性を大きく誤ることを防げます。

Pitfalls — Don’t make these mistakes
新人臨床家が陥りやすい3つの罠
!
「疲れやすい=体力不足」と思い込む:低栄養患者の易疲労は筋分解・エネルギー不足が原因です。「もっと頑張らせよう」と負荷を上げると逆効果になります。疲労感が強い患者では、まず血液データと摂取量を確認し、栄養状態の改善が先決かを管理栄養士と協議しましょう。
!
アルブミン値を「慢性的な栄養指標」として誤解する:アルブミンの半減期は約20日と長く、短期の栄養改善には反応しません。短期評価にはプレアルブミン(半減期2〜3日)を参照するよう、カルテで確認する習慣をつけましょう。「アルブミンが低いから栄養が悪い」という断定は過大評価につながります。
!
嚥下評価をSTに任せきりにする:PT・OTも食事場面の観察は必須スキルです。リハビリ中に「むせ」「湿性嗄声(嗄れた濡れたような声)」「食事を途中でやめる」などのサインを見逃さないようにしましょう。観察したら必ずその日のうちにSTと共有することが、誤嚥性肺炎の予防につながります。

臨床判断の分岐点

Clinical Judgment — 分岐点の判断基準

「プレアルブミンが上昇トレンドにあるかどうか」を確認してから、運動負荷を増やす判断をしましょう。下降中に負荷を上げるのは禁忌に近い行為です。」

「褥瘡が発生している患者は、皮膚修復にもたんぱく質が消費されています。栄養目標値を通常より高めに設定するよう医師・栄養士に提案することが、回復を加速させます。」

リハビリの効果が出ない背景には、運動量ではなく栄養が律速因子になっているケースが多くある。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。

低栄養を早期に改善した患者ほど、リハビリの効果と転帰が良好であることが複数の研究で示されています。予後を左右するのは「介入の質」だけでなく「介入の前提となる栄養状態」です。

Prognostic Indicator
「2週間で体重2%増加・プレアルブミン改善」を短期目標の目安とする。

上記ケーススタディ(70歳男性・嚥下障害・アルブミン3.0 g/dL)では、ペースト食+夜間経管栄養+ONS×2回/日+嚥下リハビリ+レジスタンストレーニングの統合介入により、2週間で体重2%増加・アルブミン値改善が達成されました。

長期的には、脳卒中発症6か月以降でもリハビリ継続で機能改善が得られることがシステマティックレビューで示されています(Hatem et al., 2016)。「もう遅い」と諦めず、栄養と運動の統合介入を継続することが回復の鍵です。

脳卒中後の回復に「遅すぎる」はない。栄養状態を整えたうえで継続的にアプローチすることが、長期予後を左右する。

10
FAQ

よくある質問(新人臨床家の疑問)。

Q.脳卒中患者はなぜ低栄養になりやすいのですか?
A.

脳卒中後は嚥下障害・食欲低下・意識障害・高次脳機能障害が複合的に重なり、必要エネルギーと栄養素の摂取量が著しく不足します。

入院後7日間で栄養状態にかかわらず筋の羽状角が低下するという報告もあり、入院そのものが筋構造を変化させることも示されています(Ferro et al., 2020)。

Q.低栄養の評価にはどのツールを使えばよいですか?
A.

代表的なスクリーニングツールとして、高齢者にはMNA(Mini Nutritional Assessment)、入院患者全般にはNRS-2002が推奨されます。

血液検査ではアルブミン3.5 g/dL未満・プレアルブミン17 mg/dL未満が低栄養の指標となります。サルコペニアの疑いにはSARC-Fスコア4点以上が目安です。

Q.低栄養状態の患者にレジスタンストレーニングをしてよいですか?
A.

低栄養状態でのトレーニングはエネルギー不足のため筋を分解しエネルギーを得ようとし、逆効果になる場合があります。

まず栄養状態の改善(目標エネルギー25〜30 kcal/kg/日・たんぱく質1.2〜2.0 g/kg/日)を優先し、低負荷・高回数の運動から段階的に負荷を上げることが推奨されます。運動後30分以内のたんぱく質補給も筋合成を促進します。

Q.栄養状態が筋構造(羽状角)に与える影響を教えてください。
A.

Ferro Y. ら(2020)の研究では、内科病棟入院高齢者68名を栄養状態3群に分類した結果、栄養不良群では筋の羽状角・筋厚・筋力が有意に低下していました。

多変量解析では、栄養状態が羽状角に影響する唯一の有意な因子であることが示されています。羽状角が大きいほど力発揮効率が高いため、栄養管理は直接的に筋の機能的質に影響します。

Q.嚥下障害がある患者の栄養管理はどう進めますか?
A.

VF(嚥下造影検査)やFEES(嚥下内視鏡検査)で嚥下障害の重症度を評価し、食形態(ペースト状・ゼリー食等)を調整します。

経口摂取が十分でない場合は経管栄養(高たんぱく製剤・開始量10〜20 mL/時)を夜間に導入し、昼間の嚥下リハビリと並行します。STとの密な連携が不可欠です。

Q.多職種連携で誰が何を担当するのですか?
A.

医師が診断と治療方針を立案し、管理栄養士が食事プランと必要栄養量を算出します。PT/OTは運動負荷に応じた栄養補助計画を作成し、STは嚥下機能の評価と訓練を担当します。

看護師は摂取量のモニタリングと食事介助を行い、薬剤師は栄養サポート製剤の選択と副作用管理を担います。臨床心理士は食欲低下の精神的背景を支援します。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム。

STROKE LABは脳神経系疾患に特化した自費リハビリ施設です。脳卒中後の後遺症(麻痺・歩行障害・嚥下障害など)に対して、エビデンスに基づく熟練セラピストが一人ひとりにオーダーメイドのプランを提供します。保険外だからこそ時間・内容・頻度を柔軟に設計でき、「まだ良くなりたい」という前向きな思いに、制限なく応えることができます。

Our Strengths
STROKE LABの強み
— 神経リハビリ特化の自費施設
→神経疾患専門セラピストによる個別プラン
→最新エビデンスに基づく神経リハメソッド
→来院・訪問・オンラインのハイブリッド対応
→1回ごとの支払い制で柔軟に継続可能
Supported Conditions
取り組める内容
— 幅広い神経疾患に対応
→脳卒中後遺症(麻痺・歩行障害・高次脳機能障害)
→パーキンソン病・脊髄損傷・脳性麻痺
→退院後の機能維持・向上プログラム
→転倒予防・バランス訓練・筋力強化

— STROKE LABでの脳卒中リハビリの実際の様子です。実際の身体の変化をご確認ください。

Voice from Mentors

「入院中は栄養とリハビリが分断されがちです。チームの枠を超えて『今日この患者さんは何kcal食べられたか』を毎日確認するだけで、介入の質がまったく変わります。」— 理学療法士・経験15年・脳卒中回復期専門

「低栄養で退院される患者さんが多い現実があります。退院前から管理栄養士と連携して自宅での栄養補給方法を家族に伝えておくことが、その後の回復を大きく左右します。」— 作業療法士・経験12年・生活期リハビリ専門

Message from CEO
回復への道は、まだ続いています。
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

「退院後にリハビリが終わってしまった」「もっと良くなれると感じているのに、通院の回数が制限されている」――そんなお声をたくさんいただきます。

脳卒中後の回復に、「遅すぎる」ということはありません。最新のエビデンスが示す通り、適切な栄養管理と継続的なリハビリによって、発症から時間が経っても機能は改善します。

STROKE LABでは、一人ひとりの状態・生活背景・ご希望をじっくりお伺いし、あなたのためだけのプログラムをご提案します。まずは20分の無料相談から始めましょう。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01 Ferro Y, et al. Impact of Nutritional Status on Muscle Architecture in Elderly Patients Hospitalized in Internal Medicine Wards. Clinical Nutrition. 2020;39(8):2397-2403. DOI: 10.1016/j.clnu.2020.06.018
02 Foley NC, et al. A systematic review and meta-analysis examining pneumonia-associated mortality after aspiration of dysphagia in stroke patients. Dysphagia. 2009;24(2):101-109.
03 Hatem SM, et al. Rehabilitation of Motor Function after Stroke: A Multiple Systematic Review Focused on Techniques to Stimulate Upper Extremity Recovery. Front. Hum. Neurosci. 2016;10:442. DOI: 10.3389/fnhum.2016.00442
04 David FJ, et al. Exercise Improves Cognition in Parkinson’s Disease: The PRET-PD Randomized, Clinical Trial. Mov Disord. 2015;30(12):1657-1663. DOI: 10.1002/mds.26291
05 Chen LK, et al. Asian Working Group for Sarcopenia: 2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment. J Am Med Dir Assoc. 2020;21(3):300-307. DOI: 10.1016/j.jamda.2019.12.012
06 Cederholm T, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition – A consensus report from the global clinical nutrition community. Clinical Nutrition. 2019;38(1):1-9. DOI: 10.1016/j.clnu.2018.08.002
07 Kondrup J, et al. ESPEN Guidelines for Nutrition Screening 2002. Clinical Nutrition. 2003;22(4):415-421.
08 Fried LP, et al. Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001;56(3):M146-156.
09 Arends J, et al. ESPEN guidelines on nutrition in cancer patients. Clinical Nutrition. 2017;36(1):11-48. (栄養補給量の算出根拠として参照)
10 金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018.

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