【2022年版】手装具/スプリントを脳卒中・片麻痺に使用する際の注意ポイント弊害!!長期間の着用は禁忌!
目次
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カテゴリー
タイトル
●手装具の継続的な着用には快適さが重要!?慢性期卒中患者における手装具の長期的使用
●原著はLong-Term Use of a Static Hand-Wrist Orthosis in Chronic Stroke Patients: A Pilot Studyこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者の上肢痙縮からの二次的な短縮の問題は臨床的に良く遭遇する場面である。その対処法として手装具が良く使用されるが、その効果等に関して学ぶべく本論文に至る。
内 容
背景
●脳卒中後のより重度の上肢麻痺を有する患者では、手指・手関節の屈筋の痙縮や拘縮を発生するリスクが高い。痙縮や拘縮は日常生活での活動と衛生面に影響を与える可能性がある。脳卒中の上肢麻痺を有する患者で拘縮を防ぐために長期間にわたりスプリントを着ける事は一般的に受け入れられている。
●この研究目的は、静的手装具の長期的使用と、慢性期脳卒中患者の装具を装着時の快適さとの関係を説明し、研究のための予備データを取得することです。
方法
●調査の対象は、少なくとも1年前に装具を使用するように助言された11人の脳卒中患者でした。
●オランダの整形外科センターから静的手装具の処方を受けた脳卒中患者で、地域社会で自立して生活していた脳卒中患者が参加した。患者が電話でコミュニケーションをとることができない場合、主介護者から情報が得られました。患者は、現在の使用状況、装具の快適さ、装具を着用している理由、痙縮、衛生面が維持できているか、痛み、浮腫などの質問を受けました。苦痛のスコアは0(苦痛なし)から10(耐えられない苦痛)で値を決めました。電話インタビューは、患者の治療に直接関与していない理学療法士によって行われました。
結果
●1年以上経過した患者で、7人の患者が1日あたり所定の時間装具を着用していた。
●2人の患者は、快適さに欠けるため、1日8時間の装具着用を出来ていなかった。
●2人の患者は、痙縮または痛みの増加のため装具の使用を中止しました。
●多くの脳卒中患者が不快のために長期間にわたって静的装具に耐えられないことを示唆しています。適切な治療の機会がないと、これらの患者は屈曲拘縮を発症するリスクがあり、日常活動や衛生管理の問題が生じます。
私見・明日への臨床アイデア
●手関節装具においては、まずは装着時の快適さ、装着することの快適さは重要と言える。さらに、人の身体はその都度変わっていく、または生活が入院時と変わるためにアフターケアを考える必要がある。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)