FAI(フレンチャイ活動指数)の評価方法|15項目の採点・評価表PDF
フレンチャイ活動指数の評価方法実際の活動を振り返り、
暮らしの目標につなげる。
Frenchay Activities Index(一般的な略称はFAI)は、家事・外出・余暇・仕事など15項目の活動状況を確認する評価です。採点基準、3か月・6か月の評価期間、聞き取りの注意点を、イラストと記録例で解説します。

FAIとは|地域での生活活動を捉える
食事や更衣が自立していても、買い物や趣味を再開できていないことがあります。FAIは、脳卒中後などの生活で本人が実際に参加した活動を把握し、家事・屋外活動・余暇や仕事の状況を整理するために用いられます。[2]
| 評価 | 主に確認すること | 使い分け |
|---|---|---|
| Barthel Index | 基本的ADLの遂行と介助 | 身の回りの生活に必要な援助を確認 |
| Lawton IADL | 8領域の生活機能 | 買い物・服薬・金銭管理などの機能水準を確認 |
| FAI | 15項目の実際の活動状況 | 地域生活での活動頻度や役割を確認 |
Shirley Ryan AbilityLabが公開するFAI英語票と改訂実施ガイド(Wade提供)に沿い、0〜45点方式で解説します。日本語は本記事独自の要約で、公認翻訳ではありません。日本語の公開様式には活動の定義や頻度の表現が異なるものがあるため、同じ評価の中で混ぜません。[1] [4]
当初の1〜4点・合計15〜60点方式と、後の0〜3点・合計0〜45点方式があるため、記録には満点と採用票を明記します。「FAI 30点」だけでは方式が分かりません。[2] [3]
評価期間と聞き取り|いつの活動を数えるか

| 期間 | 対象項目 | 聞き取りの要点 |
|---|---|---|
| 最近3か月 | 1〜10:家事、買い物、交流、歩行、趣味、運転・バス | 回数だけでなく、本人が担った工程を確認 |
| 最近6か月 | 11〜15:旅行、庭仕事、家・車の手入れ、読書、有償の仕事 | 活動内容や程度、読書量、平均労働時間も確認 |
評価日から対象期間を定め、カレンダーや家族の情報を使って振り返ります。入院前と現在、訓練室と自宅、本人の実施と家族の代行を混同しないことが大切です。採用ガイドは、遠い過去の実績や潜在的な能力ではなく、最近の実施状況を記録するよう求めています。[1]
活動をする能力があっても、対象期間に実施していなければ実施なしの区分です。ただし、0点の理由が身体機能低下とは限りません。役割分担、本人の好み、退職、季節、交通、入院などの背景を別に残します。「実施なしが確認できた」と「情報がなく不明」は区別してください。
| 聞き方 | 確認したいこと |
|---|---|
| 最後に行ったのはいつですか? | 対象期間内に実施しているか |
| そのとき、どの部分を担当しましたか? | 本人の実質的な参加か |
| 普段は何回くらい行いますか? | 頻度と例外的な1回の区別 |
| 行わない理由は何ですか? | 能力・機会・希望・環境の区別 |
採点基準|同じ0〜3点でも区切りは異なる
各項目で該当する点数を1つ選び、15項目を合計します。庭仕事・手入れは作業の程度、読書は量、勤労は時間によるため、一律に「週1回なら3点」とはしません。[1]
| 点数 | A:食事の用意・片づけ | B:項目3〜10 | C:旅行・遠出 |
|---|---|---|---|
| 0 | 実施なし | 実施なし | 実施なし |
| 1 | 実施あり・週1回未満 | 3か月に1〜2回 | 6か月に1〜2回 |
| 2 | 週1〜2回 | 3か月に3〜12回 | 6か月に3〜12回 |
| 3 | ほとんど毎日 | 少なくとも週1回 | 少なくとも週1回 |
A・Bは最近3か月、Cは最近6か月です。回数の区切りに迷う場合は実際の回数・分布を残し、採用票の運用を確認します。「ほとんど毎日」を独自に「週3回以上」へ置き換えません。
| 点数 | D:庭仕事/家・車の手入れ | E:読書 | F:有償の仕事 |
|---|---|---|---|
| 0 | 実施なし | 読んでいない | 有償労働なし |
| 1 | 軽い作業 | 6か月に1冊 | 週10時間まで |
| 2 | 中程度の作業 | 2週間に1冊未満 | 週10〜30時間 |
| 3 | 重い作業/必要な作業全般 | 2週間に1冊を超える | 週30時間を超える |
公開英語票には、読書の「ちょうど2週間に1冊」の区分が明示されず、仕事の「週10時間」が1点と2点の表現で重なります。また旅行・遠出(表C)は、6か月に13回以上で週1回に満たない場合の区分が表中にありません。本資料は数値を独自修正せず掲載しています。該当時は回数・冊数・時間を残し、採用する正式票の運用で確認してから確定してください。曖昧なケースを自動判定する計算機は設けず、原資料へのリンクを併記しています。
15項目|数える活動を具体的に確かめる

1.食事の用意
対象:最近3か月 / 採点表A
主な食事の段取り・準備・調理に実質的に関わる。
軽食だけ、調理済み食品の温めだけとは区別。
2.食事の片づけ
対象:最近3か月 / 採点表A
食器を洗う・拭く・しまう工程を全部、または同程度に分担する。
時々コップをすすぐだけを一連の片づけとしない。
3.洗濯
対象:最近3か月 / 採点表B
洗う・乾かす一連の作業を担う、または同程度に分担する。
洗濯機・手洗い・コインランドリーなど方法は問わない。
4.軽い家事
対象:最近3か月 / 採点表B
ほこり取り、アイロン、小物や寝具の整頓など。
採用英語票では掃除機がけは重い家事に分類。
5.重い家事
対象:最近3か月 / 採点表B
掃除機がけ、床・窓の清掃、寝具交換、椅子の移動など。
名称だけで判断せず、実際に行った作業を確認。

6.買い物
対象:最近3か月 / 採点表B
食料品などの計画・購入に実質的に関わり、店へ行く。
同行してカートを押すだけとは区別する。
7.交流・社交活動
対象:最近3か月 / 採点表B
友人との食事、会合、観劇などに能動的に参加する。
自ら招いた家族・友人の訪問も対象になり得る。介護を主目的とする訪問とは区別。
8.屋外歩行
対象:最近3か月 / 採点表B
15分以上続けて屋外を歩く。息を整える短い停止は許容。
原票表題は「>15分」、実施ガイドは「at least 15 minutes」。本資料はガイドに沿い15分以上と説明。
9.能動的な趣味
対象:最近3か月 / 採点表B
編み物、絵画、ゲーム、スポーツなど、自分で関与し考える活動。
テレビでスポーツを見るだけは含めない。
10.運転・バス利用
対象:最近3か月 / 採点表B
自分で車を運転する、または自立してバスに乗り移動する。
採用英語ガイドでは車の同乗だけを含めない。運転適性を判定する項目ではない。

11.楽しみのための旅行・遠出
対象:最近6か月 / 採点表C
本人の選択や計画を伴う、楽しみのための旅行やドライブ。
日常の買い物や近所の知人訪問とは区別。休暇の日数換算は原票ガイドを参照。
12.庭仕事
対象:最近6か月 / 採点表D
屋外の庭作業の内容を確認する。
軽い:時々の草取り等/中程度:定期的な草取り・剪定等/重い:掘り起こしを含む必要な作業全般。
13.家・車の手入れ
対象:最近6か月 / 採点表D
家や車の保守・修繕に関する作業内容を確認する。
軽い:小物修理・電球交換等/中程度:大掃除・額の取り付け・日常の車の手入れ等/重い:塗装・内装など必要な手入れの大部分。
14.読書
対象:最近6か月 / 採点表E
まとまった本を対象とする。オーディオブックも可。
新聞・雑誌・定期刊行物はこの項目に含めない。境界の扱いはSECTION 03の注記を参照。
15.有償の仕事
対象:最近6か月 / 採点表F
報酬を得る仕事。6か月間で平均した週の時間を確認する。
無償のボランティアは勤労に加えず、別に活動として記録。境界の扱いはSECTION 03の注記を参照。
採用ガイドでは一つの活動は一つの項目で採点します。庭仕事を同じ実施分で趣味にも重ねるなど、総点が膨らむ集計を避け、どの活動をどの項目に分類したかを記録します。[1]
計算と記録|点数の裏にある生活を伝える
| 項目 | 点数 | 架空例の内容 |
|---|---|---|
| 1.食事の用意 | 2 | 週1〜2回、主な食事を準備 |
| 2.食事の片づけ | 3 | ほとんど毎日、食器を洗い収納 |
| 3.洗濯 | 3 | 週1回、洗濯と乾燥を分担 |
| 4.軽い家事 | 3 | 週1回、整頓を実施 |
| 5.重い家事 | 0 | 実施なし |
| 6.買い物 | 3 | 週1回、店で品物を選び購入 |
| 7.交流・社交活動 | 2 | 3か月で6回、友人と交流 |
| 8.屋外歩行 | 3 | 週1回、20分の散歩 |
| 9.能動的な趣味 | 3 | 週1回、絵画 |
| 10.運転・バス利用 | 0 | 運転・自立したバス利用なし |
| 11.楽しみのための旅行・遠出 | 1 | 6か月で1回、本人が選んだ遠出 |
| 12.庭仕事 | 0 | 実施なし |
| 13.家・車の手入れ | 0 | 実施なし |
| 14.読書 | 1 | 6か月で1冊 |
| 15.有償の仕事 | 0 | 退職後で有償の仕事なし |
FAI 24/45(参考資料1の0〜45点方式)。項目1〜10は最近3か月、11〜15は最近6か月について本人と家族から聴取。買い物3点:週1回、家族の送迎で店へ行き、本人が品物を選び購入。家族運転の車への同乗は項目10に加点していない。退職後で有償の仕事は0点。
本人の希望は「自分で食材を選びたい」。買い物の参加頻度と疲労、援助の内容を活動日誌に残す。0点の項目すべてを増やすことは目標にしない。
評価PDF|採点・聞き取り・経過の記録

A4縦・5ページ
1〜2ページ:採点基準と15項目の確認
3ページ:評価記録
4ページ:経過比較と生活目標
5ページ:記録例・参考資料
0〜45点方式/項目1〜10は最近3か月、11〜15は最近6か月。Shirley Ryan AbilityLab公開英語票に沿う独自の日本語解説・記録補助で、公認日本語版ではありません。
解釈と再評価|頻度の変化をどう読むか

高得点は採点対象の活動を多く行っていることを示しますが、安全性や満足度、生活の価値を直接表す点数ではありません。庭がない人、退職した人、家族が調理する人の得点を、生活背景なしに優劣として比較しないでください。
FAIだけから認知症、独居の可否、退院の可否を判断することはできません。低頻度の背景に疼痛、疲労、転倒への不安、交通手段や役割の変化があるかを確認し、必要な評価を追加します。
3週間後の再評価では、振り返る3か月・6か月の大部分が前回と重なります。直近1週間の改善だけで過去全体の頻度を書き換えず、活動日誌を併用します。季節や入院期間、回答者、採用票が変わった場合も記録します。
| 本人の希望 | 支援の例 | 点数と一緒に見ること |
|---|---|---|
| 食事を一品担当したい | 工程・道具・家族との分担を調整 | 実際に担当した部分と頻度 |
| 買い物へ行きたい | 送迎、同行、休憩、店舗の選択 | 本人の参加、疲労、安全性 |
| 趣味を再開したい | 用具・姿勢・時間帯を調整 | 継続できる頻度と満足度 |
| 地域との交流を持ちたい | 本人が選べる交流方法を探す | 希望に合う関わりと負担 |
よくある質問
FIとFAIは同じですか?
Frenchay Activities Indexを指してFIと書かれることもありますが、一般的な略称はFAIです。本記事とPDFでは、他のFIという略称との混同を避けるためFAIに統一しています。
全15項目を最近3か月で評価してよいですか?
採用する版によります。本記事の英語公開票は1〜10が3か月、11〜15が6か月です。別の日本語改訂様式を使う場合は、その様式の期間と基準に従ってください。
家事ができるのに家族が代行している場合は?
FAIは実際の活動を記録します。実施していない場合は該当する実施なしの区分とし、家族が代行している理由を別に残します。能力が保たれているからという理由で加点しません。
ボランティアを仕事に含めますか?
採用票の勤労は有償の仕事です。ボランティアを有償労働の時間に加えず、本人にとって重要な社会参加として別に記録します。
車に乗せてもらうだけで交通の点数になりますか?
本記事の採用ガイドでは項目10の車は本人の運転です。同乗だけは含めません。楽しみの遠出は、本人の選択や計画など項目11の条件を別に確認します。
何点上がれば改善と言えますか?
変化量の解釈は対象・版・測定間隔に依存します。単一の数値を全員の共通基準にせず、どの活動がどの程度変わったか、回答条件や対象期間を併せて確認します。
庭仕事や勤労が0点なら訓練が必要ですか?
その点数だけでは決めません。生活の機会や本人の希望を確認し、望まない活動を得点のために増やす必要はありません。
STROKE LAB|再開したい生活から考える
「家事の一部を担当したい」「外出や趣味を再開したい」など、実際の生活で取り組みたいことを共有してください。現在の状態、住環境、必要な援助を踏まえ、目標と練習方法を検討します。
参考資料・利用上の位置付け
- 採点・実施基準:Shirley Ryan AbilityLab公開FAI英語票/Revised guidelines(Wade提供) 原資料を確認
- 尺度概要・版の違い:RehabMeasures Database 原資料を確認
- 0〜45点方式の研究:Wade DT, Legh-Smith J, Langton Hewer R. Int Rehabil Med. 1985;7(4):176–181. 原資料を確認
- 日本語資料との比較:国立長寿医療研究センター公開「介護予防ガイド」表6(冊子56〜57ページ) 原資料を確認
記事・PDFは公開資料に基づく独自の日本語要約と記録補助で、公認翻訳・公式評価票ではありません。症例とイラストは説明用です。原票・翻訳の利用条件は権利者の規定を確認してください。文献確認:2026年11月4日。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)