5か月で寝返りしない赤ちゃん|焦らず見るポイントと遊び方 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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5か月で寝返りしない赤ちゃん|焦らず見るポイントと遊び方

5 MONTHS & ROLLING

完成した動作の有無より、横を向く、手を伸ばす、足を持ち上げる準備過程に注目します

同じ月齢の赤ちゃんが寝返りを始めると、「何か練習させた方がよいのかな」と不安になるかもしれません。けれど寝返りは、脚を動かせば完成する単純な動作ではありません。視線を向け、手を伸ばし、足を持ち上げ、胸と骨盤を少しずつ回す準備の積み重ねです。5か月という一つの月齢だけで判断せず、今育っている動き、家庭でできる遊び、相談の目安を整理します。

UPDATED2026
READ約13分
FOR生後5か月前後の保護者へ
BYSTROKE LAB
本記事は、医学書院『脳の機能解剖とリハビリテーション』(2024年・408頁)の著者が、乳児の姿勢と運動連鎖を観察する視点から構成しています。5か月で寝返りをしていないことだけでは、発達の問題とは判断できません。診断や医学的評価は小児科・乳幼児健診が先であり、私たちは動きと生活の側から併走します。

自宅での運動

Quick Reference
5か月で寝返りがまだでも、まず見たい5つのこと。
01
令和5年の国内調査では、5〜6か月未満で寝返りができる割合は89.7%。約10%はまだできていません
02
寝返りの有無だけでなく、視線、手のリーチ、足の持ち上げ、横向きへの体重移動を見ます
03
脚や腕を強く引いて回すより、本人が見て、手を伸ばし、動き始めるのを少し助けます
04
睡眠時は仰向け。横向き・うつ伏せ遊びは、起きていて大人が見守れる時間だけ行います
05
左右差、動きの喪失、首の不安定さ、強い硬さ・柔らかさ、視線や哺乳の心配があれば月齢を待たず相談します
01
Five Months Is A Point, Not A Verdict

5か月で寝返りしないのは、遅いのでしょうか。

令和5年乳幼児身体発育調査では、寝返りができると回答した割合は、4〜5か月未満で56.9%、5〜6か月未満で89.7%、6〜7か月未満で97.6%でした。つまり、5か月頃は寝返りを始める赤ちゃんが増える時期ですが、5〜6か月未満でも約10%はまだ寝返りをしていません

この数字は「何か月までに必ずできる」という締め切りではありません。寝返りの方向、床で過ごす経験、体格、早産の有無、視線や手足の使い方などによって経過は異なります。5か月という一点だけでなく、数週間の中で動きの種類が増えているかを見ます。

月齢帯 寝返りができる割合 家庭で見る視点
4〜5か月未満 56.9% 顔を左右へ向ける、手を胸の前へ集める、足を持ち上げる
5〜6か月未満 89.7% 横向きになる、上側の手を伸ばす、胸と骨盤が少しずれて回る
6〜7か月未満 97.6% 未獲得だけでなく、準備動作、左右差、ほかの発達所見を合わせて相談

月齢は集団の目安です。早産で生まれた赤ちゃんは修正月齢を考慮します。寝返りの月齢だけで、発達の状態や診断を判断することはできません。

02
Before The Roll

寝返りは、ある日突然始まる一つの動作ではありません。

赤ちゃんは、興味のあるものへ視線を向け、片手を伸ばし、足を持ち上げ、骨盤を片側へ傾けます。その動きに胸郭の回旋が続き、横向きを通り、最後に下側の腕を抜いてうつ伏せへ移ります。どこから始め、どの順番で回るかには個人差があります。

01 / LOOK
視線と頭が向く
保護者や玩具を見つけ、寝返りたい方向へ頭を向けます。
02 / REACH
上側の手が伸びる
胸の前から手が床を越えることで、肩と胸が回り始めます。
03 / LIFT
足が上がる
膝や足を持ち上げる動きが、骨盤を傾ける準備になります。
04 / SHIFT
体重が片側へ移る
背中全体ではなく、片側の肩・胸・骨盤へ支持が移ります。
05 / TURN
胸と骨盤が順に回る
上半身と下半身が少しずれて動くと、横向きを保ちやすくなります。
06 / SUPPORT
腕で支える
回った後に前腕や手で床を感じ、頭と胸を支えます。

寝返りの前に育つ動き

03
STROKE LAB’s View

「できた・できない」ではなく、途中のどこまで進むかを見る。

寝返りは、成功回数だけを数えると大切な変化を見落とします。昨日までは頭だけが向いていた赤ちゃんが、今日は上側の手を伸ばした。先週までは仰向けへ戻っていた赤ちゃんが、横向きで数秒遊べた。このような途中の変化こそ、次の発達へ向かう情報です。

特に、骨盤は回るのに肩が後ろへ残る、横向きにはなるが上側の手が床を越えない、回った直後に下側の腕が体の下へ残る、といった停止位置を見ると、単純な筋力以外の条件が見えてきます。

1. 視線と頭部回旋
左右の玩具や保護者へ視線を移し、頭を両方向へ向けられるか。視線が動きの開始につながるかを見ます。
2. 正中の手とリーチ
両手が胸の前へ集まるか。横にある玩具へ上側の手が伸び、肩と胸がついてくるかを見ます。
3. 足と骨盤の準備
足を持ち上げる、足同士を触る、骨盤が左右へ傾くなど、下半身の動きが増えているかを見ます。
4. 胸郭と骨盤の分節性
全身が一枚板のように反るだけでなく、胸と骨盤が少しずれて回るか。横向きで呼吸を続けられるかを見ます。
5. 支持・左右差・進展
うつ伏せで前腕を床につけられるか、片方向だけ極端に少なくないか、2〜4週間で動きの種類が増えているかを見ます。
臨床で重要な停止位置
骨盤は回るが肩が残る/上側の腕が後ろへ残る/下側の腕が抜けない。この違いで、遊びの位置や支え方が変わります。
04
Play, Don’t Force

家庭では、寝返りを「完成させる」より、動き始めやすい遊びを。

PLAY 01
仰向けで足を見つける
膝が見える位置で声をかけ、足を高く持ち上げたり、手で膝や足へ触れたりする動きを待ちます。足を持って強く胸へ押しつけません。
PLAY 02
横向きで顔を合わせる
骨盤の後ろへ薄く丸めたタオルを置き、保護者が目線の高さに入ります。両腕が体の前へ出る位置で、数秒から始めます。
PLAY 03
少し横の玩具へリーチする
玩具を遠くへ置きすぎず、手を伸ばすと肩と胸が少し回る距離へ置きます。脚を引いて回す前に、視線と手が動くのを待ちます。
PLAY 04
短いうつ伏せを分散する
床上だけでなく、保護者の胸の上や膝の上も使えます。起きていて見守れる時間に短く行い、強く嫌がる前に終えます。

自宅での寝返り

Sleep Safe, Play Awake
睡眠は仰向け。横向き・うつ伏せは、起きていて見守れる遊びの時間に。

横向き遊びやうつ伏せ遊びのために、睡眠姿勢を横向き・うつ伏せへ変える必要はありません。寝床には枕、クッション、寝返り防止用品、ぬいぐるみなどの柔らかい物を置かず、硬く平らな面へ仰向けで寝かせます。

避けたい関わりと、その理由

避けたい関わり 理由と修正案
脚を強く引いて何度も回す 本人の視線やリーチが伴いにくいため、動き始めた時だけ骨盤へ小さく補助します。
腕を引っ張って起こす・回す 肩や肘に負担がかかるため、玩具へのリーチを使います。
泣き続けても長く練習する 疲労や不快感が強まり、遊びにくくなります。短く終え、回数を分散します。
ソファや柔らかいベッドで行う 体重移動が難しく、転落の危険があります。床の安定したマットを使います。
寝床へクッションや枕を置く 睡眠の安全を優先し、寝床には柔らかい物を置きません。

赤ちゃんの安全のために

05
What Research Tells Us

研究でわかっていること。

Evidence Summary
「5か月でまだ」は一定数います。経験は大切ですが、長時間の強制は必要ありません。
1
国内の発達統計
令和5年調査では、5〜6か月未満の寝返り通過率は89.7%、6〜7か月未満は97.6%でした。5か月で未獲得という事実だけでは、発達の問題とは判断できません。
2
6か月の発達目安
CDCは、6か月までに多くの子どもが示す運動項目の一つとして「うつ伏せから仰向けへ寝返る」を挙げています。マイルストーンは診断基準ではなく、相談につなげる目安です。
3
うつ伏せ経験との関連
16研究・4,237人をまとめた系統的レビューでは、起きている時間のうつ伏せ経験は、粗大運動発達や寝返りを含む移動能力と正の関連を示しました。ただし、長く行えば必ず早く寝返るという因果関係までは断定できません。

限界:集団統計や研究結果は、一人ひとりの診断や将来を決めるものではありません。対象、月齢、寝返りの定義、うつ伏せ時間の測定方法に違いがあります。早産、既往、筋緊張、左右差、視線、哺乳などを含めて個別に判断し、医学的評価の代わりには用いません。

06
Watch The Whole Picture

様子を見るポイントと、相談したいサイン。

Watch & Play
遊びながら経過を見やすい状態
  • 首が安定し、左右へ顔を向ける
  • 両手が胸の前へ集まり、玩具へ手を伸ばす
  • 足を持ち上げたり、骨盤を左右へ傾けたりする
  • 短時間でも横向きやうつ伏せで遊べる
  • 2〜4週間の中で動きの種類が少しずつ増えている
Consult Earlier
月齢を待たず相談したい状態
  • 以前できていた動きを失った
  • 首の保持が不安定、うつ伏せで頭をほとんど上げられない
  • 片側の手足だけ明らかに動きが少ない
  • 手が強く握られたまま、体が極端に硬い・柔らかい
  • 視線が合いにくい、玩具を追わない
  • 哺乳、呼吸、顔色、けいれん様の動きに心配がある

6か月を過ぎても寝返りへ向かう動きがほとんど増えない場合や、寝返り以外の動きにも心配がある場合は、小児科、乳幼児健診、地域の保健師・発達相談へ相談すると安心です。保護者の「何となく気になる」も大切な相談理由です。

Memo For Checkup
健診・受診で伝える7項目
1
在胎週数と、早産の場合の修正月齢
2
寝返りを始めそうな方向、横向きまで行くか、途中で止まる位置
3
左右へ頭を向けられるか、いつも同じ方向を向くか
4
両手を中央へ集める、玩具へ手を伸ばす、足を持ち上げる動き
5
うつ伏せで頭を上げる様子、前腕の接地、嫌がり方と呼吸
6
手足の左右差、強い反り、体の硬さ・柔らかさ、哺乳の心配
7
普段の床遊びを20〜30秒ほど撮影した動画。無理に寝返らせず自然な動きを撮る
When You Need A Second Look
「まだできない」を、相談できる観察情報へ整理します。

医療・健診での確認を大切にしながら、視線、手足、体幹、支持面、左右差を動画と実際の動きから整理します。

初回相談を予約する

07
From Worry To Observation

専門家の評価で、「寝返りしない」を分けて考える。

モードAの記事である本稿では、寝返りを獲得させる治療を訴求するのではなく、保護者の不安を観察できる言葉へ変えることを重視します。同じ「寝返りしない」でも、視線が始まりにくい、手が後ろへ残る、横向きで安定しない、うつ伏せ後の支持が難しいなど、止まる場所は異なります。

専門家は、条件を少し変えた時の反応を比較します。玩具を近づける、目線を低くする、骨盤後方へ小さな支持を置く、胸の下へ薄いタオルを入れる。その場で動きが変わるなら、本人が使える力を引き出す環境が見えてきます。変化が乏しい、左右差やほかの所見が重なる場合は、医療・健診へつなぐ情報になります。

見えている動き 確認する条件 整理できること
玩具を見ても頭だけが動く 玩具の高さ・距離・方向を変える 視線から手のリーチ、胸郭回旋へつながる条件
横向きになるがすぐ戻る 骨盤後方へ薄い支持を置く 横向きでの支持、呼吸、手を使える安定性
骨盤は回るが肩が残る 上側の手が床を越える位置へ目標物を置く 上肢リーチと胸郭回旋のつながり
うつ伏せになった後に崩れる 胸の下の支持、肘の位置、遊ぶ時間を変える 前腕支持、肩すくみ、疲労、呼吸の影響

早期診断・早期介入に関する研究は、主に脳性麻痺またはハイリスク児を対象としています。寝返りが遅いすべての赤ちゃんへ直接当てはめることはできませんが、複数の気になる所見がある時に、月齢だけを待たず適切な評価へつなぐ重要性を支えています。

寝返りの観察マップ

08
Frequently Asked Questions

よくある質問。

01

5か月で寝返りをしないのは遅いですか?

A

5か月で寝返りをしていないことだけで、発達が遅れているとは判断できません。

令和5年乳幼児身体発育調査では、5〜6か月未満で寝返りができる割合は89.7%で、約10%はまだできていません。

寝返りの有無だけでなく、左右へ顔を向ける、手を伸ばす、足を持ち上げる、横向きになろうとするなど、準備となる動きが増えているかを見ます。

02

寝返りの練習は毎日した方がよいですか?

A

完成した寝返りを、何度も受動的に反復させる必要はありません。

起きていて大人が見守れる時間に、仰向けで足へ手を伸ばす、横向きで玩具を見る、短いうつ伏せで遊ぶなど、本人が動き始めやすい経験を日常へ少しずつ取り入れます。

泣き続けるほど行わず、楽しめる時間で終えることが大切です。

03

体重が重いと寝返りが遅くなりますか?

A

体格は動きやすさに影響する要因の一つですが、体重だけで寝返りの時期は決まりません。

視線、手のリーチ、足の持ち上げ、胸郭と骨盤の回旋、床で遊ぶ経験などが組み合わさって寝返りにつながります。

体重だけを原因と決めず、動きの多様性と経過を見ます。

04

うつ伏せが嫌いでも寝返りはできるようになりますか?

A

うつ伏せを嫌がる赤ちゃんもいます。

床で長く続けることだけが方法ではなく、保護者の胸の上、膝の上、横向き遊びなどから始められます。

睡眠時は仰向けを守り、うつ伏せは起きていて見守れる時間だけ行います。

頭をほとんど上げられない、呼吸や顔色が心配、強く反り返るなどがあれば、小児科や乳幼児健診で相談してください。

05

片側にしか体をひねらない場合は相談した方がよいですか?

A

寝返りを始めた時期に、得意な方向があることは珍しくありません。

ただし、いつも同じ方向だけを向く、反対側の手足が明らかに動きにくい、体の片側だけが硬い、数週間たっても反対方向への動きが全く増えない場合は、健診や小児科で相談すると安心です。

寝返りの左右差だけで診断はできないため、全身の動きと経過を一緒に確認します。

06

何か月まで寝返りをしなければ専門家へ相談すべきですか?

A

一つの月齢だけで区切ることはできません。

国内調査では、6〜7か月未満で90%以上の赤ちゃんが寝返りをしています。

6か月を過ぎても寝返りへ向かう動きがほとんど増えない場合や、首の保持、手の開き、視線、左右差、筋緊張、哺乳などにも心配がある場合は、月齢を待たずに小児科、乳幼児健診、地域の発達相談へ相談してください。

以前できていた動きを失った場合は、月齢にかかわらず早めの受診が必要です。

STROKE LABの小児リハビリ。

STROKE LAB(東京・大阪)は、脳卒中を中心とする神経疾患専門の自費リハビリ施設です。乳児の発達相談では、寝返りの回数を増やすことだけを目的にせず、保護者が感じている「何となく気になる」を、視線、手足、体幹、支持面、左右差、生活場面へ分けて整理します。

診断、画像検査、医学的管理は小児科・主治医を尊重し、医療・健診が先です。そのうえで、家庭で安全に続けられる遊びと観察方法を一緒に組み立てます。小児リハビリの考え方はこちらからご確認いただけます。

Message & Clinical Backbone
焦りを、
わが子の動きを見る時間へ。
STROKE LAB代表 金子唯史

周囲の赤ちゃんと比べるほど、「早く寝返らせなければ」と感じるかもしれません。しかし、赤ちゃんの発達は完成した動作だけで進んでいるわけではありません。

視線が広がった、手が伸びた、足が上がった、横向きで顔を合わせられた。小さな変化を見つけることが、次の動きを育てる関わりの出発点です。

医療・健診での確認を大切にしながら、家庭で何を見て、どう遊ぶかを整理したい時はご相談ください。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史
書籍『脳の機能解剖とリハビリテーション』の表紙
Book
脳の機能解剖とリハビリテーション
医学書院/2024年/408頁|脳の領域別からリハビリテーション方法を提案する専門書

動作を「できる・できない」で終わらせず、姿勢、感覚、運動の連鎖として見る視点をまとめた専門書です。本記事でも、寝返りの完成だけでなく、視線から支持までの過程を読み解く土台として用いています。

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References

本記事は、公的な発達統計、安全な睡眠・うつ伏せ遊びの情報、乳児の運動発達に関する研究と、STROKE LABの臨床的な動作観察をもとに構成しています。診断・治療に代わるものではありません。お子さんの状態についての判断は、小児科医、主治医、乳幼児健診へご相談ください(最終確認日:2026年7月27日)。

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