動きがぎこちない・運動が苦手|運動制御の視点で「なぜ」を分析する – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 小児リハビリ
  4. 動きがぎこちない・運動が苦手|運動制御の視点で「なぜ」を分析する
小児リハビリ

動きがぎこちない・運動が苦手|運動制御の視点で「なぜ」を分析する

MOTOR CONTROL & CHILD DEVELOPMENT

ぎこちなさの奥にある、感じる・考える・動くのつながりを見ます

走ると転びやすい、ボールをうまく受け取れない、縄跳びや自転車が苦手、鉛筆や箸の操作がぎこちない——。それは「運動神経が悪い」「努力不足」だけでは説明できないことがあります。この記事では、子どもの動きを脳・感覚・姿勢・運動計画という運動制御の視点から整理します。

UPDATED2026
READ約13分
FOR3歳〜小学生のお子さんの保護者へ
BYSTROKE LAB

Quick Reference
最初に知ってほしい5つの視点。
01
ぎこちなさは「やる気」だけでなく、感覚情報の使い方や姿勢制御が関係することがあります
02
運動は、見る・感じる・姿勢をつくる・計画する・修正する流れで成り立ちます
03
同じ「転びやすい」でも、足元を見る力、体幹、力加減、予測、注意など背景は異なります
04
DCDが背景にある場合もありますが、不器用さだけで判断せず生活への影響を見ます
05
大切なのは「苦手を責める」ことではなく、動きやすい条件を見つけて成功体験を増やすことです

01
Everyday Worry

こんな場面で、気づきます。

A Parent’s Voice
「何度教えても、動きがぎこちないんです」

走ると足がもつれる。ボールを投げると体全体が固まる。縄跳びでは手と足のタイミングが合わない。字を書くと、筆圧が強すぎたり、線が震えたりする。

周りからは「運動が苦手なだけ」「もっと練習すれば大丈夫」と言われるけれど、親としては、なぜこんなにやりにくそうなのかが気になる。そんなご相談は少なくありません。

子どもの動きがぎこちなく見えるとき、私たちはつい「筋力が弱いのかな」「運動神経が悪いのかな」と考えがちです。しかし、運動は筋肉だけで生まれるものではありません。目で周囲を見て、足裏や関節から体の位置を感じ、頭の傾きやスピードを感じ、脳がそれらの情報をまとめ、次にどの順番で体を動かすかを決めています。

そのどこかに負荷があると、本人は一生懸命取り組んでいても、動きがぎこちなく見えることがあります。この記事では「できないこと」を並べるのではなく、なぜ難しくなっているのかを運動制御の視点から整理します。

02
Motor Control

運動制御とは、体を「思い通りに動かすしくみ」。

運動制御とは、脳と体が協力して、姿勢や動きを調整するしくみのことです。たとえばボールを受け取るとき、子どもはボールの位置を見て、飛んでくる速さを予測し、足の位置を調整し、体幹を安定させ、腕を出すタイミングと手の力加減を合わせます。この一連の処理がなめらかに働くと、動きは自然に見えます。

Key Point
ぎこちなさは「動きの結果」ではなく「調整の過程」を見る

同じように転んでいても、原因は一つではありません。足元が見えていないのか、体の位置を感じにくいのか、姿勢が先に崩れるのか、動きの順番が組み立てにくいのか、力が入りすぎるのか。結果だけでなく、動きが崩れる直前と直後を見ることが大切です。

03
Why Movement Looks Awkward

ぎこちなさを生む、5つの背景。

運動が苦手な子に共通して見られる背景は、一人ひとり異なります。ここでは保護者が理解しやすいように、運動制御の過程を5つに分けて整理します。

01
姿勢制御の難しさ土台

体幹や骨盤が安定しにくいと、手足を自由に使う前に体を支えることで精一杯になります。椅子に座るとすぐ崩れる、書字中に机にもたれる、片脚立ちが苦手、走ると上半身が大きく揺れるといった形で表れます。

02
感覚情報の使いにくさ入力

運動には視覚、前庭感覚、固有感覚、触覚が関わります。足裏から床を感じにくい、体の位置が分かりにくい、速い動きで不安になる、触られることに過敏になるなどがあると、動きの調整が難しくなります。

03
運動計画の立てにくさ順序

縄跳び、自転車、着替え、箸、はさみなどは、複数の動きを順番に組み合わせる必要があります。どこから動かすか、どのタイミングで切り替えるかが分かりにくいと、動作全体がぎこちなくなります。

04
予測制御の弱さ先読み

ボールを受ける、段差を越える、友達を避けながら走るには、少し先の状況を予測する必要があります。予測が苦手だと、反応が遅れたり、必要以上に体が固まったり、急な方向転換で転びやすくなります。

05
力加減とタイミングの調整出力

鉛筆を強く握りすぎる、ボールを強く投げすぎる、歩幅が合わない、ジャンプの着地が硬い。これらは筋力そのものではなく、必要な力を必要なタイミングで出す調整の問題として見ることができます。

— できない理由ではなく、動きやすくなる条件を一緒に探します

For Parents
「何を練習すればよいか」が分からないときこそ、動きの分析が役立ちます。

STROKE LABでは、動きのぎこちなさを、筋力だけでなく、感覚・姿勢・運動計画・予測・注意のつながりとして見ていきます。お子さんに合った練習の入口を一緒に整理します。

小児リハビリについて見る

04
DCD and Motor Control

DCDとの関係。診断より先に、生活の困りごとを見る。

発達性協調運動症(DCD)は、脳性麻痺や筋疾患などの神経・筋疾患で説明されないにもかかわらず、協調運動スキルの獲得や使用が難しく、日常生活や学校生活、遊びに影響する状態です。物を落とす、ぶつかる、書字やはさみ、箸、スポーツ、自転車などが難しいという形で見られることがあります。

ただし、「運動が苦手=DCD」とすぐに決めることはできません。視力、聴覚、筋力、関節の柔らかさ、注意、経験量、環境、心理的な不安、他の発達特性なども影響します。大切なのは、名前をつけることよりも、どの場面で、どのように困っているかを整理することです。

Possible Signs
気づきやすい場面

転びやすい、ぶつかりやすい、ボールや縄跳びが苦手、着替えに時間がかかる、箸やはさみが難しい、字が疲れやすい、姿勢が崩れやすいなど。

What Matters
判断のポイント

一つの活動だけでなく、園・学校・家庭など複数場面で困りごとが続くか、本人の自信や参加に影響しているかを見ます。

05
Signs by Age

年齢別に見たいサイン。

年齢によって、運動制御の困りごとは見え方が変わります。以下は診断ではなく、相談のきっかけとして見るための目安です。

時期 見られやすい困りごと 運動制御の視点
幼児期 走ると転ぶ、階段が不安定、三輪車・ブランコが苦手、着替えに時間がかかる 姿勢制御、前庭感覚、固有感覚、動きの順序づけ
年長〜小学校低学年 縄跳び、ボール、鉄棒、自転車、はさみ、鉛筆、箸が苦手 運動計画、左右の協調、力加減、予測制御
小学校中学年以降 体育を避ける、字を書くと疲れる、道具操作が遅い、集団遊びに入りにくい 自己効力感、注意配分、疲労、経験不足の二次的影響

06
Observation at Home

家庭で観察するポイント。

家庭では、できる・できないだけでなく「どんな条件だとうまくいくか」を見てください。床が滑ると崩れるのか、視覚的な目印があると動けるのか、ゆっくりならできるのか、見本があると分かるのか。ここに介入のヒントがあります。

Observation Sheet
「何が苦手か」より「どこで崩れるか」

活動の始まりで止まるのか、途中で姿勢が崩れるのか、スピードが上がると崩れるのか、最後まで続かないのか。崩れる場所を見つけると、必要な支援が具体的になります。

01
どの場面で
走る・階段・着替え・書字
02
どのタイミングで
開始・切り替え・最後
03
何があると
見本・目印・足台・声かけ
04
どう変わるか
安定・不安・疲労・集中

07
Approach

運動アプローチは「反復」より「条件づくり」。

運動が苦手な子には、ただ同じ練習を繰り返すよりも、成功しやすい条件を整えることが重要です。できた感覚を本人が感じられると、脳はその動きを学習しやすくなります。

視点 工夫 狙い
環境を変える 足台、滑りにくい床、視覚的な目印、道具の大きさを調整する 必要な感覚情報を得やすくする
動きを分ける 準備姿勢、最初の一歩、手を出すタイミングなどに分解する 運動計画を作りやすくする
予測を助ける 合図、リズム、目標物、スタート位置を明確にする 先読みしやすくし、不安と力みを減らす
フィードバックする 「もっと頑張って」ではなく「足をここに置くと安定したね」と具体化する 成功した条件を本人が理解しやすくする

08
Avoid Blaming

避けたい関わり方。

「できない」を責めるほど、体は固まり、挑戦する機会が減ってしまいます。

運動が苦手な子は、本人なりにすでに頑張っていることが多いです。そこに「なんでできないの」「もっと早く」「ちゃんとして」と声をかけると、緊張が高まり、動きがさらにぎこちなくなることがあります。

避けたい3つのパターン

・苦手な活動を、失敗したまま何度も反復させる

・「運動神経が悪い」「不器用だから」と性格のように扱う

・本人の不安や疲労を見ずに、年齢相応の課題だけを求める

09
When to Consult

相談の目安。

一時的な苦手さは、経験や成長とともに変化することもあります。一方で、困りごとが複数の場面で続く、本人が強く避ける、園や学校から繰り返し指摘される、日常生活に時間がかかる、転倒やけがが多い場合は、早めに相談してよいサインです。

Consultation
「様子見」だけでなく、今できる工夫を知る

相談は、診断名をつけるためだけのものではありません。今の困りごとの背景を整理し、家庭や園・学校でできる関わり方を具体化するためにも役立ちます。

10
FAQ

よくある質問。

Q動きがぎこちない子は、DCDですか?
不器用さだけでDCDと判断することはできません。DCDでは、協調運動の難しさが日常生活、学習、遊び、体育などに影響します。神経疾患や筋疾患、視覚、注意、環境など他の要因も確認する必要があります。
Q運動は苦手でも、成長すれば自然に良くなりますか?
年齢とともに変化する場合もありますが、困りごとが続く場合は早めに支援を考えることが大切です。苦手な経験が重なると、運動を避ける、体育が嫌いになる、自信を失うといった二次的な影響が出ることがあります。
Q家では何をすればよいですか?
まずは、できない活動を無理に反復するより、環境を整えて成功しやすい条件を作ります。足台を使う、目印をつける、動きを一つずつ分ける、リズムに合わせる、短時間で終える、できた部分を具体的にほめることが有効です。
Q筋トレをすれば改善しますか?
筋力が必要な場合もありますが、ぎこちなさの背景は筋力だけではありません。姿勢制御、感覚情報、運動計画、予測、力加減を見たうえで、活動の中で使える力として育てることが大切です。
Q相談すると、どんな評価をしますか?
姿勢、歩行、バランス、手足の協調、書字や道具操作、感覚の使い方、注意、本人の不安、家庭や学校の環境などを総合的に見ます。できる・できないだけでなく、どんな条件で動きが変わるかを確認します。

11
Our Program

STROKE LABの小児リハ。

STROKE LABは、脳卒中をはじめとする神経のリハビリを専門としてきた自費リハビリ施設です。子どもの運動のぎこちなさに対しても、筋力や練習量だけでなく、脳が感覚情報をどう使い、姿勢をどう安定させ、どのように運動を計画しているかを丁寧に見ていきます。

[写真:施設の落ち着いた小児リハビリ環境/運動制御を評価している場面]

Evaluation
動きの背景を分析

姿勢制御、感覚情報、運動計画、予測制御、力加減、タイミングを見ながら、お子さんが動きにくくなる背景を整理します。

Home Program
家庭で続けられる形へ

特別な練習だけでなく、遊び、姿勢、道具、声かけ、環境調整を通して、日常の中で動きやすさを育てます。

Message
ぎこちなさの中には、必ず理由があります。

大切なのは、子どもに「もっと頑張って」と求めることではなく、その子が動きやすくなる条件を一緒に探すことです。運動制御の視点で背景を整理できると、練習はもっと具体的で、前向きなものになります。

小児リハビリの相談を見る

References

・発達障害情報のポータルサイト「発達性協調運動症」

・NHS: Developmental co-ordination disorder (dyspraxia) in children

・CanChild: Developmental Coordination Disorder

・International clinical practice recommendations on DCD

CATEGORY

 

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

FOLLOW US

STROKE LABの記事は各種ソーシャルメディアでも配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしてください。

CATEGORY

関連記事

誠心誠意の機能向上に向けたリハビリ支援
脳卒中・パーキンソン病に特化した個別リハビリ支援。
病院で培った機能をつなぎ、可能性を広げる施設です。
〒113-0033 東京都文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階・5階
03-6887-5263
〒158-0082 東京都世田谷区等々力7-2-31 The Room 等々力West 201号 2026.3 OPEN
03-6887-5263
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満6-3-16 梅田ステートビル202号
06-7220-4733
ACCESS
会社案内
事業案内
その他