Vol.461.脳卒中軽~中等度麻痺患者の難しい両手動作とは?脳卒中患者の両手動作遂行を阻害する要因 – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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Vol.461.脳卒中軽~中等度麻痺患者の難しい両手動作とは?脳卒中患者の両手動作遂行を阻害する要因

 

 

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カテゴリー

 

脳科学

 

タイトル

●脳卒中軽~中等度麻痺患者の難しい両手動作とは?脳卒中患者の両手動作遂行を阻害する要因

 

●原著はPerceived ability to perform daily hand activities after stroke and associated factors: a cross-sectional studyこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●脳卒中患者の上肢練習を行う上で、どの程度の障害の方は、どのような生活場面であれば麻痺側を参加出来るのか理解することは大切である。より生活場面と上肢機能をリンクできるように学ぶため本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●脳卒中による上肢障害を有すると日常生活動作上の特に両手動作の実行を困難にします。両手動作の遂行能力は、脳卒中リハビリテーションの重要な目標です。日常的な活動で手を使用する能力はアンケートによって客観的に評価できます。質問表を使用する利点は、個人の自己申告による日常生活の困難をよりよく理解できることです。

 

●脳卒中後の上肢障害は一般的であるにもかかわらず、その障害が日常生活上の手の使用時にどのような動作が難しいと認識しているかということに影響するかについては限られた報告しかありません。この研究目的は、脳卒中後に上肢の軽度から中程度の障害を有する人が行うことが難しいと感じる日常生活上の手の活動を説明し、いくつかの潜在的な要因が自分が難しいと認識することと関連付けられているかを評価することでした。

 

 

方法

 

●脳卒中(4〜116ヶ月)後の上肢の軽度から中程度の障害を持つ75人(男性の72%)が研究に参加しました。毎日の手の活動を行うにあたっての自身のパフォーマンスについての認識はアンケートで評価されました。毎日の手の活動を実行する認識能力と潜在的に関連する要因(年齢、性別、社会的および職業的状況、利き手・非利き手、上肢の痛み、痙性、握力、手の体性感覚、手先の器用さ、知覚された参加と人生の満足度)は線形回帰モデルによって評価された。

 

 

結果

 

●脳卒中後の上肢の軽度から中等度の障害を持つ人にとって困難または不可能と認識された活動は、より麻痺手の細かい手先の器用さを必要とする両手作業でした。日常生活で手を使用する能力を向上させるために、脳卒中後の上肢のリハビリテーションにおいて、器用さおよび意識的な参加(何に手を参加出来るかの自己認識)が特に重要な要素です。

 

●ABILHANDの項目の評価により23項目のうち8項目は実行が大変である又は不可能であると認識された。「シャツのボタンを留める」という動作を除いて、高レベルの細かい手先の器用さを必要とするものとして分類された両手作業です。参加者の多くは、胸のボタンを留めることは出来ると述べたが、袖のボタンは麻痺手で実行するのは困難または不可能でした。さらに「ジャガイモの皮をむく」は、細かい両手での器用さ(レベルC)を必要とする課題として分類されますが、参加者の大多数にとっては簡単であると考えられた。スウェーデンのジャガイモの皮むきは、ナイフではなく、特別なジャガイモの皮むきの道具を使用して行われます。

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●上記の表で困難な部分について言及したが、ランクAなどより可能と思われる生活動作を理解しておくことも重要。手洗いやいくらか粗雑にでもお菓子(今回はチョコレートの袋)の袋を開ける、バターを塗るなどは比較的可能なよう。その出来る出来ない動作が何が違うのか、どの動きが難しいのか整理していくことも大切。

 

 

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