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vol.410:脳卒中後のトイレ動作はなぜ難しいのか? Berg Balance Scale (BBS)などで評価 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

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カテゴリー

脳卒中
 
 
 

タイトル

脳卒中後のトイレ動作における障害

Impairment in toileting behavior after a stroke.Eri
Kawanabe, Makoto Suzuki, Satoshi Tanaka, et al. (2018)

 
 
 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・脳卒中後、トイレ動作は獲得すべき動作の優先順位は高い。また、自宅退院の可否を決める重要な要素なので本論文を読むことにした。
 
 
 

内 容

INTRODUCTION

・脳卒中患者とその家族にとってトイレ動作を自立させることは重要である。
 
・トイレ動作は色々な動作の組み合わせである(例えば「下衣を下ろす」「殿部清拭をする」「トイレットペーパーを切る」など)。トイレ動作を構成するこれら動作は行動面・認知面・身体的側面を含む多次元的な性質を持つので複雑である。
 
・本研究では我々は(i) トイレ動作の構成動作には易しいものと難しいものがある (ii)脳卒中患者においてトイレ動作自立を予測する因子がある、と二つの仮説を立てた。

 
 
 

METHODS

・被験者は脳卒中で入院しており、重度意識障害がなく、背もたれなし椅子に30分以上良肢位で座位保持できることなどを条件とした。TBに焦点を当てたため、排尿と排便コントロールは被験者にするか否かの条件にしなかったが、FIMにより評価した。
 
・TBを10項目に分けた
 
①車椅子から立ち上がる
②便器に向かって方向を変える
③下衣を下げる
④トイレに座る
⑤トイレットペーパーを切る
⑥殿部清拭
⑦トイレから立ち上がる
⑧下衣を上げる
⑨車椅子の方に方向転換する
⑩車椅子に座る。
 
・一般的に性別でトイレ動作は異なるが、本研究では男女ともに同じ項目で評価した。トイレ動作の評価では「トイレ動作を行ってください」と口頭指示してから始まる。構成動作が不十分だったり、5秒待っても何もしない際には4つのレベルの手掛かり(口頭、見本、タッピング、介助)を与える。口頭の手掛かりは「車椅子から立てますか?」と聞く。見本は患者が模倣できるようセラピストが模擬動作を行う。タッピングでは手掛かりとなる感覚情報を与え、介助では正しい動作が行えるように誘導する。採点は指示なしなら0点、口頭指示なら1点、見本なら2点、タッピングが3点、介助は4点とした。
 
・身体機能・認知機能の評価としてFugl-Meyer Assessment(運動機能の重症度を評価。上肢66点、下肢34点の計100点満点で評価。点数が高いほど機能が良い。)、Berg Balance Scale (BBS。56点満点でバランス機能を評価。点数が高いほど機能が良い。)、Mini-Mental State Examination(MMSE。30点満点で認知機能を評価。点数が低いほど障害が重い。)を行った。半側空間無視と失語は「あり」「なし」で評価した。

Berg Balance Scale (BBS)↓↓↓

 
・トイレ構成動作の相対的な難しさを決めるために、構成動作の得点とそれらの合計得点をBoltzmann sigmoid方程式を用いて計算した。Boltzmann sigmoid曲線では難しいほど曲線が左に偏位する。構成動作の点数と患者の個人因子・心身機能との関係を評価するためにgeneralized linear modelを用いた。
 
 
 

RESULTS

・患者の特性はTable 1に示した通り。
 

 
・Boltzmann sigmoid方程式から計算された1つの構成動作の点数と構成動作の合計点の関係をFigure 1に示した。Figure 1の男性データの曲線(点線)と女性データの曲線(鎖線)はほとんど一致するが、下衣の脱衣(c)と便器からの立ち上り(g)は例外だった。
 

 
・統計結果からは「下衣をあげる」「車椅子から立ち上がる」「車椅子へ方向を変える」は難易度が高く、「トイレットペーパーを切る」「殿部清拭をする」「トイレに座る」は難易度が低かった(Fig. 1; Table 2)。すべての要素の中で「トイレットペーパーを切る」が最も簡単で「下衣をあげる」が最も難しかった(Figure 2)。
 

 

 
・generalized linear modelの結果からBBSの点はほとんどの排泄の構成動作の自立における有意な予測を示した(Table 3)。

 

 

 
 
 

私見・明日への臨床アイデア

・トイレ動作の中で立位の動作が特に自立しづらいというのは予想通りであった。トイレの実動作訓練に先立って立位バランスの評価・訓練が必要であると考えられる。
 
・本実験では簡単とされたトイレットペーパーを切る動作であるが生活期の片麻痺の方と接する中では「片手で行うのは難しい。」という声をよく耳にする。ごく簡単な両手動作なのでリハビリの早期から実動作訓練を行うことが好ましいと考える。

 
 
 
 

職種 理学療法士

 

 

 

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