運動学習のステージと効果的なフィードバック方法:脳卒中リハビリにおける段階的アプローチの重要性
意識しすぎると、なぜ動作は乱れるのか。運動学習の神経機序と臨床応用。
「足を出して、膝を伸ばして…」と細かく指示するほど、患者さんの動きがぎこちなくなる。そんな経験はないでしょうか。運動学習の研究では、動作を意識的に組み立て直そうとすると、自動化された動きが崩れやすいことが知られています。本記事では、脳卒中リハビリに役立つ運動学習の理論とエビデンス、そして明日から使える声かけと練習の組み立て方を整理します。
要点5項目。
この記事のまとめ:運動学習の結論。
目標に注意を向けて、たくさん練習する。
脳卒中後の患者さんは、動作を一つひとつ意識して制御しがちです。その結果、声かけを増やすほど動きがぎこちなくなり、会話などが加わると崩れやすくなります。
対応の柱は3つです。目標に注意を向ける声かけ、誤りの少ない練習、十分な練習量。どれも患者さんごとに反応を確かめながら使います。
臨床でよくある4つの場面と対応
| よくある場面 | なぜ起きるか | まず試すこと | 根拠の強さ |
|---|---|---|---|
| 声かけを増やすほど動作が乱れる | 自動化された動きを、意識で組み立て直してしまう(再投資) | 目標物や動作の結果に注意を向ける声かけ(外的焦点) | メタ解析あり/脳卒中の研究は限定的 |
| 会話しながらだと歩行が崩れる | 脳卒中後は、歩行を保つために注意を多く使っている | 単一課題で安定してから、二重課題を段階的に加える | メタ解析あり |
| 試行錯誤させると混乱し、自信を失う | 注意や記憶への負担が大きい | 誤りの少ない難易度から始めるエラーレス学習 | 小規模研究 |
| 改善が頭打ちに見える | 練習量の不足、フィードバックの与えすぎ | 反復回数を確保し、フィードバックは頻度を減らす | メタ解析あり |
ここから先は、この結論の根拠を順に解説します。運動学習の基本(第2章)、意識しすぎると乱れる仕組み(第3章)、ほかの原因との見分け方(第4章)、評価(第5章)、具体的な介入(第6章)の順です。
運動学習の定義と3段階モデル。
運動学習(motor learning)とは、練習や経験によって、動作を比較的長く続く形で上手に行えるようになる過程です。その場で一時的に上手にできること(パフォーマンス)と、時間をおいても保たれる変化(学習)は区別して考えます。そのため、学習の効果は「保持テスト」や「別の場面への転移」で確かめます。
脳卒中後の患者さんは、動作を一つひとつ意識して制御しようとしがちです。この「意識的な制御」は、歩きながら話す、段差に注意しながら歩くといった二重課題の場面で破綻しやすくなります。脳卒中後の研究でも、手順を言葉で覚えた人ほど、認知課題を加えたときにバランスが崩れやすいことが報告されています(Orrell et al., 2006)。
運動学習の3段階モデル(Fitts & Posner, 1967)

「何をどうすればよいか」を考えながら動く段階です。誤りが多く、注意を大きく使います。説明や手本が役立つ一方、情報を詰め込みすぎると混乱します。
動作のこつがつかめ、誤りが減っていく段階です。動きの流れがなめらかになり、細かな調整に注意を向けられるようになります。
ほとんど意識せずに動作できる段階です。会話や周囲への注意など、別の課題と同時に行っても崩れにくくなります。生活場面で目指したい状態です。
3段階モデルは行動の変化を説明する枠組みで、脳の部位と一対一に対応するものではありません。段階ごとのフィードバックの使い分けは、運動学習のステージと効果的なフィードバック方法で詳しく解説しています。
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STROKE LABは、退院後も諦めずに動作改善を目指す方のための自費リハビリ施設です。神経疾患に精通したセラピストが、運動学習理論に基づく個別プログラムを提供します。まずはお気軽にご相談ください。
意識しすぎると動作が乱れる仕組み。
まず、回復期でよく出会う場面から考えてみましょう。
68歳・男性。脳梗塞発症から4か月で、回復期リハビリ病棟に入院中です。左片麻痺(BRS上肢Ⅳ・下肢Ⅳ)、FIM歩行5点。「歩くとき足がどこにあるか分からなくなる。頭で考えると余計ぐらつく」と話します。
初回評価は、10m歩行22秒(約0.45m/s)、TUG28秒、Berg Balance Scale 34点でした。歩行中に「足を出して」「膝を伸ばして」と声かけを増やすほど、歩行速度が落ち、体幹の揺れが大きくなります。
「意識すれば動けるはず」という直感とは逆に、意識するほど動作が乱れるのはなぜでしょうか。

健常者の歩行は、多くの部分が自動的に制御されています。ところが脳卒中後は、歩行を保つために注意や遂行機能(前頭前野が担う働き)に頼る割合が増えます。実際に、脳卒中後の歩行中は前頭前野の活動が高まりやすいことが報告されています(Clark, 2015)。
注意の容量には限りがあります。歩行に注意を使い切っていると、会話や周囲の確認が加わったときに余力がなくなり、動作が乱れたり転倒しやすくなったりします。

姿勢制御には、①前庭系(加速度・傾き)、②視覚系(外界との位置関係)、③体性感覚系(足底・関節の位置)の情報が統合されて使われます。この統合の多くは、意識にのぼらない速さで進みます。一つひとつを意識で確かめながら動こうとすると、反応が間に合わなくなりやすいのです。

再投資理論と制約行為仮説
再投資理論(Theory of Reinvestment)は、ふだん自動的にできている動作でも、手順を意識的に確認し直すと崩れることがあると説明します(Masters & Maxwell, 2008)。
制約行為仮説(Constrained Action Hypothesis)は、身体の動きそのものに注意を向ける内的焦点が、自動的な制御を妨げるという考え方です(Wulf, McNevin & Shea, 2001)。動作の結果に注意を向ける外的焦点のほうが、自動的な制御を引き出しやすいとされます。この考えはのちに、意欲や自信も含めたOPTIMAL理論に発展しました(Wulf & Lewthwaite, 2016)。
Orrell, Eves & Masters(2006)Physical Therapy:脳卒中後の成人10名と高齢者12名が、スタビロメーター(揺れる板)上でバランスを保つ課題を練習しました。学び方は、誤りの少ない「エラーレス学習」と、試行錯誤で覚える「発見学習」の2通りです。単一課題と、認知課題を同時に行う条件でバランスを比べました。
主な結果:脳卒中後に発見学習をした人だけが、認知課題を加えるとバランスが悪化しました。エラーレス学習をした人では、脳卒中の有無にかかわらず悪化はみられませんでした。
読み方の注意:対象者が少なく、課題も実験室のものです。脳卒中後の暗黙的学習に関する系統的レビューでも、全身運動を扱った研究はこの1件のみでした(Kal et al., 2016)。有望な知見ですが、確定的な結論ではありません。
鑑別:ほかの原因を見分ける。
「意識すると動けなくなる」ように見えても、原因は一つとは限りません。運動失調や感覚障害、高次脳機能障害、転倒への恐怖が隠れていることもあります。介入を選ぶ前に、次の点を確認しましょう。
| 鑑別疾患・状態 | 共通点 | 鑑別ポイント | 参考検査・評価 |
|---|---|---|---|
| 過度な意識的制御 (動作への注意の向けすぎ) |
動作のぎこちなさ・バランス低下 | 指示や自己確認が増えるほど悪化。声かけを外的焦点に変えると改善することがある。 | dual-task評価・Berg Balance Scale |
| 小脳性運動失調 | 動作のぎこちなさ・バランス低下 | 測定異常・眼振・企図振戦・構音障害など小脳症状を伴う。 | ICARS・SARA・指鼻試験 |
| 感覚性運動失調 | バランス障害・歩行不安定 | 閉眼で著明に悪化(Romberg陽性)。視覚で代償している。 | Romberg試験・深部感覚検査・mCTSIB |
| 高次脳機能障害 (注意障害・遂行機能障害) |
dual-task困難・動作の乱れ | 指示の理解・記憶・注意に問題がある。神経心理学的検査で低下がみられる。 | MMSE・TMT・FAB・RBMT |
| 運動恐怖(kinesiophobia)・不安 | 動作への過度な注意・動作の回避 | 「転ぶのが怖い」と訴え、慎重すぎる動きになる。転倒恐怖の尺度で高得点。 | FES-I・ABC Scale |
小脳性の運動失調が疑われる場合は小脳梗塞・小脳出血のリハビリ、注意や遂行機能の影響が大きい場合は高次脳機能障害で歩行が崩れる理由もあわせてご覧ください。
評価尺度と採点基準。
運動学習の進み具合は、一つの尺度では捉えきれません。動作の速さ・バランス・転倒への不安を組み合わせて評価しましょう。特にdual-task(二重課題)条件での評価は、動作がどこまで自動化したかを知る手がかりになります。

| 評価尺度 | 採点基準・範囲 | カットオフ値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| Berg Balance Scale(BBS) | 0〜56点(14項目×0〜4点) | 45点未満:転倒リスクの目安(Berg 1992) MDC:急性期6.9点・慢性期2.5〜4.7点(脳卒中) |
介入前後の変化がMDCを超えたかで、測定誤差以上の変化かを判断する。 |
| TUG(Timed Up and Go) | 立ち上がり→3m歩行→帰還→着座の所要時間(秒) | 14秒超:転倒リスク(高齢の脳卒中患者/Andersson 2006) MDC:2.9秒(慢性期脳卒中) |
認知課題を加えたTUGで、二重課題での低下の大きさを確認できる。 |
| 10m歩行テスト | 10m歩行速度(m/s)。快適速度・最速速度の両方測定。 | 0.8m/s超:地域歩行の目安(Perry 1995) MCID:0.16m/s(Tilson 2010) |
声かけを変えた前後の速度を比べ、その場での反応を確認する。 |
| FES-I(Falls Efficacy Scale-International) | 16〜64点(16項目×1〜4点) | 16〜19:低/20〜27:中等度/28以上:高(Delbaere 2010・地域高齢者) 脳卒中に特化した基準値は未確立 |
転倒への不安が強いと、動作を過剰に意識しやすい。声かけや課題設定の参考にする。 |
信頼性:脳卒中患者で、再テスト信頼性ICC=0.98(慢性期/Liston & Brouwer, 1996)、検者間信頼性ICC=0.95(急性期/Mao et al., 2002)と高い値が報告されています。
MDC(最小可検変化量):急性期の脳卒中患者では6.9点(Stevenson, 2001)、慢性期では2.5〜4.7点と報告されています。高齢者では、開始時の点数によって4〜7点と変わります(Donoghue & Stokes, 2009)。
解釈のポイント:MDCは「測定誤差を超えた変化か」を判断する値です。患者さんにとって意味のある変化(MCID)とは別物なので、混同しないようにしましょう。数値の一覧はShirley Ryan AbilityLabの評価データベースで確認できます。
各検査の具体的な実施手順は、BBS(バーグバランススケール)の採点方法とTUGテストのカットオフ値と評価方法で写真付きで解説しています。
運動学習を促す介入とエビデンス。
運動学習を促す工夫の中心は、「意識的な制御に頼りすぎないこと」と「十分な練習量を確保すること」です。練習時間を増やした群のほうが改善が大きいことは、メタ解析でも示されています(Lohse et al., 2014)。そのうえで、次の4つの工夫をセッションに組み込みましょう。

「膝を伸ばして」を「目の前のマーカーに足を出して」に言い換えます。73研究のメタ解析では、外的焦点はその場のパフォーマンスと学習(保持・転移)の両方で有利でした(Chua et al., 2021)。一方、慢性期脳卒中39名の研究では自動化の向上はみられませんでした(Kal et al., 2015)。外的焦点を基本にしつつ、その場で動作や速度を比べて合う声かけを選びましょう。
やさしい課題から始め、誤りがほとんど出ない難易度で少しずつ上げていきます。言葉での説明を最小限にし、動きの中で覚えてもらうのがポイントです。脳卒中後の研究では、この方法で覚えた人は認知課題を加えてもバランスが崩れにくかったと報告されています(Orrell et al., 2006)。
「メトロノームの音に合わせて、あの目印まで歩きましょう」と伝えます。注意が足の動きから音とゴールへ移ります。脳卒中のメタ解析では、歩行速度・歩幅・ケイデンス・バランスの改善が報告されています(Wang et al., 2022)。テンポは現在のケイデンスに合わせて始め、慣れたら少しずつ上げるのが一般的です。
歩行が単一課題で安定してきたら、数を数える・会話するなどの認知課題を少しずつ加えます。8件のRCTを統合したメタ解析では、二重課題練習で歩行速度が約0.11m/s、バランスも改善しました(Fisioterapia e Pesquisa, 2025)。課題の組み合わせ方は二重課題トレーニングの効果的な組み合わせで詳しく紹介しています。
Hatem et al.(2016)Frontiers in Human Neuroscience:上肢機能のリハビリ技法ごとに系統的レビューを整理した研究です。筋力強化・CI療法(CIMT)・ミラーセラピー・運動イメージなどは、慢性期の患者でも推奨される技法として挙げられました(原著)。ただし、機能障害の改善が生活動作の改善に直結しない場合もあると指摘されています。
練習量:練習時間を増やした群は、少ない群より改善が大きいことが示されています(効果量g=0.35/Lohse et al., 2014)。著者らは、予定時間ではなく「実際に動いた時間」や「反復回数」で練習量を管理するよう勧めています。

STROKE LABでは、最新の運動学習理論とエビデンスに基づいた個別プログラムを提供しています。脳卒中後の長期回復期の方にも、外的焦点・エラーレス学習・dual-task練習を組み合わせた専門リハビリを行っています。まずは無料相談でご状況をお聞かせください。
多職種連携と環境調整。
各職種の役割と連携ポイント
| 職種 | この疾患での評価項目 | 主な介入内容 | 他職種との連携ポイント |
|---|---|---|---|
| PT(理学療法士) | 歩行・バランス(BBS・TUG)・dual-task評価 | 外的焦点歩行訓練・エラーレス学習・バランス訓練 | OT・STと統一した指示言語(外的焦点)を共有する |
| OT(作業療法士) | ADL・上肢機能・遂行機能・注意機能 | ADL場面での外的焦点活用(目標物への動作)・環境設定 | PTと学習段階の共有(認知/連合/自動のどの段階か) |
| ST(言語聴覚士) | 認知機能・注意・ワーキングメモリ | 認知リハ・注意訓練・指示理解力の評価と向上 | 認知負荷の限界値をPT・OTと共有し、dual-task訓練の難易度調整に活かす |
| 看護師 | 病棟ADL・転倒リスク・精神状態 | 病棟での歩行・移乗時に外的焦点の声かけを継続 | 「足を出して」ではなく「あちらに向かって進んで」という指示言語を病棟全体で統一 |
| 医師 | 病変部位・認知機能・服薬状況 | 病変部位と画像所見の共有・神経心理学的評価の依頼 | 眠気や注意低下を起こしうる薬剤(睡眠薬・抗不安薬・一部の抗てんかん薬など)の情報共有 |
| MSW(医療ソーシャルワーカー) | 生活環境・退院後のリハビリ継続体制 | 自費リハ・外来リハ・訪問リハのコーディネート | 退院後も練習量を確保できるよう、外来・訪問・自主練習の体制を調整 |
「声かけの言葉を多職種でそろえることが、実はとても大切な連携です。PTが外的焦点で練習していても、病棟で『足をこう出して』と声をかけられると、患者さんは混乱しやすくなります。」
「環境づくりも連携の一部です。廊下に目標物(視覚的な目印)を置くなど、病棟全体で練習を支える工夫をしましょう。」
つまずきポイントと臨床判断のコツ。
運動学習の介入で、新人セラピストがつまずきやすい点と対策を3つに整理しました。

フィードバックの与え方のコツ
「フィードバックは毎回与えなくて大丈夫です。毎回伝えると患者さんが頼りきりになり、自分の感覚で修正する力が育ちにくくなります。うまくいった試行の後に、具体的にほめるのが効果的です。自信や期待感が高まると学習も進みやすいことが、研究でも示されています。」
「手本の動作を見せる『動作観察』も使えます。上肢では、動作観察で腕や手の機能がわずかに改善するというコクランレビューがあります。見たあとに『同じようにやってみましょう』と促すと、言葉で説明するよりこつが伝わりやすいことも多いです。」
フィードバックの頻度を減らすほうが、保持テストでの成績が良いことは古くから知られています(Winstein & Schmidt, 1990)。パーキンソン病の研究でも、毎回ではなく約3分の2の試行にだけ結果を伝えた群のほうが、保持テストで正確でした(Chiviacowsky et al., 2010)。動作観察の根拠はコクランレビュー(Borges et al., 2022)を参照してください。
予後とゴール設定。
ゴールを決めるときは、運動機能だけでなく、注意や記憶などの認知機能も合わせて考えます。「この患者さんはどの学び方で進めるか」を決めておくと、目標と練習内容がぶれにくくなります。

短期目標(4〜8週):単一課題(歩行のみ)で動作を安定させます。BBSやTUGは、測定誤差(MDC)を超える改善を一つの目安にします。たとえば慢性期のTUGなら3秒前後です。
長期目標(3か月以上):二重課題の条件でも動作が崩れにくい状態を目指します。会話しながらの病棟内歩行や、生活動作の中での自動化が目標です。退院後も練習量を確保できる支援体制を整えます。
よくある質問。
外的焦点とは何ですか?内的焦点と何が違うのですか?
外的焦点(external focus)は、動作の結果や目標物に注意を向けることです。「膝を曲げて」という内的焦点に対し、「床のマーカーに足を出して」のように声をかけます。多くの研究で、外的焦点のほうが動作の自動的な制御を引き出しやすく、パフォーマンスと学習の両方に有利とされています。
エラーレス学習と発見学習、脳卒中患者にはどちらが有効ですか?
脳卒中後の小規模研究(Orrell et al., 2006)では、発見学習で覚えた人は認知課題を加えるとバランスが悪化しました。一方、エラーレス学習で覚えた人では悪化がみられませんでした。注意や記憶の障害がある人では、エラーレス学習を検討する価値があります。ただし研究数は少なく、患者さんごとに反応を見て選ぶことが大切です。
運動学習の3段階モデルとは何ですか?
Fitts & Posner(1967)のモデルで、「認知段階→連合段階→自動段階」の3つに分かれます。認知段階では考えながら動き、連合段階でこつをつかみ、自動段階ではほとんど意識せずに動けるようになります。リハビリでは、生活場面で自動段階に近づくことを目指します。
フィードバックはどのくらいの頻度・タイミングで与えるのが効果的ですか?
毎回フィードバックを与えるより、頻度を減らしたほうが保持テストの成績が良いことが知られています。頼りきりにならず、自分の感覚で修正する力が育つためです。うまくいった試行の後に具体的に伝えると、自信が高まり学習も進みやすくなります。
歩行訓練中に患者が「歩こう」と意識しすぎるとなぜ問題なのですか?
脳卒中後は、歩行を保つために注意や遂行機能に頼る割合が増えています。そこで動作を一つひとつ意識すると、自動的な調整が働きにくくなり、注意の余力もなくなります。会話や周囲の確認が加わると動作が乱れやすくなり、転倒の危険も高まります。目標物やリズムに注意を向ける声かけが役立ちます。
運動学習の効果を高めるためには週何回・どのくらいの期間続ける必要がありますか?
「週何回・何か月」という決まった推奨値はありません。メタ解析では、練習時間を増やした群のほうが改善が大きいことが示されています。回数を決めるより、1回あたりの反復回数と、実際に体を動かした時間を確保することが大切です。退院後も自主練習を含めて練習量を保てるよう計画しましょう。
STROKE LABのプログラム。
STROKE LABは、脳卒中をはじめとする神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。退院後も「もっと良くなりたい」という方へ、運動学習のエビデンスを踏まえた個別プログラムを提供しています。外的焦点の声かけ・エラーレス学習・二重課題練習を、一人ひとりの状態に合わせて組み合わせます。
— STROKE LABのリハビリで実際に身体がどう変わるか、変化動画でご確認ください
「回復期病棟で担当した60代女性の方で、歩くたびに『足が出ているか』を意識しすぎてバランスを崩すケースがありました。試しに廊下の先にコーンを置いて『あのコーンまで歩きましょう』と指示を変えただけで、その場で歩行が安定したんです。帰宅後も”目的地を見て歩く”という習慣が自然に身につき、3か月後には一人での外出が可能になりました。外的焦点がここまで即効性を持つとは、自分自身が一番驚きました。」— 理学療法士・臨床経験7年・神経疾患専門
「脳卒中後の認知機能低下がある方に発見学習(試行錯誤)を続けてしまい、エラーが積み重なって患者さんのモチベーションが下がった経験があります。上司にアドバイスをもらい、エラーレス学習に切り替えたところ、徐々に自信を取り戻し、最終的にFIMの歩行スコアが5→6に改善しました。学習戦略の選択がいかに重要かを実感した出来事でした。認知評価を先にきちんと行うことの大切さを、この経験で学びました。」— 作業療法士・臨床経験5年・高次脳機能障害担当
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諦めないでください。

「6か月を過ぎたから、もう無理」「リハビリを続けても、もう変わらない」――そんな言葉を聞くたびに、私は悔しさを覚えます。慢性期でも、技法と練習量しだいで機能が改善したという報告は少なくありません。
STROKE LABでは、外的焦点・エラーレス学習・二重課題練習を組み合わせた一人ひとりに最適化された運動学習プログラムを提供しています。「本気で変わりたい」という方の力になることが、私たちの使命です。
まず20分の無料相談から始めましょう。あなたの現在の状況と目標をお聞きし、具体的なプランをご提案します。料金は1回払い制ですので、まずは試してみることができます。
代表取締役 金子 唯史
参考文献。

1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024) パーキンソン病の機能促進:医学書院 (2025)