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評価シリーズ

RMI(リバーミード移動指数)|15項目の採点基準・評価方法・記録PDF

STROKE LAB / ASSESSMENT GUIDE

RMI|リバーミード移動指数
15項目の条件を、生活の移動につなげる

寝返りから屋外歩行・走行までを確認するRivermead Mobility Index。質問と観察の違い、補助具の扱い、点数の読み方を整理します。

更新:2026年11月8日 対象:PT・OT・STなどの医療職/患者・家族

114問+1観察

原版は本人への質問が中心。項目5の立位は直接観察します。

2合計0〜15点

各項目は0/1点。高いほど、条件を満たす移動動作が多いことを示します。

3条件ごとに判断

時間・距離・補助具・人的介助の条件は、項目によって異なります。

01

RMIで分かること・分からないこと

RMIは、Collenらが1991年に報告した移動能力の尺度です。脳卒中・頭部外傷後の評価として開発され、体位変換、姿勢保持、移乗、歩行などを扱います。歩行だけを評価する尺度ではありません。[1]

合計点は「生活全体の自立度」ではありません。

同じ点数でも、難しい動作や必要な支援は異なります。転倒リスク、歩行の質、疲労、認知面、住環境は別に確認し、点数だけで外出・入浴の安全を許可しないでください。

本記事の項目名・条件は、公開英語用紙を理解するための編集上の要約です。2005年に報告された日本語版の質問文・正式用紙そのものではありません。[2] [3]

02

準備と実施|本人への質問と立位観察

使用する版の用紙と筆記具、秒数を測れる時計を用意します。原版の質問では、普段の実施状況と、各項目が指定する条件を確認します。全15項目をその場で実演させる検査として扱わないことが大切です。[1] [2]

質問と観察を分ける
RMIの実施方法を2場面で示したイラスト。①評価者が本人に普段の移動について質問する場面、②支えを使わない立位を評価者が観察する場面
図01:①②は説明の順番です。RMIの項目番号ではありません。

①本人に聞く

原版では14項目が質問です。杖、装具、他者の手助けなどを具体的に確認し、「できそう」という推測だけで答えを決めません。

②立位を観察

項目5は、支えを使わず10秒間立っている状態を確認します。安全に観察できる場所で実施します。

安全のための介助と、採点条件を分けます。

転倒のおそれがあれば必要な介助を優先します。支えて達成した動作を「支えなし」とは判定しません。危険な屋外路面や走行を、点数確認のためだけに試す必要はありません。

回答が難しい・実施できないとき

聞こえや理解を確認し、本人が答えやすい伝達手段を整えます。家族やスタッフから補足を得た場合は、本人の回答と区別して記録してください。ANPTの資料では、項目5以外について本人または代理者による回答が可能とされています。ただし、日本語版への適用条件や代理回答と本人回答の同等性まで確認できたわけではありません。試行回数・欠損値の補完方法も今回の確認資料では確定できませんでした。[6]

確認できない項目は理由を残し、採用版の指示を確認します。未回答を機械的に0点としたり、残りの項目から15点満点へ換算したりしない運用を勧めます。これは不確かな採点を避けるための実務上の提案です。

03

15項目と採点条件の一覧

基本:条件を満たす「はい」が1点、「いいえ」が0点。

15項目を合計し0〜15点で示します。部分点はありません。順序尺度なので、1点差の意味がどの得点域でも同じとは限りません。[2] [4]

公開英語用紙に基づく日本語の条件解説。検証済み日本語版の質問文ではありません。PDFの1ページ目にも同じ15項目を掲載し、2ページ目に照合用の公開英語用紙を収録しています。[2]
項目 確認する条件・注意点
1 寝返り 仰向けから横向きへ、他者の手助けなし。
2 起き上がり 臥位からベッド端の座位へ、自分で移る。
3 座位保持 ベッド端で、つかまらず10秒。
4 立ち上がり 椅子から15秒未満で立ち、その後15秒立つ。手や補助具の使用は可。
5 立位保持 直接観察。いかなる支えも使わず10秒。
6 移乗 ベッドと椅子の間を往復。他者の手助けなし。
7 屋内歩行
補助具可
10m。補助具は可。介助に備えた付き添いを必要としない。
8 階段 ひと続きの階段を、他者の手助けなしで移動。
9 屋外歩行
平坦路
舗装された道などを、他者の手助けなしで歩く。
10 屋内歩行
補助具なし
10m。装具・スプリント・補助具を使わず、家具や壁にも頼らない。他者の手助けなし。
11 床の物を拾う 5m歩き、床の物を拾って戻る。他者の手助けなし。
12 屋外歩行
不整地
草地・砂利道などの不整地を、他者の手助けなしで歩く。
13 入浴 浴槽/シャワーへの出入りと洗身。監視・手助けなし。
14 4段の昇降 手すりを使わず、4段を上り下り。他者の手助けなし。補助具は可。
15 走行 10mを4秒以内で、跛行なく移動。跛行のない速歩も許容される。

「補助具可」は使用必須という意味ではありません。原用紙が規定していない椅子の寸法、階段の蹴上げ高、一律の試行回数を、本記事で追加していません。

04

迷いやすい条件を、並べて確認

座位と立位|同じ10秒でも確認方法が違う

項目3座位保持

ベッド端に腰かけ、手でどこにもつかまらずに座っている座位保持(項目3)の条件例のイラスト
図02:項目3の条件例

質問項目です。図は条件の説明であり、原版が全員に実演を求めているという意味ではありません。手でベッド柵などにつかまる状態と区別します。

項目5立位保持

杖や手すりを使わず、支えなしで立っている立位保持(項目5)の観察場面のイラスト
図03:項目5の観察場面

直接観察する項目です。杖・手すり・身体介助で支えられた立位を含めません。評価者が安全確保のため近くにいることと、身体を支えることは区別します。

項目4と項目5も別条件です。

項目4は「15秒未満で立つ+15秒立つ」。手・補助具を使えます。項目5は「支えなしで10秒」であり、同じ採点条件ではありません。

屋内歩行|補助具の条件を比べる
屋内歩行の条件を比べたイラスト。左は杖を使って歩く例(項目7)、右は杖・装具や壁・家具の支えを使わずに歩く例(項目10)
図04:左右は条件を説明する別例です。同一患者の改善経過を示していません。

項目7補助具あり

図は杖の使用例です。必要なら補助具を使えますが、介助に備えた付き添いが必要な歩行を「自立」と読み替えません。

項目10補助具なし

杖だけでなく、装具や壁・家具による支持も確認します。「杖なし」だけで条件を満たしたことにはなりません。

階段|段数と手すりの条件を比べる
階段の条件を比べたイラスト。ひと続きの階段を上る例(項目8)と、手すりを使わずに4段を上る例(項目14)
図05:条件の違いを示す例。上りの場面を描いていますが、項目14は下りも含めて判断します。

項目8階段

ひと続きの階段について確認します。項目14の「手すりなし・4段」という条件を、そのまま移して採点しません。

項目144段の昇降

手すりなしで上り下りできることが条件です。補助具は許容されます。上れたという情報だけで、下りも可能とは決めません。

05

PDF|15項目を確認できる日本語解説・採点記録シート

15項目の内容、時間・距離・補助具の条件、0/1点の記入欄、合計欄を掲載したPDFです。日本語で条件を確認しながら記録できるようにし、2ページ目には照合用の公開英語用紙を収録しました。

RMI日本語解説・採点記録シート(A4縦)の1ページ目プレビュー。15項目の日本語解説と、0/1点の記入欄・合計欄・評価条件の記録欄がある
1ページ目のプレビュー
STROKE LAB / RECORD SHEET

RMI 日本語解説・採点記録シート

PDF | A4縦・2ページ | 英語用紙付き

1ページ目:15項目の日本語解説、得点・合計・評価条件の記録欄。
2ページ目:公開英語用紙。項目・質問文と出典表記を保持し、A4に比例縮小しています。

プレビューは完成PDFの1ページ目から生成しています。前島らの検証済み日本語版の転載ではなく、公開英語用紙に基づく編集資料です。

「日本語の解説」と「検証済み日本語版」を区別してください。

日本語欄は採点条件の理解を助ける説明で、標準化された日本語の質問文ではありません。英語用紙と照合して使用し、日本語版を指定する評価・研究では前島らの日本語版を使用してください。今回の日本語解説の信頼性・妥当性は検証していません。

掲載範囲と利用条件の確認

追加調査で、ANPTのRMI解説資料に「出典を明記すれば複製可能と報告されている」との記載を確認しました。英語用紙の収録はこの記載に基づき、原尺度・提供者・入手先を明記しています。[6]

この複製に関する記載を、前島らの日本語版の転載許可や、新しい翻訳版の承認と解釈してはいません。日本語版の全文・再配布条件は未確認のため、その質問文は転載していません。[3]

06

臨床例|合計点から、次に確認する生活へ

架空例:杖歩行は自立しているが、玄関が不安

脳卒中後のAさん。採用したRMI用紙で全項目を確認し、項目1〜9が1点、10〜15が0点で合計9/15点だったとします。屋内は杖で歩き、階段は手すりを使用。舗装路の屋外歩行は手助けなしで行えています。一方、補助具なしの屋内歩行、床の物拾い、不整地歩行、入浴、手すりなしの4段昇降、走行は条件を満たしていません。

9点だけを根拠に「一人で外出できる」とは判断しません。自宅玄関の段差、手すりの位置、実際の補助具、疲労時の状態を追加で確認し、本人の生活目標と結び付けます。

結果の使い方|以下は編集上の実務提案
RMIの結果を支援に活用する2つの手順のイラスト。①補助具や介助の条件を記録する場面、②玄関の出入りなど具体的な生活目標につなげる場面
図06:①②は支援に活用する手順です。RMIの採点項目ではありません。

①条件を記録

点数だけでなく、補助具・介助・回答源を残します。再評価時に条件が変わっていないかを確かめます。

②生活目標へ

「玄関を安全に出入りしたい」など、具体的な動作へつなげます。評価点を上げるためだけに補助具を外すことはしません。

コピーして使うカルテ記載例

【架空例・実際の評価内容に合わせて修正】 RMI:9/15点。使用版・出典:____。項目1〜9=1点、10〜15=0点。質問は本人に実施し、項目5は支持なし立位10秒を直接観察。屋内は杖使用で人的介助・付き添い不要。階段は手すりを使用。舗装路の屋外歩行は手助けなしと本人回答。合計点のみで外出の安全は判断せず、玄関の段差・手すり・疲労時の状態を追加確認する。本人の希望:玄関を安全に出入りする。次回確認日:____。
07

信頼性・妥当性と、点数変化の読み方

原著:脳卒中・頭部外傷

評価者間信頼性は23人と20人の2群で検討され、原著抄録では15点中2点の範囲での信頼性を報告しています。歩行速度・持久性・立位バランスとの比較でも検証されています。[1]

慢性期脳卒中:測定誤差

軽〜中等度の障害を持つ50人を7日間隔で測定した研究では、RMIのSEMは0.8点、個人の変化に関するSRDは2.2点でした。[5]

2.2点は「改善を実感する基準」ではありません。

SRDは測定誤差を考える指標です。患者にとって意味のある変化を表すMCIDとは異なります。この結果を急性期、別疾患、別の実施方法へ無条件に当てはめません。

オランダ語版の研究では、オランダ200人・英国420人のデータを検討し、オランダ語版の尺度内信頼性係数ρ=0.97、Barthel Indexとの相関ρ=0.84(91人)を報告しています。ただし、同版では質問中心から観察中心へ実施指示を調整しており、原版・日本語版と同一の方法と扱わない注意が必要です。[4]

本記事では、歩行自立・転倒・退院を一律に決めるカットオフは提示しません。全対象に使える基準やMCIDは、確認資料から確定できませんでした。日本語版報告の存在と原著者の許可を得た翻訳であることは確認しましたが、有料本文内の具体的な信頼性係数・運用規則は未確認です。[3]

08

よくある質問

Q1.15項目すべてを実演しますか?

原版は14項目の質問と、項目5の直接観察です。安全な臨床観察を補足することと、尺度の実施方法を変更することは分けて考えます。

Q2.杖を使うと0点ですか?

一律ではありません。項目7は補助具を許容しますが、項目10は装具を含めて補助具なしという条件です。

Q3.見守りなら介助なしとしてよいですか?

必要な見守りを一律に無視しません。特に項目7は介助に備えた付き添い不要、項目13は監視不要という条件があります。本人の安全に必要な支援を具体的に記録してください。

Q4.本人が答えられなければ家族が回答できますか?

ANPTの資料では、項目5以外は代理者の回答も可能とされています。採用する言語版の規則を確認し、誰が回答したかを記録します。項目5は本人の立位を直接観察します。[6]

Q5.1点上がれば改善ですか?

得点上昇は記録できますが、測定誤差を超えた変化や生活上意味のある改善とは限りません。変化した項目と実際の暮らしを合わせて確認します。

Q6.このPDFは正式な日本語版ですか?

いいえ。15項目の日本語解説と採点記録欄に、公開英語用紙を組み合わせた編集資料です。条件の確認と記録に使えますが、検証済み日本語版と同じものとして扱わないでください。

09

参考文献・用紙の参照先

  1. Collen FM, Wade DT, Robb GF, Bradshaw CM. The Rivermead Mobility Index: a further development of the Rivermead Motor Assessment. Int Disabil Stud. 1991;13(2):50–54. 原著 DOI
  2. Shirley Ryan AbilityLab. The Rivermead Mobility Index. Wade氏・Oxford Centre for Enablement提供表記の公開英語用紙。 用紙PDF
  3. 前島伸一郎、柚木脩、小林敏彰、ほか. Rivermead Mobility Index日本語版の作成とその試用について. 総合リハビリテーション.2005;33(9):875–879. 日本語版報告(本文有料)
  4. Roorda LD, et al. Excellent cross-cultural validity, intra-test reliability and construct validity of the Dutch Rivermead Mobility Index in patients after stroke undergoing rehabilitation. J Rehabil Med. 2008;40:727–732. 原著・英語版付録
  5. Chen HM, et al. The test-retest reliability of 2 mobility performance tests in patients with chronic stroke. Neurorehabil Neural Repair. 2007;21(4):347–352. 原著 DOI
  6. Academy of Neurologic Physical Therapy (ANPT). MS EDGE: Compendium of Instructions for Outcome Measures. Rivermead Mobility Index, pp.164–165. 実施・代理回答・複製条件の説明。 資料PDF

参照確認:2026年11月8日。図は解説用イラストであり、特定患者の経過や施設の改善実績を示すものではありません。

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