【2026年版】ブルンストロームステージとは?(Brs 評価)・上田式リハビリ・上肢・手指・下肢 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】ブルンストロームステージとは?(Brs 評価)・上田式リハビリ・上肢・手指・下肢

 

 

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脳卒中後の運動機能を「見える化」する——
ブルンストロームステージは60年以上臨床で使われ続けてきた評価の礎。
原著を読み込み、上田式の精度を取り入れた実践的な評価法を解説します。

1. はじめに ― ブルンストロームステージを正しく理解する

ブルンストローム・アプローチは、1960年代にスウェーデンの作業療法士・理学療法士のダブルライセンスを持つシグネ・ブルンストローム氏によって開発されました。脳卒中後の運動機能回復を7段階(日本では主に6段階)に分類し、現在も臨床で広く使われている評価法です。

脳卒中を発症すると脳と体の連携が崩れ、筋肉は「異常なシナジーパターン」で動くようになります。従来の治療法の多くがこの異常パターンを抑制しようとするのに対し、ブルンストローム・アプローチはむしろその異常パターンを回復の踏み台として活用するという独自の発想が特徴です。

📌 この記事を読む前に知っておきたい3つのこと

① 評価方法としての知名度 vs アプローチとしての現状:現在は評価スケールとしての利用が主流で、治療アプローチとしては古典的になりつつあります。

② 原著には「明確な定義」が少ない:原著を読んでも「こういう方法で評価しましょう」という手順が中心で、厳密な定義は記載されていません。参考書ごとに記載が異なるのはこのためです。

③ 上田式との補完関係:本記事では、連合反応やスピードテストなど原著に詳細が不足している箇所を上田式12段階片麻痺運動機能評価で補い、より精度の高い評価方法を解説します。

2. Fugl-Meyer Assessment(FMA)との違い

FMAとブルンストロームステージは、どちらも脳卒中後の運動機能評価ツールです。しかし目的・構造・使用場面が異なるため、臨床では状況に応じて使い分けることが大切です。

比較項目 Fugl-Meyer Assessment(FMA) Brunnstrom Stages
目的 運動機能・バランス・感覚・関節機能の多面的評価 運動機能回復の段階的評価
評価の性質 定量的(数値による評価) 定性的(段階による記述)
構造 5領域(運動・感覚・バランス・ROM・関節痛) 3部位(上肢・手指・下肢)× 6段階
スコアリング 0〜2点スケール、最大226点 Ⅰ〜Ⅵ段階、高いほど回復良好
項目数 155項目 主要6段階
実施時間 30〜45分 5〜10分
感度 高感度(微細な変化を検出しやすい) FMAより低め
適した患者層 幅広い脳卒中患者 特に重度運動障害患者

使い分けのポイント:ブルンストロームステージは短時間で大まかな機能レベルを把握するのに優れています。一方FMAは介入効果の定量評価や研究目的に向いています。日常臨床ではBrunnstromで素早くスクリーニングし、詳細評価が必要な場合にFMAを実施するという補完的な使い方が実践的です。

3. 評価の基本的な流れ

検査はすべて随意運動で行います。重要なのは「評価の順序」です。ステージ3から始めることで、検査の効率を最大化できます。

評価の原則

ステージ3を起点とした分岐評価

  • まずステージ3の検査を行う(明確な関節運動の有無を確認)
  • ステージ3で関節運動があれば → ステージ4・5・6の評価へ進む
  • ステージ3で関節運動がなければ → ステージ1・2の評価へ戻る

この順序で進めることで、ほとんどの患者で背臥位への体位変換なしに評価を完了できます。評価は上肢 → 手指 → 下肢の順で実施します。

4. ブルンストロームステージ評価用紙

ブルンストロームステージ評価用紙

評価用紙の印刷はこちらをClick☚

5. 上肢の評価

上肢:ステージ3 ― 共同運動の出現

🔍 判断基準

屈筋共同運動・伸筋共同運動のいずれかで、上肢だけの随意運動による明確な関節運動が生じることが最低条件です。関節運動が起こった時点でステージ3クリアとなります。

1)屈筋共同運動
  1. 手を膝の上に置く
  2. 肩関節を外転・外旋し、肘関節を屈曲、前腕を回外しながら耳を触る
  3. 体幹の回旋・側屈が入らないよう注意
2)伸筋共同運動
  1. 手を膝の上に置く
  2. 膝の間に検査者の手を置く
  3. 肘関節を伸展、前腕を回内、肩関節を内転しながら検査者の手に触れる

💡 ポイント:この時点で肩関節周囲を触診しておくことが重要です。関節運動が起こらなくても筋収縮があればステージ2と識別でき、背臥位への体位変換を省略できます。

↓ 関節運動がない場合
Ⅰ・Ⅱ

上肢:ステージ1・2 ― 連合反応の評価

原著には連合反応の評価方法の詳細が記載されていないため、上田式12段階片麻痺運動機能評価を用いて実施します。

🔍 判断基準

連合反応あり → ステージ2 / 連合反応なし → ステージ1

実施方法(背臥位)
  1. 麻痺側上肢を肩関節90°外転・肘関節屈曲位で頭の横に置く
  2. 麻痺側の大胸筋に触れる(筋収縮をモニタリング)
  3. 非麻痺側上肢を天井に向けて伸ばす
  4. 検査者が非麻痺側に抵抗をかける
  5. 非麻痺側の随意努力に伴い、麻痺側大胸筋に連合反応が出現するかを確認
↑ ステージ3が確認できた場合、ここへ戻らず↓へ進む

上肢:ステージ4 ― 共同運動からの離脱(開始)

🔍 判断基準(3種類のうち1つでも可でステージ4クリア)
  • ①腰に回して手の甲を背中につける(上田式:脊柱から5cm以内到達)
  • ②肘伸展位で肩関節を90°屈曲(上田式:60°以上 / 肘屈曲20°未満 / 水平内外転10°未満)
  • ③肘90°屈曲・体側固定で前腕の回内・回外(上田式:回内50°以上 / 肘90±10°・体側着床)

⚠ ステージ4評価の注意点

3種類すべてを実施する必要はなく、1つでも達成できればステージ5の評価へ移ります。各動作で体幹の傾き・肩の挙上などの代償が生じていないかを確認することが重要です。

上肢:ステージ5 ― 共同運動からの独立

🔍 判断基準(3種類のうち1つでも可でステージ5クリア)
  • ①肘伸展位で肩関節90°外転(上田式:外転60°以上 / 水平内転20°未満 / 肘屈曲20°未満)
  • ②肘伸展位で肩関節を180°まで屈曲(上田式:130°以上 / 肩外転30°未満 / 肘屈曲20°未満)
  • ③肩関節90°屈曲位で前腕の回内・回外(上田式:回外50°以上 / 肩60°以上屈曲 / 肘屈曲20°未満)

上肢:ステージ6 ― ほぼ正常な動き・スピードテスト

🔍 判断基準

原著には明確な基準がないため、上田式に基づき「非麻痺側の1.5倍以内の時間でできること」をクリアの目安とします。

1)伸展共同運動スピードテスト
  1. 大腿の上に手を置く
  2. 膝の間に検査者の手を置く
  3. 大腿と検査者の手を交互にタッチする動作を反復
2)屈曲共同運動スピードテスト
  1. 大腿の上に手を置く
  2. 肘を屈曲して顎にタッチ → 大腿に戻す
  3. この動作を反復
3)上田式スピードテスト(推奨)
  1. 手を肩関節に置く
  2. 天井に向けて手を伸ばし(肩関節130°以上屈曲・肘伸展)、肩関節に戻す
  3. これを10回反復(麻痺側・非麻痺側の両方で計測)
  4. 麻痺側が非麻痺側の1.5倍以内の時間であればステージ6クリア
上肢評価のまとめ

効率的な評価の進め方

  • まずステージ3から評価し、関節運動の有無でステージ1・2 / 3以上を振り分ける
  • ステージ3の検査中に肩関節を触診し、関節運動なしでも筋収縮があればステージ2と判断して背臥位を省略
  • ステージ3以上の場合は各ステージで「1つでもクリアできれば次へ進む」ルールで効率化
  • 連合反応・スピードテストは上田式を補完的に使用する(原著に詳細がないため)

6. 手指の評価

手指の評価も上肢と同じ「ステージ3から始める」原則で進めます。前腕を触診しながら評価することで、関節運動がない場合でも筋収縮の有無を確認でき、ステージ1・2の鑑別効率が上がります。

手指:ステージ3 ― 集団屈曲の出現

🔍 判断基準(どちらか一方でクリア)
  • ①全指の同時屈曲が可能
  • ②鍵握り(lateral pinch)が可能

前腕を触診し筋収縮の有無も同時に評価する。明確な関節運動がなければステージ1・2の評価へ。

Ⅰ・Ⅱ

手指:ステージ1・2 ― 連合反応の評価

🔍 判断基準

連合反応あり → ステージ2 / 連合反応なし → ステージ1

実施方法
  1. 握手をするように非麻痺側から手を握ってもらう(抵抗刺激)
  2. 前腕(外在筋)に触れ、筋収縮の有無を触診する
  3. 非麻痺側の随意努力に伴う麻痺側屈筋群の連合反応を確認

手指:ステージ4 ― つまみと部分伸展

🔍 判断基準(両方クリアで達成)
  • ①横つまみ(指腹つまみ)が可能
  • ②少し伸展して指を離すことが可能
実施方法
  1. 親指と人差し指の間に紙を挟む
  2. 検査者が紙を引っ張る → 抜けないかで横つまみを評価
  3. 紙を離す動作で指の伸展を評価(完全伸展は不要)

💡 紙を用いることで横つまみの判定がより明確になります。紙を保持することそのものは評価基準に含まれませんが、引き抜き抵抗で把持力を客観的に確認できます。

手指:ステージ5 ― 対向つまみと集団伸展

🔍 判断基準(両方できることでクリア)
  • ①対向つまみが可能(指先での把持 / ペンを指先でつまむ動作が目安)
  • ②全指の集団伸展が可能(握りこぶしから全指を同時に伸ばす / 完全伸展は不要)

ステージ5のポイント ― 手指の「分離」を評価している

ステージ5はリーチが可能かを評価するものではなく、手指が共同運動から独立して動かせるかを評価します。「対向つまみ+集団伸展」の組み合わせは、指の屈曲・伸展が独立して制御できているかどうかの指標です。リーチ動作が困難でも、手指の機能としてこれらが達成できればステージ5となります。

手指:ステージ6 ― あらゆる把持パターンの獲得

🔍 判断基準

すべての把持パターンが可能であればステージ6。1つでもできない場合はステージ5。

ステージ6で評価するその他の把持動作

以下すべてが可能であること

  • 球握り(ボールを握るような丸い把持)
  • 筒握り(円柱状のものを握る)
  • 腹側つまみ(指腹同士のつまみ)
  • 鈎握り(指を鉤状に曲げて持つ)
  • 重量把持(重い物を保持)
  • 母指−第4指対立など多様な対立把持

7. 下肢の評価

下肢:ステージ3 ― 共同運動の出現

🔍 判断基準

股関節・膝関節の屈曲と足関節背屈の共同運動に、明確な関節運動が認められること

股関節周囲の筋収縮を触診し、随意収縮があるかを同時に確認します。随意収縮がない場合はステージ1・2の評価へ。

Ⅰ・Ⅱ

下肢:ステージ1・2 ― レイミステ反応の評価

🔍 判断基準

連合反応あり → ステージ2 / 連合反応なし → ステージ1

🔬 レイミステ反応(Raimiste’s Phenomenon)とは

非麻痺側下肢を内転または外転した際に、麻痺側下肢が同様に内転・外転する「対側性連合反応」のことです。大脳皮質の抑制が低下した状態で見られる現象で、GBS(運動ニューロン障害)では原則として出現しませんが、脳卒中(上位運動ニューロン障害)では認められます。

実施方法(背臥位)
  1. 麻痺側の内転筋に触れる
  2. 非麻痺側の下肢を内転してもらい、検査者が抵抗をかける
  3. 麻痺側内転筋の収縮(連合反応)が出現するかを確認

下肢:ステージ4 ― 共同運動からの部分離脱

🔍 判断基準(どちらか一方でクリア)
  • ①足底を床につけたまま後方に滑らせ、膝関節を90°以上屈曲できる(上田式:膝90°屈曲位から開始し100°以上屈曲)
  • ②踵を浮かせずに足関節の背屈が可能(上田式:5°以上背屈)

下肢:ステージ5 ― 共同運動からの独立

🔍 判断基準(どちらか一方でクリア)
  • ①股関節伸展のまま膝関節だけを後ろに屈曲(上田式:45°以上 / 股関節20°未満の屈曲)
  • ②麻痺側を前方に出した立位で足関節の背屈(上田式:5°以上 / 膝・股関節20°未満の屈曲)

💡 注意:ステージ5の評価は随意収縮の検査であってバランス評価ではありません。上肢で手すりや椅子を支持しながら実施して構いません。

下肢:ステージ6 ― 分離運動のほぼ正常化

🔍 判断基準(どちらか一方でクリア)
  • ①骨盤挙上の可動域を超えた股関節外転(20°以上)
    条件:膝関節屈曲20°未満 / 非麻痺側の踵が床から離れないこと
  • ②座位で距骨下関節の内反に伴う下腿内旋・外反に伴う下腿外旋の反復
    注意:大腿部の内転・内旋・外転などの代償動作が出ていないかを確認

ここまでお読みいただいた方へ

評価の理解から、より効果的な治療へ

ブルンストロームステージの評価は「現状の把握」に止まりません。
各ステージの神経学的意味を理解した上で治療プランを立てることが、真の回復を引き出す鍵です。

8. 臨床セッション例 ― 田中先生と石川さんの評価場面

実際の評価の流れを、臨床場面のダイアログ形式でイメージしてみましょう。上肢ステージ3〜6を順に評価していきます。

セッション1

ステージ3の評価

田中先生:「今日は石川さんの上肢の運動機能をブルンストロームステージで評価していきます。まずステージ3から始めましょう。手を膝の上に置いて、肩関節を外転しながら耳を触ってみてください。」

石川さん:「よろしくお願いします。」(動作を試みる)

田中先生:「しっかりと関節運動が見られますね。次に、膝の間に私の手を置きます。肘を伸ばしながら肩関節を内転させて私の手に触れてみてください。」(動作を確認)
「素晴らしい。ステージ3はクリアです。ステージ4の評価へ進みましょう。」

セッション2

ステージ4の評価

田中先生:「手を腰に回して、手の甲を背中につけてみてください。」(動作確認)「よいですね。次に肘を伸ばしたまま肩関節を90度屈曲させてみましょう。」(動作確認)「いい感じです。最後に、肘を90度屈曲した状態で前腕の回内と回外を行ってみてください。」

田中先生:「3種類のうち1つ以上をクリアしました。ステージ4をクリアしてステージ5の評価へ移ります。」

セッション3

ステージ5の評価

田中先生:「次は肘を伸ばしたまま肩関節を90度外転させてみてください。」(確認)「よいですね。次に肘伸展のまま肩関節を180度まで屈曲させてみましょう。」(確認)「素晴らしい。肩関節90度屈曲位で前腕の回内と回外も行ってみましょう。」

田中先生:「ステージ5もクリアです。最後にステージ6のスピードテストを行います。」

セッション4

ステージ6の評価(スピードテスト)

田中先生:「手を肩関節に置いて、天井に向けて手を伸ばし、また肩関節に戻す動作を10回行ってみてください。非麻痺側でも同じことを行い、時間を比較します。」

田中先生:「麻痺側は○秒、非麻痺側は○秒でした。1.5倍以内に収まっており、ステージ6をクリアしました。本日は上肢Br.Ⅵの評価ができました。お疲れ様でした。」

9. 関連研究①:筋シナジーとブルンストロームステージの関係性

亜急性期脳卒中患者におけるリーチ動作時の上肢筋シナジーとBrunnstrom Stage(ブルンストロームステージ)の関係性

亜急性期脳卒中患者のリーチ動作時の上肢筋シナジー

●原著:Alterations of Muscle Synergies During Voluntary Arm Reaching Movement in Subacute Stroke Survivors at Different Levels of Impairment

背景

ブルンストロームステージと筋シナジーの接点

不適切な筋の協調による運動障害に関する筋シナジー分析の目的は、根底にある生理学的メカニズムを明らかにし、効率的な回復プロセスへの提案を行うことです。Clarkら(2010)は脳卒中患者の歩行における運動モジュールの変化を、Rohら(2013、2015)は慢性期脳卒中患者の上肢における筋シナジー構成の変化を報告しています。

本論文では、これまで調べられていなかった「ブルンストロームステージの各段階と筋シナジーの構造・動員の変化」を亜急性期の自発的なリーチ運動中に調べました。

方法

研究デザイン

北京大学第一病院から脳卒中患者35名(BrStageⅢ〜Ⅵ)と年齢を一致させた対照群25名を募集。手のひらを太ももに向けて机前に座り、親指を上に立てた状態で肩を90°屈曲しながら2秒間の前方リーチ課題を3回(3分間隔)実施。記録筋:大胸筋(PECM)・僧帽筋上部(TRA)・三角筋前部(DELA)・三角筋内側(DELM)・上腕二頭筋(BIC)・上腕三頭筋(TRI)・腕橈骨筋(BRAC)の7筋から筋電図(EMG)を収集。

筋シナジー研究の結果
結果と臨床的意義

BrStageと筋シナジーの相関が明確に

脳卒中群では大胸筋の活性化増加上腕三頭筋(肘伸展筋)の活性化減少が見られました。さらに、筋シナジーの類似性はBrunnstrom stageと有意に相関していることが確認されました。

特筆すべき点として、BrStageⅣ・Ⅴの患者は対照群と同等の筋シナジーを使用していたことが示されました。これはステージ4・5の時期から、より正常に近い神経筋制御が回復し始めることを示唆しており、この段階での運動学習・課題指向型アプローチの意義を支持するエビデンスと言えます。

10. 関連研究②:BrStageⅣ患者へのミラーセラピーの効果

Brunnstrom stage Ⅳの患者を対象としたミラーセラピーの効果

原著:The effect of mirror therapy on upper-extremity function and activities of daily living in stroke patients PubMed Jin-Young Park et al.(2015)

なぜこの論文を読んだか

運動錯覚を活用した治療を行う機会があり、類似した研究ではどのような対象・評価・課題を選定しているかを知りたいと思ったことが読むきっかけとなりました。

背景

ミラーセラピーの概要

脳卒中患者の約85%が片麻痺を経験し、69%以上に上肢機能障害が残ります。ミラーセラピーは、鏡に映った非麻痺側の動きを麻痺側の動きとして錯覚させることで、麻痺側の運動機能改善を目的とした介入です。

既存研究ではBrStageⅠ〜Ⅲの患者が対象でしたが、より高い回復段階(BrStageⅣ)への効果は分析されていませんでした。

方法

研究デザイン

対象:BrStageⅣ・発症後6か月以上の慢性脳卒中患者30名(ミラー群15名・対照群15名)

評価指標:Fugl-Meyer Assessment(FMA)・Box and Block Test(BBT)・FIM

期間:4週間のミラーセラピーまたは擬似的治療を実施

結果

FMA・BBT・FIMすべてでミラー群が優位

FIM結果グラフ1
FIM結果グラフ2
研究結果グラフ
臨床的意義

BrStageⅣでもミラーセラピーは有効

ミラーセラピー群は対照群と比較して、麻痺上肢機能(FMA上肢)・手指機能(BBT)・ADL能力(FIM)の全項目で有意な改善を示しました。

特に注目すべきは、BrStageⅣという「ある程度回復した段階」でも視覚フィードバックによる運動錯覚が有効であった点です。これはステージが高くなっても神経可塑性の余地があることを示しており、回復の「プラトー」を決めつけずに積極的な介入を継続することの重要性を示唆しています。

論文サマリー 一覧はこちら

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年にわたり徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

臨床の結果に悩んでいませんか?脳科学~ハンドリング技術までスタッフ陣が徹底サポート

 

STROKE LAB技術研究会

 

厳しい採用基準や教育を潜り抜けた神経系特化セラピストがあなたの身体の悩みを解決します

 

STROKE LABセラピスト

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ブルンストロームステージは「評価」に留まりません。
各ステージの神経学的メカニズムを理解し、次のステージへ進むための的確な治療戦略を立てることが真の回復を引き出します。
脳神経リハビリの専門施設として、評価から治療まで一貫したアプローチを提供します。

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