vol.259:IPL下頭頂小葉の線維のつながりについて 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
脳科学
タイトル
IPL下頭頂小葉の線維のつながりについて
White matter connections of the inferior parietal lobule: A study of surgical anatomy?PubMed Joshua D. Burks et al.(2017)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・下頭頂小葉は視覚情報、体性感覚情報に応答するニューロンが多く分布されているとされており、その脳内の繋がりに興味を持った。
内 容
背景
・下頭頂小葉(IPL)の機能への興味は、視空間的および認知機能への関与の理解の増加、および意味ネットワークにおけるその役割の増加をもたらした。この領域における白質の解剖の基本的な理解は、脳がこの領域で働くときの転帰を改善するのに有用であり得る。
IPLに関与する機能の一部
・IFOF(下前頭後頭束)とILF(下縦束)に損傷がない場合、IPLの領域における右SLFの損傷は、左側の空間無視を引き起こすことが示されている(Shinoura et al 2009)。SLFとIFOFとともに後部SPLも空間的な注意を向けることに関与していることが示されています(Vallar et al 2014)。
・右IPLは、音の位置を監視し、更新することにより、聴覚的空間ワーキングメモリーの課題で機能することも示されている(Alain、He、&Grady 2008)。
・IPLは、書字および音韻処理ネットワークに関係している。
IPLの接続について
IPLの3つの主要な接続形態を特定した。
・(1)短い連合線維は、縁上回と角回を接続し、これらの両方を上頭頂小葉に接続する。
・(2)IPLからの繊維束は、外側溝(シルヴィウス溝)の末端付近の上縦束によって前頭葉に接続する。
・(3)IPLからの繊維束は上側頭溝の下縁の内側縦束(MLF)によって側頭葉につながる。
私見・明日への臨床アイデア
・上、下頭頂小葉は運動の主体感というものにも関与し、当部位はリハビリを行う上でも身体機能に大きく関わってくる部分と思われる。
・脳の個別の役割、多機能が連携しての役割、線維のつながり等を理解し、予後予測や治療に役立てていきたい。線維の繋がりが残存しているかまで診れる力はないが、この学習を様々なアイデアに繋げていきたい。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
脳卒中自主トレ100本以上 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)