vol.285:靴下の違いとまたぎ動作 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
靴下の違いによる高齢者が障害物をまたぐ際の速さとストライド長について
Effects of socks which improved foot sensation on velocity and stride length of elderly subjects crossing obstacles?PubMed
Won-Gyu Yoo J Phys Ther Sci. 2015 Aug; 27(8): 2519–2520.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
靴下の違いでまたぎ動作にどう変化がでるか調べた論文を見つけ、興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・足底は固有受容器としてとても重要な器官である。本研究は靴下の違いがまたぎ動作時の速さとストライド長にどう影響を与えるか検討する。
方法
・歩行速度とストライド長を計測した。
・障害物を以下の3つの条件でまたいだ。
・①裸足、②一般的な靴下、③感覚向上靴下(靴下の内面に3mmのシリコンを1cm間隔で貼付した靴下)
結果
・歩行速度は①裸足、③感覚向上靴下の方が②一般的な靴下より有意に速かった。(①64.2 ± 5.6、②55.1 ± 11.3、③61.9 ± 9.2 、単位cm/s)。裸足と感覚向上靴下の間に有意差はなかった。
・同様にストライド長は①、③が②より有意に大きかった(①92.2 ± 6.0、②81.0 ± 8.6 cm、③88.9 ± 10.8、単位cm)。①、③の間に有意差はなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・靴下内面のシリコンにより裸足と同程度の歩行速度とストライド長が得られた。冬場に裸足でいることはできないため、このような特殊な靴下を利用者様に履いていただくと、転倒予防の一助となるかもしれない。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)