vol.198:脳卒中者の足部変形について 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
脳卒中者の足部変形
A study of structural foot deformity in stroke patients?PubMed
Gwon Uk Jang J Phys Ther Sci. 2015 Jan; 27(1): 191–194.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・脳卒中者は麻痺や筋力低下、歩容異常の影響で足部変形を生じることが多い。今回、足部変形に着目した論文を見つけ、興味があったため読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・足部の変形は歩行時の衝撃吸収や立位バランスに悪影響を与える。足部の形態を計測するのは専門的な機器が必要だが、臨床で用いることは現実的ではない。そのため、本研究は脳卒中者の足部形態を簡便なfoot posture indexを用いて検査する。
方法
・31名の脳卒中者、32名の健常成人
・foot posture index (FPI): 6項目で足部の回内、回外程度を評価。-2~2までの5段階評価で-2は回外、2は回内傾向)。
・その他のアウトカムとして、modified Ashworth scale (MAS)、Navicular drop test (NDT、舟状骨粗面高)、resting calcaneal stance position (RCSP、腹臥位での踵骨位置)を計測した。
結果
表:各アウトカム
・脳卒中群の麻痺側のFPIは0.25±2.1、非麻痺側は1.74±2.3、対照群は2.12±3.4だった。麻痺側と非麻痺側、麻痺側と対照群で有意差があった。非麻痺側と対照群に有意差はなかった。
・舟状骨粗面高(NDT)は麻痺側6.3±2.4、非麻痺側7.8±2.8、対照群7.96±2.8で、麻痺側と非麻痺側、麻痺側と対照群で有意差がみられた。非麻痺側と対照群に有意差はなかった。
・足関節底屈筋のMASでは、0が25.8%、1が32.3%、1+が35.5%、2が6.5%だった。MASとFPIは負の相関がみられた(r=0.78)
私見・明日への臨床アイデア
・脳卒中者の麻痺側は回外足を呈することが多く、足関節底屈筋の筋緊張と相関することがわかった。脳卒中者の一般的な傾向だが、国が変わっても同様の傾向を示すことが理解できた。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)