vol.293:非麻痺側挙上位のハーフスクワット時の麻痺側筋活動 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
脳卒中者非麻痺側挙上位でのハーフスクワット時の筋活動
Effects of lifting the non-paretic foot on muscle activity during the semi-squat exercise in hemiplegic patients
?PubMed Dong-Kyu Lee J Phys Ther Sci. 2015 Jun; 27(6): 1869–1870.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・麻痺側優位にスクワットした際の筋活動を検証した論文を見つけ、興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・脳卒中者の下肢筋力向上はリハビリテーションにおいて重要な目的のひとつである。下肢筋力向上のひとつにスクワットがあるが、両脚でのスクワットは非麻痺側優位になってしまうことが多い。
・本研究は非麻痺側を挙上し、麻痺側への負荷を強めた状態でのスクワットを行った際の下肢筋活動を検証すること、重心下降期と上昇期における大腿四頭筋の筋活動を比較することの2点を目的とする。
方法
・17名の脳卒中者
・筋電図を麻痺側の大腿直筋(RF)、内側広筋斜走線維(VMO)、外側広筋(VL)に貼付した。
・スクワット膝屈曲30°とし、30°で3秒間動作を止めることとした。またスクワットを①両脚支持、②非麻痺側挙上位の2パターン実施した。またスクワットを①重心下降期、②重心移動停止期、③重心上昇期の3つの相に分けた。
結果
表:実験結果 Dong-Kyu Lee (2015)より引用
・非麻痺側挙上位と両脚支持を比較すると、非麻痺側挙上位の方が有意にRF、VMO、VLの筋活動が高かった。
・重心移動停止期が重心下降、上昇期より高い筋活動を示した。下降期と上昇期を比較すると上昇期でより筋活動が高かった。
私見・明日への臨床アイデア
・スクワットを相分けすると重心下降期より上昇期の方が筋活動が大きかった。今回は大腿四頭筋のみに着目していたが、ハムストリングスや大殿筋などその他の筋活動がどうなるかも詳しく見てみたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)