vol.365:大腿四頭筋の膝伸展負荷後のEMGの変化 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
大腿四頭筋の膝伸展負荷後のEMGの変化
Behavior of emg activation of rectus femoris, vastus lateralis and vastus medialis muscles during maximum contraction before and after a series of repeated efforts.PubMed Simões EC et al.(2008)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・ニ関節筋である大腿直筋の特性に興味があり学習の一助として本論文に至る。
内 容
目的
・大腿直筋RF、内側広筋VM、外側広筋VLのMIVC(最大等尺性随意収縮)中の膝伸展時(最大出力の80%)の筋活動を筋電図で測定した。課題施行前のMIVC(MIVC-1)と課題施行後のMIVC(MIVC-2)を比較し、その変化を調査した。
方法
・課題は、膝伸展負荷課題を反復12回を4セット実施した。
・参加者は10人のサッカー選手(平均年齢17.7±0.67、平均体重67.07±6.06 kg、平均身長174.6 +/- 4.98 cm)であった。
・表面電極を使用した。確立された周波数は1024Hzであった。統計的処置は、反復測定のための分散分析(ANOVA)、その後にTukeyのHSD法で事後検定を行った。分析に採用された有意水準はp <0.05であった。
結果
・大腿直筋では、MIVC-1の値は(RMSで表される値は)346.97±63.93であり、MIVC-2はMIVC-1の82.88%に対応する287.58±61.03であった。(p = 0.06)
・VL外側広筋ではMIVC-1の値は385.50 +/- 120.23であり、MIVC-2ではMIVC-1の82.19%に相当する316.87 +/- 67.85であった。(p = 0.04)
・VM内側広筋では、MIVC-1値は430.88 +/- 84.23であり、MIVC-2はMIVC-1の91.97%に相当する396.32 +/- 70.40であった。(p = 0.03)
・結果は、内側広筋が、MIVC-1においてより大きいことを実証した。内側広筋は、MIVC-1とMIVC-2間で最も大きなパーセンテージを示した。
・大腿直筋は、VM・VLよりも一番最初に疲労の兆候を示した。
私見・明日への臨床アイデア
・大腿直筋は疲労しやすく、高齢者など二関節筋制御をされている方などは筋の用い方としても疲労しやすい事が示唆される。単関節筋の促通による、ニ関節筋への負担を軽減させることは大切と思われる。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)