vol.176:指の伸展と肩の筋活動 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
バイオメカニクス、上肢
タイトル
肩の筋活動に対する指の伸展の効果
The effects of finger extension on shoulder muscle activity
?PubMed Chae-Woo Yi, J Phys Ther Sci. 2015 Sep; 27(9): 2719–2721.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・臨床コースにて、手指のアプローチが肩関節に影響を及ぼすことを多く経験する。論文で同様のことを扱ったものを探し、見つかったため読むことにした。
内 容
背景・目的
・手のアライメントを整えることで肩関節の動的安定性が向上することを臨床で経験する。しかし、論文で検証したものは少ない。本論文では指の伸展が肩関節の安定性にどう影響するか検討する。
方法
・14名の健常成人
・EMGを使用し棘下筋と菱形筋の筋活動を記録した。
・被験者は姿勢を正した座位を取り、肩関節を60°屈曲した。手指をリラックスした状態から5秒間手指伸展をした際の上記2筋の筋活動を記録した。
結果
表:実験結果
Chae-Woo Yiより引用
・手指を伸展すると棘下筋の活動が有意に向上したが、菱形筋には影響が出なかった。
私見・明日への臨床アイデア
・手指の伸展が棘下筋の活動を促した。肩60°で手指伸展することでカフの筋トレになることが示唆された。
・本研究はとてもシンプルなものだが、臨床にて手内在筋・外在筋へのアプローチを繰り返し、肩関節に波及できるように練習していきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)