2017.11.15神経系
vol.224:屈折異常とバランス 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
神経系
タイトル
アップライトポジションにおける、球面レンズによる屈折異常が身体バランスに及ぼす影響
Body balance under ametropic conditions induced by spherical lenses in an upright position?PubMed Sang-Yeob Kim J Phys Ther Sci. 2015 Mar; 27(3): 615–618.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・遠視、近視、乱視とピントの調節障害を呈する高齢者は多い。外界情報を視覚から十分に得られない場合、バランス能力は低下し転倒につながる可能性がある。今回、球面レンズを用いて屈折異常(ピント調節異常)を意図的に作り出し、身体バランスの変化を見た論文を見つけ、読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・バランスは視覚、平衡覚、体性感覚の3つによって成り立つ。
・視力がバランスに及ぼす影響は大きく、閉眼や屈折異常によりバランス能力が低下することがわかってきている。
・本研究は球面レンズを用いて近視、遠視の屈折異常を作りだし、その際の安定性、転倒リスクの変化を検討する。
方法
・20名の正常視力の健常成人
・重心動揺計にて姿勢安定性(ST)、重心軌跡(SP)、転倒リスク(FI)を計測した。
・正常時、球面レンズ着用時の2パターンのST、SI、FIを比較した。
結果
図:実験結果 Sang-Yeob Kim (2015)
・遠視、近視の程度を強くすることで姿勢安定性(FI)、転倒リスク(FI)ともに数値の上昇が見られた。これは身体重心動揺が増え、不安定性が増加したことを意味する。
表:実験結果 Sang-Yeob Kim (2015)
・遠視、近視の程度が増すと左右方向の重心移動に変化はないが、前後方向に大きく身体重心が動揺することがわかった。
私見・明日への臨床アイデア
・近視、遠視は身体重心動揺を増加させることがわかった。特に前後方向の重心移動が増えることが興味深かった。
・利用者様の視力がどの程度なのか把握したうえでプラン立案やリスクを考慮していきたい。
職種 理学療法士
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国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂院にて10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
著書はアマゾン理学療法1位 単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
ナレッジパネル→こちら
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