2015.08.22療法士専門系
脳卒中患者の立ち上がりの動作分析 その⑦ 機能的リンクを意識せよ
お疲れ様です。
STROKE LAB代表の金子です。
まとめて一気に何本か書いているので、書く前から疲労気味です。
今日は立ち上がり時の機能的リンクについて書きます。
機能的リンクと、文献では表現されていますが、運動連鎖とか筋連結とか、いろんな表現があるのではないでしょうか?
このブログはあくまで論文ベースに展開し、僕の経験を述べていくので、今回は「5つの機能的リンクモデル The five-linked rigid segment model」という表現で説明したいと思います。
まず以下の図を見てください
Muscle synergies and joint linkages in sit-to-stand under two initial foot positions 1998より引用
シンプルに、肘、肩、股関節、膝関節、足関節の連結です。
これに脊柱や手関節が入っても別にいいかと思います。
要は臨床の中でリンクを意識した介助、セラピーができているかということです。
例えば、トイレにて便座に移乗する際、片麻痺患者さんの両上肢を引っ張り、立ち上がりを誘導するとします。
手を誘導する際、手からなのか、前腕からなのか、上腕からなのか、肩甲帯か、体幹か、骨盤か
それらを瞬時に評価することがセラピストには重要です。
リンクが良好な方は、足関節、足の指からでも立ち上がりを誘導することはできます。
臨床で重要な事は、機能的リンクがどの部位からであれば比較的つながりやすいか?ということです。
もちろん接触した部位への刺激、方向付けもそれらリンクに影響してきますが、
若いセラピストは、まずは
「どこからサポートすれば、患者さんは楽か、運動学習が容易か?」
などを考える習慣をつけるべきだと思います。
前腕から誘導しても、麻痺側の上腕骨頭周囲の低緊張が著しい場合は、損傷させるリスクがあるので、上腕骨頭周囲にサポートを変えるべきですし、 そこに体幹やヒップ周囲の低緊張が伴っていれば、体幹サポートにしたほうが、努力量は少なく、骨頭周囲への圧力も少ないかもしれません。
それらを評価した上で、病棟のマンパワー、介助者の能力を判断し、伝達すべきです。
今日は以上です。
ありがとうございました。
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国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂院にて10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
著書はアマゾン理学療法1位 単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
ナレッジパネル→こちら
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