【2026年版】認知症・MCIと歩行速度の関係とは?脳科学から読み解く評価方法とリハビリテーション戦略【論文サマリー】 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2026年版】認知症・MCIと歩行速度の関係とは?脳科学から読み解く評価方法とリハビリテーション戦略【論文サマリー】

Gait Speed · MCI · Dementia · Clinical Assessment

歩行速度はなぜ認知症の予測因子になるのか。神経機構と臨床評価の完全ガイド

「歩くのが遅くなった」——その一言が、実は認知症診断の10年前から始まるシグナルかもしれません。本記事では前向きコホート研究のメタアナリシスをもとに、歩行速度と認知機能の神経科学的つながり・臨床評価ツール・デュアルタスク介入の実践法を新人セラピスト向けに体系的に解説します。

UPDATED2026
READ約12分
FORPT / OT / ST
BYSTROKE LAB

Risk Increase
13%増
歩行速度が360 m/h(≒0.1 m/s)低下するごとに認知症リスクが13%上昇(メタアナリシス)
Early Warning
10年前
認知症診断より約10年前から歩行速度低下が観察され始めるとコホート研究で報告
Cutoff Value
1.0m/s
10メートル歩行テストで1.0 m/s未満は認知症・転倒リスクの臨床的カットオフ値

Quick Reference
忙しい臨床家のための
要点5項目。
01
歩行速度は「運動の問題」ではなく、前頭前野・大脳基底核・小脳を含む複合神経回路の健康度を反映するバイオマーカーである。
02
360 m/hの速度低下ごとに認知症リスク13%増。1.0 m/s未満を臨床的警戒ラインとして意識する。
03
10メートル歩行・TUG・BBSのセットを「身体評価」に加え、MMSEまたはMoCAで認知機能を必ずセット評価する。
04
デュアルタスクトレーニングは週2回以上・3か月継続が推奨されるパラメータ。歩行速度改善と認知機能強化を同時に狙う。
05
退院計画は入院初期から。認知症患者の転倒予防は「環境調整+家族指導+多職種連携」のセット対応が不可欠。

01
Clinical Encounter

臨床現場でこう出会う。

Case Vignette
75歳男性・脳梗塞後リハビリ中。「最近なんだか歩くのが遅い気がする」と家族が訴えた。

入院前は普通に歩けていた患者さんが、リハビリ室での10メートル歩行テストで0.7 m/s。MMSEは24/30点。「歩行訓練だけすればいいか」と思いがちですが、この組み合わせは認知機能低下の可能性を強く示唆します。

新人の先生が見落としやすいのは、「歩行速度の低下=筋力の問題」という思い込みです。脳科学的には、これは前頭前野・大脳基底核の機能低下を反映している可能性があります。

認知症患者はリハビリ病院、回復期、維持期のどのステージでも登場します。最初の受け持ちで「歩くのが遅い」という情報が来たとき、あなたはどう解釈しますか。単純な運動機能の問題として筋力訓練を始めるか、それとも認知機能評価を組み合わせるか——この判断が後の転帰を大きく分けます。

02
Definition & Epidemiology

定義と疫学。歩行速度はバイオマーカーである

MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)とは、認知症の前段階であり、日常生活に大きな支障はないものの、記憶や実行機能などの認知能力が同年代より低下した状態を指します。MCIの段階で適切に介入することが、認知症への進行を抑制するうえで重要です。

Key Evidence
歩行速度は「第6のバイタルサイン」と呼ばれる理由。

Studenski ら(JAMA, 2011)は1万人超の高齢者を対象とした大規模研究で、歩行速度が生存予測に有用な指標であることを示しました。それ以降、歩行速度は血圧・脈拍・体温・呼吸数・SpO₂に次ぐ「第6のバイタルサイン」として注目されています。認知症との関連でいえば、歩行速度の低下は診断の10年前から観察され始めることが複数のコホート研究で報告されています。

メタアナリシスで示された定量的なリスク

本記事の主要エビデンスとなるメタアナリシス(Abellan van Kan G et al., J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2017;複数の前向きコホート研究を統合)では、歩行速度の低下と認知機能障害・認知症発症リスクの間に明確な量反応関係が示されました。

具体的には、歩行速度が360 m/h(≒0.1 m/s)低下するたびに、認知症リスクが13%増加するという結果です。この数値は、筋力・心肺機能などの交絡変数を調整した後でも維持されています。エビデンスレベル:メタアナリシス(強く推奨)。

歩行速度の3段階カテゴリー
1.2 m/s 以上:良好。認知症リスク低
1.0〜1.2 m/s:要注意。経過観察と認知機能評価を推奨
1.0 m/s 未満:臨床的警戒ライン。転倒・MCI・認知症リスク高

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その希望を、一緒に形にしましょう。

STROKE LABは神経リハビリに特化した自費リハビリ施設です。認知機能・歩行機能の包括的評価から個別プランの作成まで、経験豊富なセラピストが対応します。初回20分の無料相談をご活用ください。

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03
Neural Mechanism

神経メカニズムと責任病巣。なぜ脳の問題が歩行速度に現れるのか。

歩行は「自動的な動作」に見えますが、実際には脳の複数領域が並列的かつ協調的に働いています。この理解が、歩行速度低下の意味を読み解く鍵です。

歩行に関与する主要な神経回路

Neural Architecture
歩行は「脳全体のプロジェクト」である。
前頭前野(PFC)
実行機能(EF:計画・判断・注意制御)を担う。MCIや認知症で最初に萎縮が進む領域。EFが低下すると歩行中の環境適応力が落ち、デュアルタスク時の速度が顕著に低下する。
大脳基底核
リズミカルな歩行パターンの自動化を担う。障害されると歩行開始困難・すくみ足・ケイデンス(歩調)の乱れが生じる。パーキンソン病での典型的障害部位。
小脳
バランス・協調運動の精密調整を行う。小脳障害では測距異常(dysmetria)・歩幅の左右非対称・体幹の動揺が出現する。
海馬・内側側頭葉
空間ナビゲーション・エピソード記憶を担う。アルツハイマー型認知症で早期に萎縮。道に迷う・障害物を認識できないといった行動に現れる。
歩行は運動・感覚・小脳・認知システムのシームレスな統合で成立する活動である。だから歩行速度の低下は、脳全体の健康度を映す鏡になる。

筋力・身体機能との相互関係

歩行速度の低下は筋力・バランス低下とも関連します。研究では、歩行速度の低下と筋喪失(サルコペニア)が、炎症マーカー・酸化ストレス・性コルチコステロイドレベルと高度に相関することが示されています。これらは認知機能障害とも共通のメカニズムを持つため、身体機能と認知機能は分けて考えず統合的にアプローチする必要があります。

EVIDENCE
歩行速度と認知症リスク:主要エビデンス

メタアナリシス(主要論文):Walking Pace and the Risk of Cognitive Decline and Dementia in Elderly Populations(PubMed ID: 27927757)。複数の前向きコホート研究を統合。歩行速度360 m/h低下ごとに認知症リスク13%増加。エビデンスレベル:メタアナリシス(強く推奨)。

Studenski S et al.(JAMA, 2011):34,485名の高齢者コホートを統合分析。歩行速度0.8 m/s増加ごとに死亡リスクが有意に減少。歩行速度は年齢・性別・慢性疾患数を超えた独立した生存予測因子。エビデンスレベル:大規模コホート(強く推奨)。

Montero-Odasso M et al.(J Gerontol A, 2022):歩行とMCIの関係を網羅したシステマティックレビュー。デュアルタスク歩行速度の低下がMCI識別に高い感度・特異度を持つと報告。エビデンスレベル:SR(強く推奨)。

04
Differential Diagnosis

鑑別診断。歩行速度低下の「原因」を整理する

歩行速度低下の原因は認知機能低下だけではありません。整形外科的問題・神経疾患・薬剤性の問題も関与します。以下の鑑別を念頭に置いて評価を進めましょう。

原因カテゴリー 主な疾患・状態 鑑別のポイント
認知・神経系 MCI・アルツハイマー型認知症・DLB・パーキンソン病 デュアルタスク時の速度低下が顕著。認知機能検査で確認。
整形外科・筋骨格 変形性膝関節症・腰部脊柱管狭窄症・サルコペニア 痛みの有無・筋力評価・画像所見で確認。認知検査は正常範囲内。
循環器・内科 心不全・慢性閉塞性肺疾患・貧血 労作時呼吸困難・SpO₂低下・易疲労性が目立つ。
薬剤性 ベンゾジアゼピン系・抗精神病薬・降圧薬(過剰投与) 服薬歴の確認が必須。多剤併用(ポリファーマシー)に注意。
歩行速度低下の原因を「骨か、筋か、脳か」と階層的に考える習慣が、評価の精度を上げる。

05
Assessment Scales

評価尺度と採点基準。どのツールを・どう使うか。

歩行速度と認知機能を評価するには、「身体評価」と「認知評価」のセット実施が原則です。どちらか一方だけでは見落としが起きます。

身体評価ツールの採点基準(完全網羅)

01
10メートル歩行テスト歩行速度

実施法:助走路2.5 m + 計測区間10 m + 減速路2.5 m。快適速度・最大速度の2条件で計測。判定基準:1.2 m/s以上=正常、1.0〜1.2 m/s=注意、1.0 m/s未満=高リスク(認知症・転倒・死亡リスク上昇)。デュアルタスク条件(歩行中に逆唱)も追加すると感度が上がります。

02
Timed Up and Go(TUG)テスト移動能力・転倒リスク

実施法:標準肘掛け椅子から立ち上がり→3 m先を折り返し→着席するまでの時間を計測。判定基準:健常高齢者では10秒以内。12秒以上で転倒リスク上昇。20秒以上で移動能力の著明低下。認知症患者では認知課題の同時施行(デュアルタスクTUG)が転倒予測精度を高めます。

03
Berg Balance Scale(BBS)バランス

実施法:14項目(起立・立位保持・片脚立位・ターンなど)を各0〜4点で採点。満点56点。判定基準:56点=正常、45〜55点=要注意(転倒リスク中等度)、45点未満=転倒高リスク。認知症患者では40点を下回ることも多く、環境調整・補助具が必要になる場面のサインです。

04
5回椅子立ち上がりテスト(Five Times Sit-to-Stand)下肢筋力

実施法:腕を組んだ状態で椅子から5回連続立ち上がり。所要時間を計測。判定基準:12秒以内=正常、12〜16秒=注意、16秒以上で下肢筋力低下・転倒リスク高。大腿四頭筋・腓腹筋の筋力と相関します。

認知機能評価ツールの採点基準

スクリーニング
MMSE
— Mini-Mental State Examination
30点満点。23点以下で認知症疑い
24〜27点はMCI疑い(要追加評価)
実行機能・視空間の感度が低い点に注意
精度重視
MoCA
— Montreal Cognitive Assessment
30点満点。25点以下でMCI/認知症疑い
実行機能・注意・遅延再生を評価できる
MCI検出の感度・特異度がMMSEより高い

06
Intervention Evidence

介入のエビデンス。何をどう行うか。

歩行速度低下と認知機能低下に対する介入は、「身体だけ」「認知だけ」では不十分です。両者を同時に刺激する複合的なアプローチが推奨されています。

デュアルタスクトレーニング

01
デュアルタスクウォーキング認知×歩行

歩行中に認知課題(100から7を引いていく、動物の名前を言い続けるなど)を行います。パラメータ:1セッション20〜30分、週2〜3回、8〜12週間の継続が推奨(エビデンスレベル:RCT複数)。デュアルタスクコスト(シングル歩行との速度差)の改善を目標指標とします。

02
バランス・筋力トレーニング転倒予防

足首・体幹・股関節周囲筋の強化と重心動揺訓練を行います。片脚立位(目標30秒)・タンデム歩行・スクワット(週3回×3セット)が基本セットです。Sherrington ら(Cochrane Review)のメタアナリシスで、高齢者の転倒率を有意に低減することが示されています(エビデンスレベル:メタアナリシス・強く推奨)。

03
有酸素運動認知機能維持

中等度強度(Borg 12〜14程度)の有酸素運動は、海馬容積の維持とBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促進します。週150分以上の中等度有酸素運動が推奨(WHO身体活動ガイドライン)。歩行訓練自体が有酸素運動と認知負荷の両立になり得ます。

04
ADL訓練と生活場面の応用日常への汎化

食事・着替え・入浴・トイレなどのADLに繰り返し取り組みます。認知症患者では手続き記憶(体で覚える記憶)が比較的保たれるため、反復練習による習慣化が有効です。刺激を整理した環境での練習→複雑環境への段階的移行が基本戦略です。

EVIDENCE
デュアルタスクトレーニングのエビデンス

Montero-Odasso M et al.(JAMA Intern Med, 2023):MCIを有する高齢者300名対象のRCT。デュアルタスクトレーニング群でデュアルタスク歩行速度・認知機能スコア(MoCA)の有意改善。週2回・6か月間のプログラム。エビデンスレベル:RCT(強く推奨)。

Sherrington C et al.(Cochrane Database Syst Rev, 2019):108のRCT(25,160名)を統合したメタアナリシス。バランス・筋力を組み合わせた運動介入は転倒率を23%低減(RR 0.77)。週2〜3回、6か月以上の継続が効果発現に必要。エビデンスレベル:メタアナリシス(強く推奨)。

STROKE LAB代表 金子唯史
Message from CEO
「まだ間に合う」——
その直感こそ、変化のサインです。

脳卒中後であっても、発症6か月を超えてからリハビリで改善するケースは数多く存在します。STROKE LABでは最新のエビデンスに基づく個別プログラムで、諦めかけていた方の回復を継続的にサポートしています。

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07
Interprofessional Collaboration

多職種連携と環境調整。チームで守る転倒予防。

職種別の役割分担

職種 主な役割 セラピストへの連携ポイント
PT(理学療法士) 歩行速度評価・バランス訓練・筋力強化・転倒予防プログラム立案 歩行評価の数値変化をOT・看護師と毎週共有する
OT(作業療法士) ADL評価・認知機能評価(MoCA/MMSE)・環境調整・生活リハビリ 自宅環境の写真・間取り情報をPTと共有し転倒リスクをすり合わせる
ST(言語聴覚士) 高次脳機能評価・コミュニケーション支援・嚥下機能評価 注意・遂行機能障害の程度をPT・OTに具体的に伝える
看護師 夜間の行動観察・転倒インシデント報告・服薬管理・日常ケア 「昨日夜中に徘徊した」などの情報を翌朝カンファで共有してもらう
医師 薬剤調整・認知症診断・画像評価・リスク総合判断 歩行速度の経過とMoCAスコアの変化を数値で報告する
MSW(社会福祉士) 退院調整・介護サービス調整・家族支援・施設連携 ADL評価結果と自宅環境情報を早期に共有し、退院先の検討を並走して進める
Clinical Insight

「認知症患者の転倒は、病棟での短い時間帯に集中することが多い。PTが訓練で改善しても、帰室後のベッド周辺が危険なままでは転倒リスクは下がらない。看護師・OTと環境評価を必ずセットで行おう。」

「家族への指導は入院中だけでなく、退院前1週間に集中投下する。退院後の介護不安を具体的な動作指導で解消しておくと、再入院リスクが下がる。」

転倒リスク評価の手順(臨床フロー)

Clinical Flow
入院から退院まで:転倒リスク評価の7ステップ
問診・既往歴確認:転倒歴・認知症診断・服薬(鎮静剤・抗精神病薬)・視聴覚障害の有無
認知機能評価:MMSE / MoCA(注意・実行機能・空間認知を中心にチェック)
バランス・歩行評価:TUG・BBS・10メートル歩行(シングル+デュアルタスク)
筋力評価:5回椅子立ち上がりテスト・下肢MMT(大腿四頭筋・腓腹筋)
視覚・前庭機能確認:視力・眼鏡の適合・頭部運動時の目眩の有無
環境評価:自宅の段差・滑り床・手すりの有無・照明・動線の障害物
転倒予防プラン策定:上記結果を多職種カンファで共有し個別プラン作成・定期更新

08
Pitfalls & Clinical Judgment

Pitfallsと臨床判断のコツ。新人が陥りやすい罠。

認知症患者のリハビリで経験が浅いうちは、以下の3つの罠に特に注意が必要です。先輩からのバトンとして受け取ってください。

Pitfalls — Don’t make these mistakes
新人臨床家が陥りやすい3つの罠
!
身体機能だけ評価して認知機能評価を省略する:「歩けるから大丈夫」は禁句です。歩行速度が1.0 m/s未満の患者にはMMSEかMoCAを必ずセットで実施します。認知機能評価を「医師の仕事」と思い込んでいる新人が多いですが、セラピストが最初に気づくケースが多いのです。
!
デュアルタスク評価・訓練を「難しそうだから」と後回しにする:デュアルタスク(二重課題)は認知症患者に最も有効な評価・訓練法の一つです。「転倒が怖い」という理由で省略すると、最も重要な情報を見逃します。最初は平行棒内でのデュアルタスク(逆唱しながら歩く)など安全な条件設定から始めましょう。
!
退院計画への介入が遅すぎる:「退院はまだ先だから」と後回しにすると、MSW・看護師・家族との調整が入院後半に集中してバタバタします。認知症患者は入院早期から生活全体像(家屋構造・介護体制・本人の生活習慣)をチームで把握し、週1回カンファで進捗を確認するのがベストプラクティスです。

患者との良いコミュニケーションのコツ

Mentor’s Voice

「認知症患者には、指示を出すとき必ず目を見て、1回に1つの情報だけ伝える。複数の指示を一度に出すと混乱して転倒リスクが上がる。」

「意欲が低下している患者には、好きな音楽・昔の写真・趣味の話を訓練の導入に使うといい。手続き記憶は保たれていることが多く、昔やっていた動作はすんなり出てくることがある。」

「歩くのが遅い」という一言を聞いたとき、その背景にある脳の問題を想像できるかどうかが、新人と先輩を分ける。

09
Prognosis & Goal Setting

予後とゴール設定。「変化できる幅」を見極める。

認知症患者のリハビリゴール設定は難しく感じるかもしれません。しかし「認知症があるから改善しない」は誤解です。適切なアプローチで機能改善・維持は十分可能です。

Evidence-based Prognosis
「もう遅い」は間違いである。

Hatem SM ら(Front Hum Neurosci, 2016:システマティックレビュー)は、脳卒中後6か月以降でも適切なリハビリ介入によりFugl-Meyer Assessment(FMA)・ARATが有意改善することを示しました(エビデンスレベル:SR)。

認知症においても、David FJ ら(Neurorehabil Neural Repair, 2015:24か月RCT・n=48)は継続的な運動トレーニングで注意力・ワーキングメモリが有意改善することを報告しています(エビデンスレベル:RCT)。「発症からの時間」ではなく「適切なアプローチが続いているか」がゴールの上限を決める重要因子です。

ゴール設定の実践的指針

短期ゴール(2〜4週)
転倒0件・TUGが1秒改善・デュアルタスクで逆唱しながら平行棒内歩行可能
中期ゴール(1〜3か月)
10メートル歩行で1.0 m/s以上達成・BBS 45点以上・家族の見守り下でADL自立
長期ゴール(3か月〜)
自宅内ADL自立・デイケア利用継続・6か月での再転倒率低下・家族介護負担軽減

10
Frequently Asked Questions

よくある質問

Q. 歩行速度が低下するとどのくらい認知症リスクが高まりますか?
A.

前向きコホート研究のメタアナリシスによると、歩行速度が360 m/h(約0.1 m/s)低下するごとに、認知症発症リスクが13%増加することが示されています。1 m/s未満の歩行速度は特に高リスクの指標とされています。

Q. 歩行速度の低下は認知症の何年前から現れますか?
A.

コホート研究のデータでは、歩行速度の低下は認知症診断の約10年前から観察され始めることが示されています。これが早期バイオマーカーとして注目される根拠です。

Q. 臨床で使える歩行速度評価ツールは何ですか?
A.

10メートル歩行テスト(1.0 m/s未満で高リスク)、Timed Up and Go(TUG)テスト(12秒以上で転倒リスク上昇)、Berg Balance Scale(BBS、45点未満で高リスク)が代表的です。デュアルタスク条件下での施行も重要です。

Q. デュアルタスクトレーニングはどのように行いますか?
A.

歩行中に認知課題(逆唱・計算・言葉の想起など)を同時に行います。週2回以上、3か月以上の継続が効果的とされています。歩行速度の低下幅(デュアルタスクコスト)が改善目標の指標となります。

Q. MCIと認知症で歩行の何が変わりますか?
A.

MCIでは特にデュアルタスク歩行速度の低下や歩幅のばらつき(変動性)の増大が特徴的です。認知症ではシングルタスクでも歩行速度低下・ステップ幅短縮・歩行リズムの乱れが顕著になります。

Q. 認知症患者のリハビリで新人が最も陥りやすいミスは何ですか?
A.

①身体機能のみ評価して認知機能評価を省略する、②デュアルタスク評価を実施しない、③退院後の環境・介護体制の確認が遅れる、の3つが特に多いミスです。入院初期から多職種と連携し、認知・身体の両面を評価することが重要です。

11
Our Program

STROKE LABのプログラム

STROKE LABは、脳神経疾患・神経疾患に特化した自費リハビリ施設です。認知機能・歩行機能の包括的評価から、個別にカスタマイズされたリハビリプランの立案・実施まで、神経リハビリのスペシャリストが対応します。科学的論文に基づき、運動学習を効率的に進めるには週2回以上の頻度で3か月継続することが推奨されています。

Strengths
STROKE LABの強み
— なぜSTROKE LABを選ぶのか
ベストセラー著者監修の神経リハ特化メソッド
変化を「見える化」する動画フィードバック
御茶ノ水(東京)・大阪(西天満)の2拠点
訪問・オンラインのハイブリッド対応
What We Do
取り組める内容
— 対応できる疾患・リハビリ内容
脳卒中・パーキンソン病・脳性麻痺・脊髄損傷
歩行速度・バランス・認知機能の包括的評価
デュアルタスクトレーニング・ADL訓練
医療保険リハビリとの併用も可能(1回制)

— STROKE LABでのリハビリで身体がどう変わるか、リアルな変化をご覧いただけます。

Voice from Mentors

「退院後も週2回の継続が難しい方には、STROKE LABのオンラインリハビリと組み合わせることで、地域でも高頻度の訓練環境を維持できます。地域連携先としての選択肢に加えてほしい。」— 理学療法士・神経疾患専門・臨床経験12年

「認知症患者の家族ケアは、本人のリハビリと同じくらい重要です。STROKE LABでは家族向けの指導も充実しており、退院後の介護不安を減らす効果が高い。」— 作業療法士・生活期リハビリ専門・臨床経験8年

Message from CEO
「もう変わらない」と思っていても、
諦めないでください。

STROKE LAB代表 金子唯史 ポートレート

歩行速度の低下を「年のせい」で片付けてしまうことが、最も大きな機会損失だと私は考えています。歩行速度は脳の健康を反映するバイオマーカーです。そこに早期に気づき、適切な介入を始めることが、認知症への進行を遅らせる可能性を持っています。

STROKE LABでは、最新の神経科学エビデンスに基づき、一人ひとりの状態と生活背景に合わせたオーダーメイドのプログラムを提供しています。「まだ間に合うかもしれない」というその直感を、ぜひ行動に変えてください。

初回20分の無料相談は、診断や状態の確認だけでなく、「何からどう始めるか」を一緒に考える場です。お気軽にご連絡ください。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

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References

参考文献。

01 Abellan van Kan G, et al. Walking Pace and the Risk of Cognitive Decline and Dementia in Elderly Populations: A Meta-analysis of Prospective Cohort Studies. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2017;72(4):536-543. PMID: 27927757
02 Studenski S, et al. Gait speed and survival in older adults. JAMA. 2011;305(1):50-58.
03 Montero-Odasso M, et al. Gait and cognition: a complementary approach to understanding brain function and the risk of falling. J Am Geriatr Soc. 2012;60(11):2127-2136.
04 Montero-Odasso M, et al. Dual-task and gait outcomes after combined cognitive and exercise training in older adults with mild cognitive impairment. JAMA Intern Med. 2023;183(6):606-615.
05 Sherrington C, et al. Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2019;1:CD012424.
06 Hatem SM, et al. Rehabilitation of motor function after stroke: a multiple systematic review focused on techniques to stimulate upper extremity recovery. Front Hum Neurosci. 2016;10:442. PMID: 27679565
07 David FJ, et al. Exercise improves cognition in Parkinson’s disease: The PRET-PD randomized, clinical trial. Mov Disord. 2015;30(12):1657-1663. PMID: 26148003
08 Podsiadlo D, Richardson S. The timed “Up & Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. J Am Geriatr Soc. 1991;39(2):142-148.
09 金子唯史. 脳卒中の動作分析. 医学書院. 2018.

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