パーキンソン病で梅雨時に調子が崩れる|原因と対策・自宅でできる工夫 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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パーキンソン病

パーキンソン病で梅雨時に調子が崩れる|原因と対策・自宅でできる工夫

RAINY SEASON & PARKINSON’S

雨のたびに、動けなくなる。

「梅雨に入ると、なぜか毎年動きが重くなる」。パーキンソン病のある方から、よく聞く言葉です。それは気のせいではなく、気圧・湿度・日照・運動量・睡眠という複数の要因が、同時に体に影響している状態です。しくみと、自宅でできる立て直し方を整理します。

UPDATED2026
READ約10分
FORご本人・ご家族へ
BYSTROKE LAB
本記事は、医学書院『パーキンソン病の機能促進(動作分析から自主トレーニングまで)』(2025年・448頁)の著者が執筆しています。体調の変化には他の原因が隠れていることもあります。いつもと違う変化が続くときは、自己判断せず神経内科で確認してください。

Quick Reference
まず知ってほしい5つのこと。
01
梅雨時に症状が悪化したと感じる方は、決して少なくありません
02
原因は気圧・湿度・日照不足・運動量低下・睡眠の乱れなど複数が重なります
03
とくに自律神経の働き(血圧・体温調節)に影響が出やすい時期です
04
室内の運動・水分管理・環境調整で、立て直せることが多くあります
05
いつもと違う変化が続くときは、自己判断せず神経内科へ
01
Here It Comes Again

「今年も、この時期がきた。」

A Patient’s Voice
「雨が降ると、体が鉛のように重くなるんです」

6月に入ったころから、朝の起き上がりが辛い。歩幅が小さくなり、いつもの薬が効いている時間も短く感じる。台風が近づく前日は、決まってだるさとふらつきが強くなる——。毎年この時期に同じことを繰り返す方は、たくさんいらっしゃいます。

大切なのは、それが気のせいではなく、いくつかの要因が重なって起きている現象だと知ることです。しくみがわかれば、備え方も見えてきます。

パーキンソン病は、症状が一日の中でも、季節の中でも波を持つ病気です。梅雨の時期は、その波が大きくなりやすいタイミングのひとつ。まずはその理由を、原因ごとに分けて見ていきましょう。リハビリの全体像はリハビリ完全ガイドにまとめています。

02
Five Overlapping Causes

なぜ梅雨に崩れるのか。5つの原因。

梅雨時の不調は、ひとつの原因だけで説明できるものではありません。気圧・湿度と体温調節・日照・運動量・睡眠という、複数の要因が同時に重なっているのがこの時期の特徴です。ひとつずつ整理します。

原因 体に起きていること
①気圧の変動 気圧の変化を感じ取る自律神経の働きが乱れやすく、だるさやこわばりとして感じられることがある
②湿度・気温と自律神経 血圧を保つ働きが弱くなっているため、立ち上がったときのふらつき(起立性低血圧)が強まりやすい
③日照不足 日に当たる時間が減ることで気分が沈みやすくなり、それが動きの重さとして感じられることがある
④運動量の低下 外出を控えることで体を動かす機会が減り、こわばりやすり足、すくみ足が出やすくなる
⑤睡眠の乱れ 蒸し暑さで寝つきや眠りの深さが乱れ、翌日の動きや集中力に影響することがある

こう見ていくと、「天気のせい」でひとくくりにせず、自分にとってどの要因が大きいかを知ることが、対策への近道だとわかります。とくに④の運動量低下は、天候に関わらず自分でコントロールしやすい要因です。次の章では、そこに焦点をあてます。

03
Bring The Cue Indoors

STROKE LABの視点:雨の日こそ、室内に「動きのキュー」を作る。

外を歩けない日が続くと、歩幅が小さくなり、すり足やすくみ足が出やすくなります。そこで有効なのが、屋外の景色の代わりに、室内に「歩くための目印(キュー)」を用意するという考え方です。目印は、次の3ステップで、自宅にあるもので用意できます。

Three Steps

ステップ1:床にまたぐ目印を貼る。養生テープなどで、廊下やリビングの床に一定間隔で線を貼ります。線をまたぐことを意識すると、歩幅が小さくなりにくくなります。

ステップ2:音のリズムで歩く。メトロノームアプリや「いち、に」の号令に合わせて足を出します。音のリズムがあると、すくみ足が出にくくなることがあります。

ステップ3:梅雨専用のルーティンを決めておく。「雨の日は、朝食後にこの目印を10往復」など、天気に左右されない自分の型を先に決めておくと、迷わず続けやすくなります。

目印は、視覚的なキューイングと呼ばれる工夫のひとつです。外を歩くときに使っている目印(並木道や横断歩道の白線など)を、室内で再現するイメージを持つと、応用しやすくなります。合う目印の間隔や音のテンポは人によって異なるため、理学療法士・作業療法士と一緒に見つけるのが近道です。

Evidence
キューイング訓練が、すくみ足と歩行を改善した研究

視覚・聴覚・体性感覚のキューを用いた歩行訓練を検証した無作為化比較試験(RESCUE試験)では、キューを使った訓練を受けた群で歩行速度やすくみ足の頻度が改善したと報告されています。屋外に限らず、室内でも目印や音を使うことが、歩行の立て直しにつながる可能性を示す結果です。

限界:この研究は屋外・屋内を区別した検証ではなく、効果には個人差があります。訓練を中止すると効果が薄れる項目もあり、継続が前提です。運動療法は薬の代わりではなく、組み合わせて使うものです。

出典:Nieuwboer A, et al. Cueing training in the home improves gait-related mobility in Parkinson’s disease: the RESCUE trial. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2007;78(2):134-140
外に出られない日は、外の目印を、室内に持ち込めばいい。

ここまでは、自宅でできる工夫でした。専門施設では、その先の個別評価と組み立てまで踏み込めます。
+

Second Track — At STROKE LAB
専門施設で、さらに期待できること
「なんとなく崩れる」を、要因ごとに分けて組み立て直す。

梅雨時の不調は原因が重なっているぶん、「今日の不調が、どの要因によるものか」を見極める評価が立て直しの近道になります。専門的な関わりでは、大きく3つの方向から組み立てます。

1. 個別のキューイング設計。視覚・聴覚・体性感覚のどのキューが最も効果的かを評価し、その人の生活動線に合わせた目印の配置を提案します。

2. 起立性低血圧への対応。血圧の変動パターンを確認しながら、立ち上がり方や水分・塩分のとり方など、生活動作の側から転倒リスクを減らします。

3. 運動量を落とさない仕組みづくり。天候に左右されない室内運動のメニューを一緒に組み、外に出られる日との差を小さくしていきます。

STROKE LABが大切にしているのは、「天気のせい」で終わらせず、複数の要因をひとつずつ切り分けて対応するという姿勢です。効果には個人差があり、体調の波は季節以外の要因でも変動します。薬の調整は主治医の役割です。

04
What You Can Do At Home

自宅でできる対策。

前の章で紹介した「室内キュー」に加えて、体調を崩す要因を減らす環境づくりも大切です。難しいことをする必要はなく、決めておくだけで続けやすくなる工夫を紹介します。

水分を時間で区切ってとる。のどが渇く前に、朝・昼・夕とタイミングを決めて水分をとると、ふらつきの予防につながります。除湿と床の安全を保つ。除湿機や換気で室内の湿度を保ち、濡れた床や玄関マットのめくれなど、転倒につながる箇所を先に片づけておきます。窓際で日に当たる時間を作る。外に出られなくても、カーテンを開けて窓際で過ごす時間を持つだけで、日照不足の影響を和らげられます。気圧の変化を先読みする。気圧予報アプリなどで低気圧が近づくタイミングを確認し、その日は予定を詰め込みすぎず、休む時間を先に確保しておきます。寝る前の環境を整える。寝室の温度と湿度を快適に保ち、蒸し暑さで眠りが浅くならないようにします。運動で体を動かしておくと、環境調整の効果も出やすくなるので、体操・自主トレ大全もあわせて活用してください。

Watch & Practice
室内でできる体操を、動画で。

脳リハ.comのYouTubeでは、狭いスペースでもできる体操を配信しています。雨の日専用のルーティンとして、無理のない範囲で習慣にしてみてください。

室内でできる体操を見る

05
Rehab & When To See A Doctor

専門リハと、受診の目安。

専門のリハビリでは、季節による波を含めて生活の困りごとを一緒に確認し、キューの種類や配置、室内運動の頻度、起立時の動き方を、その人の生活に合わせて調整します。「今年の梅雨は去年より辛い」など、変化そのものを相談の材料にすることができます。薬の調整は主治医の役割で、私たちは動作と生活の側から支えます。

受診の目安は、ふらつきや転倒が増えた、意識が遠のく感じがある、気分の落ち込みが長く続く、といったときです。「梅雨だから仕方ない」で済ませず、いつもと違う変化は神経内科で確認してください。専門的な費用や施設の選び方は自費リハビリの費用・施設の選び方にまとめています。

06
FAQ

よくある質問。

Q. 梅雨の時期に調子が悪くなるのは、気のせいではありませんか?

気のせいではありません。パーキンソン病では、気圧や湿度、日照時間の変化に反応しやすい自律神経の働きが弱っていることが多く、梅雨の時期に動きにくさやだるさを強く感じる方は少なくありません。ただし変化の感じ方には個人差があり、他の体調要因が重なっている場合もあるため、続くようなら神経内科で相談してください。

Q. 気圧の変化で薬の効き目が変わることはありますか?

気圧そのものが薬の効き目を直接変えるという証拠は確立していません。ただし、湿度や気温の変化に伴う食欲低下や胃腸の動きの変化が、薬の吸収タイミングに影響することは考えられます。効き目のオンオフが普段と違うと感じたら、自己判断で量や時間を変えず、まず主治医に相談してください。

Q. 雨で外に出られない日は、運動をお休みしてよいですか?

できれば室内で体を動かす日を作ることをおすすめします。数日運動から離れるだけでも、動きの重さやこわばりが強まりやすいためです。室内でも、足踏みや椅子からの立ち座り、床に貼った目印をまたぐ練習など、できる運動はたくさんあります。無理のない範囲で、短時間でも続けることが大切です。

Q. 梅雨時にめまいやふらつきが増える気がします。なぜですか?

パーキンソン病では、血圧を保つ自律神経の働きが弱くなっていることがあり、これを起立性低血圧といいます。湿度や気温が高くなる時期は血管が広がりやすく、立ち上がったときの血圧低下が強まりやすくなります。ふらつきが増えたと感じたら、水分と塩分のとり方も含めて、主治医や理学療法士に相談してください。

Q. 気分が沈みやすいのも、梅雨のせいでしょうか?

日照時間が短くなる時期は、気分の落ち込みを感じやすくなることが知られています。パーキンソン病自体も気分の変動と関わりがあるとされており、気分の落ち込みが動きの重さとして感じられることもあります。気になる変化が続くときは、我慢せずに主治医や専門スタッフに伝えてください。

Q. 除湿や換気は、本当にそんなに大事なことなのでしょうか?

室内の湿度が高いままだと、汗による体温調節がしづらくなり、だるさやふらつきにつながることがあります。また床が湿って滑りやすくなると、転倒のリスクも上がります。除湿や換気は、症状そのものを治すものではありませんが、体調を崩す要因を減らし、安全に過ごすための土台になります。
07
STROKE LAB

季節の波の相談は、STROKE LABへ。

STROKE LAB(東京・大阪)は、脳卒中とパーキンソン病を中心とする神経疾患専門の自費リハビリ施設です。「梅雨になると崩れる」という感覚を、気圧・自律神経・運動量・睡眠といった要因に分けて確認し、その人に合ったキューの使い方や室内運動、生活動作の工夫を組み立てます。薬の調整は主治医を尊重し、動作と生活の側から支えます。保険リハとの併用も歓迎です。

書籍『パーキンソン病の機能促進 動作分析から自主トレーニングまで』(医学書院)の表紙
Book
パーキンソン病の機能促進
動作分析から自主トレーニングまで
医学書院/2025年/448ページ

運動を通じて心身の状態を整える考え方を、動作分析の視点から体系化。本文と連動するYouTube動画62本で、実際の動きも確認できます。

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Message from CEO
雨の日にも、
動ける工夫はあります。
STROKE LAB代表 金子唯史

「今年も梅雨がきたか」と、ため息をつく方に、たくさん出会ってきました。毎年繰り返す不調は、天気のせいだと諦めてしまいがちです。

お伝えしたいのは、原因を分けて見れば、天気に振り回されない過ごし方は必ず見つかるということです。室内に目印を置き、水分と睡眠を整え、体を動かす。ひとつずつの積み重ねが、雨の日の重さを和らげます。

季節の波でお困りなら、どうぞ一度ご相談ください。その方の生活に合わせて、一緒に対策を組み立てます。

株式会社STROKE LAB
代表取締役 金子 唯史

無料相談を予約する

References

本記事は、国内外の診療ガイドライン・公的情報と、STROKE LABの臨床経験および下記書籍の枠組みをもとに構成しています。体調の変化には他の原因が隠れていることもあります。気になるときは、必ず神経内科・主治医にご相談ください(最終確認日:2026年7月6日)。

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