vol.106:脳卒中患者の運動学習と睡眠 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
目次
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カテゴリー
神経系
タイトル
脳卒中患者における睡眠と運動学習
引用文献
Sleep to learn after stroke: Implicit and explicit off-line motor learning ?PubMed Sienqsukon, C. F. Neurosciences Letters. 2009 Feb 13;451(1):1-5.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・知識の定着に睡眠が必要と言われるが、運動学習においても睡眠が重要であると述べられており、興味深かったため。
内 容
目 的
・運動学習における睡眠の役割を明確にする。
方 法
・脳卒中患者40名と健常成人40名
・課題はパソコン上に映し出される波線をジョイスティックでなぞり、正確になぞれたかを記録する。
・実験プロトコル
①課題10セッション(練習とベースライン計測として)
②12時間の休憩(睡眠群と非睡眠群に分かれる)
③課題(運動学習の効果が残存しているか評価)
結 果
図:睡眠群と非睡眠群の誤差率の変化 (Sienqsukon, C. F. 2009 より引用)
※マイナスが大きいほどベースラインよりも減少したということ。縦軸は誤差率の変化、左二つの棒グラフが睡眠群、右二つが非睡眠群。
・睡眠群の方が非睡眠群に比し有意に誤差率が減っている。
論文背景や興味深かったこと
・先行研究で健常若年成人に対し、睡眠と運動学習の関連性が証明されているが、脳卒中患者では運動学習における睡眠の役割は不明確である。
・本研究は脳卒中患者において、睡眠が運動学習促進の一要因であることを示唆している。
・睡眠と運動学習がどう関連しているかは記載がなく、これからの研究対象であると思われる。
明日への臨床アイデア
・臨床にて睡眠がうまく取れていない患者様も多い。運動学習を促進するため、睡眠の評価も必要ではないか。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 4万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018)