標準高次動作性検査(SPTA)とは?13項目・採点の読み方と失行【PDF評価付き】 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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標準高次動作性検査(SPTA)とは?13項目・採点の読み方と失行【PDF評価付き】

STROKE LAB / ASSESSMENT GUIDE実施 → 解釈 → 介入

SPTA

標準高次動作性検査

動作が難しい理由を、条件を変えて探る。

言葉では止まる、見本なら動ける、実物を持つと使える。動作が変わる条件を見つけ、本人に必要な生活動作で再現できる手がかりにします。

口頭指示と模倣の条件の違い

口頭指示と模倣の条件の違い・場面1
口頭指示と模倣の条件の違い・場面2
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13項目顔面・上肢・下肢・着衣・構成
条件と誤り方口頭指示/模倣/実物
生活で測る自力工程数・促し・完了

医療・リハビリ専門職向け | 内容確認:2026年11月4日

実施前の確認

時間と道具を準備し、条件をそろえる

製品案内では全体約90分が目安です。これは全課題を一律に打ち切る制限時間ではありません。休息や分割、選択実施の範囲を記録し、各課題の時間規則はマニュアルに従います。[5]

正規マニュアル・記録用紙と、指定された用具を事前にそろえます。検査中に用具を探すと提示条件が変わるため、使用する順序に合わせて準備します。本人が日頃使う道具の経験、病前の利き手、検査に用いる側も確認します。

01 / SPTA

SPTAで、何を分けて考えるか

SPTA(Standard Performance Test for Apraxia)は、失行症を中心とする高次動作性障害を調べる日本の検査です。2003年の改訂第2版では、麻痺・失語の影響と誤反応得点の扱いを再検討したプロフィールが追加されています。[1]

歯ブラシを握れるのに、毛先を歯へ向けられない。着替えの説明はできるのに、袖の操作が進まない。こうした場合は、力、感覚、言語理解、物の認識と、目的動作の組み立てを分けて調べます。非麻痺側の手でも失行が現れることがあります。[2]

02 / SPTA

13項目の全体像

領域 正式項目と観察の焦点
顔面 顔面動作/物品を使う顔面動作。随意動作と物がある条件。
片手・両手 上肢(片手)慣習的動作/手指構成模倣/上肢(両手)客体のない動作。身振り、手の形、両手の関係。
連続・系列 上肢(片手)連続動作/上肢・系列的動作。切り替えと順序。
着衣・物品 上肢・着衣動作/上肢・物品を使う動作/下肢・物品を使う動作。身体・物・対象の関係。
描画・構成 上肢・描画(自発)/上肢・描画(模倣)/積木テスト。形と位置関係の構成。

13項目を5群にまとめて表示しています。着衣・構成の不良には視空間や注意も関わるため、各項目を一つの失行の診断名へ置き換えるものではありません。[1]

着衣と構成の観察場面

着衣と構成の観察場面・場面1
着衣と構成の観察場面・場面2
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掲載図は条件や観察の焦点を伝える独自の説明図です。図中の動作・用具は正式な検査課題の再現ではなく、実施には正規資料を用います。

03 / SPTA

実施|成功・失敗のほかに、動作のどこが違うかを書く

  1. 基本機能と使用手を確認

    筋力・可動域・痛み・失調、触覚・位置覚、視野、言語理解を確認。病前の利き手と道具の経験、使用手を残します。

  2. 項目ごとの正式条件で実施

    正規マニュアルの教示、提示、実施側、反復・時間・採点の規則にそろえます。口頭指示、模倣、物品の条件を自己流の順で全項目へ適用しません。

  3. 反応を動作の言葉で記録

    「握りを3回変えた」「毛先を逆へ向けた」「次の工程へ移らず反復した」など、観察できる事実を書く。麻痺や理解困難で未実施なら理由を残します。

  4. 採点後に、支援を一つずつ比較

    別の生活課題で見本、実物、対象の提示、物品数の整理を試します。補助後の成功は標準得点に混ぜず、「何を示すとできたか」として記録します。

動作途中の観察と反応の記録

動作途中の観察と反応の記録・場面1
動作途中の観察と反応の記録・場面2
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04 / SPTA

採点と解釈|「実物でできる」の意味を読む

道具のない条件と実物使用の比較

道具のない条件と実物使用の比較・場面1
道具のない条件と実物使用の比較・場面2
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図は条件の比較を示しています。すべての項目を「口頭指示→模倣→実物」の順で繰り返すという意味ではありません。

SPTAは誤反応得点とプロフィールで読みます。誤反応点の増加を改善と読まず、実施条件・側・領域ごとの変化を確認します。13項目を各1点として合算する方式ではありません。全体の一律カットオフより、どの動作がどの条件で崩れるかが、支援に直結します。[1]

反応の組み合わせ 次に考えること 生活で使う候補
口頭指示で難しい/模倣でできる まず言語理解。見本からの動作は使えているか。 短い言葉と一回の見本。
道具なしで難しい/実物で改善 実物の形・触覚・対象が手がかりになるか。 慣れた道具と、使う対象を一緒に提示。
単一動作はできる/系列で抜ける 工程の保持・切り替え・終了判断も確認。 一工程ずつの提示、終了した道具を片づける。
見本でも手の形が崩れる 視空間、身体の位置関係、感覚・運動を確認。 見本の見え方を調整し、一部分ずつ比較。

条件差だけで観念性・観念運動性などの診断名を自動的に決めません。診断の検討と、いま使える手がかりの選択を並行します。[2]

05 / SPTA

結果から生活の何を見通せるか

実物使用で成績が保たれる人には、道具と対象を整えた生活場面で成功する余地があります。一方、系列的動作で抜けが多ければ、道具を使う瞬間だけでなく、準備・次の工程・片づけまで確認します。検査の点数は自立度の換算表ではありませんが、何を提示し、どの工程を見守るかを決める材料になります。

06 / SPTA

介入例|実物の手がかりと、工程の整理

CLINICAL EXAMPLE · 架空例

パントマイムは曖昧だが、実物なら歯磨きが始まる

準備
普段の歯ブラシとコップを、本人が見つけやすい位置に置く。口腔・嚥下の条件に合わせます。
試す支援
最初は道具と対象を示し、短い言葉で目的を伝えます。動きが止まったら、説明を重ねる前にどの工程か確認。
促しを減らす
見本を毎回示す状態から、実物だけで始められるかへ進めます。
再評価
選択・準備・使用・終了の自力工程数、促し、翌日の再現性。
CLINICAL EXAMPLE · 架空例

一つずつ使えるが、整容の途中で同じ操作を繰り返す

観察
歯磨き→洗顔→整髪のどこで切り替わらないか、終わりを認識しているかを見る。
試す支援
その工程の物だけを出し、終えた物は終了トレーへ。次の物を一つ提示します。
本人へ戻す
本人が終了トレーへ置いて次の物を取れるように、移行の一工程を練習。
再評価
工程の抜け・反復、次へ移る促し、全体の完了時間。
検査後の生活支援:工程を絞り終了した物を分ける

検査後の生活支援:工程を絞り終了した物を分ける・場面1
検査後の生活支援:工程を絞り終了した物を分ける・場面2
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07 / SPTA

他の評価・介入研究・再評価

評価 追加する目的
TULIA/AST 上肢の身振りの評価・スクリーニング。SPTAと同じ満点・基準ではない。
VPTA・言語評価 物が分かるか、指示が伝わるか。
CAT-R・BADS 系列での保持・切り替え・計画を補う。
実際のADL 介助量、手がかり、工程の完了を確認。

方略訓練の無作為化試験

Donkervoortらは失行のある左半球脳卒中患者113人を対象に、通常の作業療法に方略訓練を組み込む方法を検討しました。8週後のADLで有益な差がありましたが、開始時から5か月後には有益な群間差は認められませんでした。実生活の動作と一緒に支援を練習し、その後も効果を確認する根拠です。[3]

近年のレビュー

Purcellらのレビューでは方略訓練やジェスチャー訓練が検討されていますが、根拠の確実性は限定的です。上記の具体例は個別に試す実践案として、本人のADLで効果を測ります。[4]

カルテ・申し送り|架空例

観察:歯ブラシ単品の使用は可能。整容場面では終了後も同じ操作を反復し、次の物品選択が進まなかった。

支援と反応:終了トレーを設け、一工程分の物品だけを提示すると次の工程へ移れた。次回は促しを減らし、自力での片づけ・物品選択、促し回数、完了時間を確認する。

SPTA臨床評価・記録シート
DOWNLOAD / 動作を記録へ

できる条件を、生活へつなぐ。

A4縦・3ページ
① 13項目・実施条件・代表反応
② 誤りと追加した手がかり
③ ADLの工程・カルテ記載

臨床評価・記録PDFを開く ↓

正式な小課題の採点・集計には正規用紙をご使用ください。

正規資料・プロフィール作成の案内 ↗

REFERENCES

参考文献・実施資料

  1. 日本高次脳機能学会.標準高次動作性検査(SPTA).構成・改訂第2版・プロフィール作成.
  2. Dovern A, Fink GR, Weiss PH. Diagnosis and treatment of upper limb apraxia. J Neurol. 2012;259:1269–1283.
  3. Donkervoort M, et al. Efficacy of strategy training in left hemisphere stroke patients with apraxia: A randomised clinical trial. Neuropsychol Rehabil. 2001;11:549–566.
  4. Purcell S, et al. Interventions to improve the occupational performance of people with post stroke upper limb apraxia – A systematic review and meta-analysis. Br J Occup Ther. 87(2):67–78. doi:10.1177/03080226231201738(オンライン公開2023年).
  5. サクセス・ベル.SPTA製品案内:所要時間・実施用具.

掲載図は条件理解のための説明図、生活の事例は架空例です。実施・採点の詳細は正規資料をご確認ください。

STROKE LAB / SPTA 臨床で使える評価ガイド

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