vol.221:下肢挙上時における腹直筋と大腿直筋 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
健常成人の下肢挙上時の腹直筋と大腿直筋の筋活動の割合
Muscle activities of the rectus abdominis and rectus femoris and their ratio during leg raises performed by healthy adults.?PubMed Lee SY J Phys Ther Sci. 2015 Mar;27(3):549-50.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・下肢挙上時に腹直筋、大腿直筋が協調的に働くのはイメージしやすい。両筋の活動を筋電図で正確に測ったデータは初めてみたため、読んでみたいと思った。
内 容
背景・目的
・下肢挙上時には主動作筋である大腿直筋だけでなく、骨盤の安定のために腹直筋が活動する。本研究では下肢挙上時の上記2筋の関係性を検討する。
方法
・20名の健常成人
・被験者に0°~60°の下肢挙上をさせ、大腿直筋と腹直筋の電位を筋電図を用いて計測した。
結果
表:実験結果 Lee SY (2015)より引用
・大腿直筋、腹直筋ともにそれぞれの角度で有意な差が見られた。大腿直筋は股関節屈曲30-45°で筋電位のピークを迎え、腹直筋は股関節屈曲角度が増加するにつれ筋電位が増加した。
私見・明日への臨床アイデア
・大腿直筋の活動は45°でピークを迎えることが分かった。直筋を鍛えたい場合は45°以上の挙上は必要ないであろうことを示唆している。
・逆に骨盤の安定性を高めるために下肢挙上を行う場合、下肢は45°を超えて挙上させるようにした方がよいと思われる。今回の論文のようなデータも用いて臨床でのプランを作っていきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023)